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西田敏行
『釣りバカ日誌20 ファイナル』
演じている僕自身、ハマちゃんから元気をもらっていた
『釣りバカ日誌20 ファイナル』西田敏行 単独インタビュー

取材・文:シネマトゥデイ 写真:吉岡希鼓斗

22年間多くの人たちから愛され続けてきた国民的人気映画『釣りバカ日誌』シリーズが、映画『釣りバカ日誌20 ファイナル』で最終章を迎えた。舞台となった北海道で、ハマちゃんとスーさんが最後の釣りを満喫する。出演者はおなじみのメンバーのほか、ゲストに松坂慶子、吹石一恵、塚本高史らが名を連ねた。ハマちゃんこと浜崎伝助を演じた西田敏行が、ファイナルを迎えた心境を語ったほか、長年コンビを組んできたスーさん役の名優・三國連太郎へ感謝の言葉を贈った。

■プログラム・ピクチャーは日本の伝統

Q:本作で22年の歴史に幕が引かれますが、今振り返ってどんなお気持ちですか?

このシリーズが始まったときは、役者人生の中でチャンスボールが来た! っていう思いでした。そんなシリーズを今振り返ってみると、三國さんもおっしゃっていましたけど、僕らにとって22年はあっという間でした。でも、今22歳の人を見ると、非常にドキッとするんです。もう立派な大人ですからね。本シリーズと重ねてしまって、「あー、『釣りバカ』はここまできているんだ」って思うんですよ。

Q:そんな長年の思いと感謝の気持ちを込めて、今まで舞台となった地域にお礼行脚をされているそうですね。

まだすべてを回り切ってはいないのですが、ずいぶんいろんなところに行ったんだということを実感しています。そして、行く先々で皆さんから大歓迎を受けています! ある場所では、撮影当時お世話をしてくれた区役所の方が結婚されて、お子さんを3人連れて会いに来てくれたんです。そんな姿を見たときは「わぁ~、すごいな~」と思いましたし、エキストラとして参加した地元の方々が来てくれたときもうれしかったですね。

Q:多くの人に愛された国民的映画ですが、終わってしまうということで、毎年楽しみにしていたファンは寂しくなってしまいます。

特に今年は未曾有の不況だったり、暗いニュースばかりだったりと、みんなが眉間にシワを寄せて暗い表情になることが多かったですよね。そんなときだからこそ、自分から口角を上げて笑顔を作ってみると楽になると思います。そういう意味でも本作は絶対にオススメです。本シリーズは終わってしまいますが、またしばらくしたら、『釣りバカ』シリーズのようなヒーローやヒロインのシリーズ物が登場することを祈っています。そうでないと、日本の映画界はダメだと思います。やはりこういったプログラム・ピクチャーは日本の伝統です。長く続くということは、それだけ観客に支持されて、愛されているという証しですからね。若い俳優さんの中から登場するかもしれないし、また僕がまったく違うキャラクターで登場するかも!? それはまだわからないですけどね(笑)。

■最後の合体シーンの撮影でスタッフ・キャストが号泣

Q:劇中同様、ハマちゃんは日本中の人たちに愛されました。こんなにも愛された理由は何でしょうか?

やはりハマちゃんの自由で闊達(かったつ)に人生を謳歌(おうか)している生きざまだと思います。バリバリの仕事人間じゃない、ひたすら趣味の釣りに没頭して、すぐ家に帰りたがり、妻を愛し、上役にはタメ口を利く……。そういう浜ちゃんの姿を見て、日本のサラリーマンの人たちが、あんな風に生きられたら楽だろうな、楽しいだろうと思って観てくださっているのではないでしょうか。

Q:ファンが待ちわびているシーンの一つは、やはりお決まりの合体シーンです。最後の合体をされた感想は?

合体シーンは僕らも燃えながら撮影に望むんですが、今回はスタッフもキャストもちょっとウエットになっていましたね。撮影のときは泣いてはいけないと思いつつも、僕はもちろん、みち子さん役の(浅田)美代子さんもちょっとうるうるきていました。しかもその合体のシーンが最後の撮影シーンだったので、カットがかかって監督の「オッケー。これですべて終了しました!」という声を聞いたときには、スタッフもキャストもみんな泣きながらハグをしました。この人は泣かないだろうというような、屈強な男性まで大泣きでしたね。

Q:お決まりのシーンといえば、西田さんのオンステージも見どころです。今回はかなり本格的なミュージカルになっていましたね。

僕らが子どものころに観た映画は、歌や踊りのシーンが入っている作品が多かったんです。そういう映画をもう一度思い返したいというのがあって、かなりきちんと台本を作っていただいたんです。今までは宴会芸のような感じで、台本にも一行ト書きで「歌う浜崎伝助」とあるだけだったんですけどね(笑)。思いっきり歌うことができたので、もう思い残すことはないです。

■三國連太郎さん、スーさん、そしてハマちゃんへ贈る言葉

Q:そんなハマちゃんにとって、社長であり、釣りの弟子であり、親友でもあるスーさん。今回これでお別れとなりますが、ハマちゃんとしてスーさんに贈る言葉をお願いします。

浜崎伝助のような勝手な男を、よくぞ受け入れてかわいがってくださいました。スーさんは社会の象徴なんです。あんなにも立派な社会の中に、ハマちゃんという個人がいて、その存在を認めてくれたということが本当にうれしかったです。

Q:スーさんを演じられた三國さんに、西田さんから一言お願いします。

役者のキャリアの中で、貴重な22年間をご一緒させていただき本当に感謝しております。これからもますます創作意欲尽きることなく、映画作りや物作りに情熱を燃やしていっていただければと思っています。

Q:では最後に、西田さんからハマちゃんに贈る言葉をお願いします。

ハマちゃんとは22年間一緒に暮らしていて本当に楽しかったです。ハマちゃんを演じている間は、倒れたり病気になったりすることがなかったということを、僕の中で一つの誇りにしています。不思議なもので、病気になったのはすべてハマちゃんから外れているときでした。精神的にも肉体的にも、非常にいい状態でいられたからだと、今改めて感じています。ハマちゃんから元気をもらっていたんでしょうね。ハマちゃん、元気をありがとう!

ハマちゃんとみち子さんのラブラブぶりは本作でも健在で、その夫婦円満の秘けつを、「いつまでたっても相手を驚かせてときめかせようという意欲です」とハマちゃんから教えられたという西田。そんなハマちゃんだからこそ、ファンたちはいつまでも変わらずハマちゃんを愛し続けているのだろう。その愛に感謝の気持ちを表すべく、ラストシーンは『釣りバカ』シリーズからファンへの愛があふれている。ぜひ劇場で、ほかのファンたちと一緒にその感動を共有してほしい。ハマちゃんとスーさんよ永遠に!

映画『釣りバカ日誌20 ファイナル』は12月26日より全国公開

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