シネマトゥデイ

黒木メイサ、菊地凛子、佐伯日菜子、押井守
『アサルトガールズ』
ゲームの世界を舞台にした「ごっこ遊び」を楽しんで観てほしい
『アサルトガールズ』黒木メイサ、菊地凛子、佐伯日菜子、押井守監督インタビュー

取材・文:内田涼 写真:高野広美

第65回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門に出品された映画『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』をはじめ、世界的な注目を集める押井守監督の最新作『アサルトガールズ』がついに完成した。映画『Avalon アヴァロン』以来約8年ぶりとなる長編実写に押井監督がぶつけた思いとは? ゲームの世界を舞台に、巨大モンスター"スナクジラ"を仕留める美しき女ハンターを演じた黒木メイサ、菊地凛子、佐伯日菜子という超豪華キャスト陣も撮影の舞台裏を語ってくれた。

■状況を把握するだけでいっぱいいっぱい!

Q:主人公のグレイを演じる黒木さんは、今回が初めての押井守監督作品でしたが、いかがでしたか?

黒木:撮影が終わった後でCGを処理するというシーンがたくさんあったので、実際、自分が撮影現場にいるときは、その瞬間、目の前で何が起こっているのか把握するのにいっぱいいっぱいでしたね。押井監督とは、やっと通じ合えたと思ったころに撮影が終わってしまって(笑)。

Q:ご自身から見て、ズバリどんな監督さんでしたか?

黒木:ズバリと言いたいんですけどね……うーん。実はわたし自身、まだつかみ切れていない部分がありまして。今日もこうしてご一緒させていただいて、横目でチラチラ観察しているんですけどね(笑)。

Q:菊地さんは、映画『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』『斬~KILL~』に続いての押井作品への出演となりました。

菊地:監督はとってもチャーミングなんですよ! 時折すごく哀愁が漂うときもあるし、大人っぽいですよね。

黒木・佐伯:大人っぽいじゃなくて、大人ですよ!(一同笑)

菊地:そうでした(笑)。本当に魅力あふれる方だと思います。

Q:佐伯さんが押井監督とお仕事するのは、映画『真・女立喰師列伝』以来ですね。

佐伯:監督はすごく優しいですね。で、一見、流行りの草食系男子に見えますけど、めちゃくちゃ無頼な一面もあるんですよ。スタッフの方と話している姿とかを見ていると、内に秘めた映画熱のようなものを感じますね。別に気持ちをわぁーって表に出して闘うタイプではないと思うんですけど。

■撮影中は、キャスト3人が顔を合わせることは一度もなかった!?

Q:撮影は伊豆大島でされたとうかがいましたが、現場はいかがでしたか?

佐伯:地球の大きさみたいなことをすごく感じましたね。天候は基本曇りなんですけど、一瞬パァーッと晴れたり、天気の移り変わりを眺めながら、「地球をもっと大切にしないといけないな」と思いました。いつまでも、このままの美しい風景であってほしいなって。

黒木:とにかく風と霧がすごかったというのを覚えています。足場がかなり悪かったんで、アクションシーンはちょっと大変だったかな。でも普段感じることのできない、気候の変化を体感できて楽しかったです。

菊地:確かに足場が悪かったですね。撮影が終わって、いざ帰ろうと思ったら「帰りは歩いてください」って言われたこともありました。結構、怖い場所を歩かされたのを覚えています……(笑)。

Q:撮影現場では、3人の女優さんが顔を合わせることは、一度もなかったそうですね。

押井監督:女優さんと付き合うのは僕にとっては大変なことで、カメラが止まっちゃうと何を話していいかわからない(笑)。一つの現場では、一人の女優さんとしか仕事できないタイプなんですよ。ただ、自分で希望した女優さんと仕事ができたし、それぞれの持ち味やカッコ良さがうまく表現できたなと。

■キャラクターになりきってもらうため、環境作りにこだわった

Q:ゲームの世界にアクセスし、その中のキャラクターを演じるという難しい役どころでしたが、演じてみていかがでしたか。

黒木:わたしが演じるグレイっていう女性はとてもタフで、強くあることにこだわりを持っている女性ですね。今回は本格的なアクションにも挑戦しましたし。ただそれはゲームの世界のお話で、実生活では「引きこもりのプー」っていう設定で。それなりに精神的な弱さも持ち合わせているんです。

Q:菊地さんが演じるルシファ、佐伯さんが演じるカーネルはそれぞれ映画『斬~KILL~』『真・女立喰師列伝』から受け継いだキャラクターですね。

菊地:カラスに変身できる魔導師なので、鳥のような自由な感じというか、ちょっとずる賢くて、愛嬌(あいきょう)もあるファニーな役柄でしたね。演じていてとても楽しかったですよ。

佐伯:前回(『真・女立喰師列伝』) に比べると、撮影時間も長かったし、今回はよりアクティブに動けたかなと思いますね。前回はたった一人、半分気を失いながらのコックピットでの撮影でしたから……。

Q:監督から出演者の皆さんには、どんな要望を出したんですか?

押井監督:いやぁ、好きにやってくれればっていう部分が大きいですよ(一同笑)。みんな、映画の登場人物であると同時に、ゲームのキャラクターなわけで……まぁ、そこがちょっとややこしいんだけど、とにかく「自分がゲームの世界にアクセスしている」ってことだけ念頭に置いてもらえれば、あとは自分なりの理想やカッコ良さを表現してくれると。そのための環境作りとして、衣装や小道具、ロケ地などには大いにこだわりましたね。

■単独行動と集団行動、得意なのは?

Q:映画の前半で単独行動をしていたグレイ、ルシファ、カーネルが、巨大な敵を倒すためにチームを組んで戦いに挑みますね。皆さんは単独行動と集団行動、どちらが得意ですか?

黒木:どちらかといえば単独行動のほうが好きですね。周りからは意外って言われるんですけど(笑)、結構、いろんなことが気になっちゃう性格なので。やっぱり人数が増えれば増えるほど、「あっ」って気になっちゃうことも増えますからね。

菊地:わたしも単独行動のほうが得意ですね。理由ですか? うーん……これという理由はないんですけど(笑)。

佐伯:本を読んだり、映画を観たり、何か書いたり、一人で過ごす時間は自分にとってすごく重要なものですね。あえてどちらか、といえばやっぱり単独行動が好きかなぁ。

Q:最後になりますが、キャストの皆さんからメッセージをお願いします。

黒木:この作品は、映画の世界に引き込まれつつも、同時にポーンって突き放される感覚があるんですよ。だからもう一度観たくなってしまう。それが押井監督の作品の魅力なんじゃないでしょうか。少なくとも2回は観てほしいですね。

菊地:戦う女性たちのファンタジーっていうんでしょうか。押井監督らしいカッコ良さが詰まった作品だと思います。

佐伯:押井監督の作品は、いつも現実を忘れさせてくれるスケール感や、想像もつかないマジックがいっぱいなんです。この作品も爽快(そうかい)感があって、観終わった後、絶対スカッとできる作品です。

Q:この豪華キャストで、ぜひ続編も観てみたいですね。

押井監督:やれと言われれば、いつでもやるんで(笑)。この作品に関していえば、よくできたなって部分も多いし、自分でも珍しく、とても明るい映画が撮れたと思っています。それはここにいる女優さんたちのおかげですね。『アサルトガールズ』はゲームの世界を舞台にした「ごっこ遊び」。お客さんにもお気に入りのキャラクターになりきってもらって、ゲーム感覚で楽しんでもらえるといいんじゃないかなと思います。

劇中では独創的かつ幻想的なコスチュームに身を包み、バーチャルなゲームキャラクターとして、華麗なアクションも披露している黒木、菊地、佐伯の3人は、それぞれの持ち味を生かしながら、自由な発想で演じることの楽しさを満喫した様子だ。女優陣の個性を引き出す環境づくりにこだわった押井監督も作品の出来栄えに満足げな表情だった。が、「女優さんと向き合うのは苦手」という言葉通り、3人の美女を前にインタビュー中は終始、照れくさそうな表情の押井監督だった。

映画『アサルトガールズ』は12月19日よりテアトル新宿、池袋テアトルダイヤほかにて全国公開

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