シネマトゥデイ

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小西真奈美
『猿ロック THE MOVIE』
新しい考え方を受け入れて、いつも柔軟でいたいと思う
『猿ロック THE MOVIE』小西真奈美 単独インタビュー

取材・文:鴇田崇 写真:尾藤能暢

裏表のないストレートな性格で、いつも人助けをしてしまう天才カギ師の主人公の活躍を描いた「猿ロック」が映画に! 深夜ドラマ時代のレギュラーメンバーに加え、劇場版に参加する豪華ゲストの一人として、人気女優の小西真奈美が参戦。女優人生初の警察署長役にチャレンジした感想に始まって、感動的な深夜の撮影こぼれ話、理想の男性像、そして、日本映画界を支えていく若手俳優たちとの仕事についてなど、さまざまなテーマで語ってくれた。

■女優魂さく裂のマル秘エピソード!

Q:本作のように、もともとテレビドラマがある場合は、キャストやスタッフによって完成されたチームワークの中に入っていく現場だったと思いますが、いかがでしたか?

とても楽しみでした! わたしがいきなり「猿ロック」の世界に入って、(鶴亀)商店街のメンバーになるというシチュエーションなら緊張しますけど、今回は市原隼人さんふんする主人公のサル君側と、わたしが演じた水樹が属する警察側との戦いみたいな構図になっています。脚本を読んでいて面白かったので、そういう意味ではどんな作品になるのだろうという楽しみの方が大きかったですね。完成した映画を観ると、アクション面が充実しているし、テンポよくストーリーも進むけど、いわゆるアクション映画の感じとは違うと思いました。胸に迫るようなジーンとくるシーンがけっこう多いので、映画版ならではの「猿ロック」になったと思いました。

Q:小西さんには警察署長のイメージがないですが(笑)、どのように役柄を膨らませましたか?

初めての警察署長役で全然わかりませんでしたし、まず女性の署長というイメージがまったく沸かなかったです。事前にスタッフさんが集めてくださった資料に、本当に水樹のような経歴をたどった方がいらっしゃったので、その資料を見せていただいて、後は警察組織の部署の組織図みたいなことを勉強して、キャラクターを膨らませました。

Q:水樹瑛子という女性が持っている背景をご自分で考え出したのでしょうか?

監督とお話しさせていただいて、どういう方向性にしていこうかと話し合いました。最終的に決まった彼女のキャラクターは、観る人によっては悪いことを企んでいるようなキャラクターに見えるかもしれません。確かに目に見えてやっていることは間違っているかもしれませんが、根本的なところまでは腐っていない。真っすぐでピュアな部分がどこか残っていて、正義感があります。今の警察の状況を変えたいと願っている女性なんです。

Q:撮影現場では、立ったまま撮影開始を待っていたという情報もありますが。

雨の埠頭(ふとう)のシーンでしょうか(笑)。埠頭(ふとう)で夜の12時ぐらいからの撮影がありました。明け方までに撮らないと夜のシーンは間に合わないのですが、残り5時間ぐらいしかないときに、雨が降ってきてしまって……。皆さん雨に対して愚痴を言うわけでもなく、ポジティブに待っていました。だから、わたしも戻らずに雨の中で傘を差して待っていますと伝えたら、助監督さんが、「水樹署長が待つというならおれらも待つぞ!」と声を掛けてくださって(笑)。それでますますやる気が強まって、結果的には無事に撮り終えることができました。最後のカットを撮って10分間ぐらいしたら日の出となり、本当にギリギリでした。そのときの一体感はすごかったです(笑)。

■「猿ロック」が愛されている理由とは?

Q: 市原隼人さんふんする主人公のサルは、天才カギ師としてあらゆる鍵を開け、さまざまな事件を解決する過程で、出会う人たちの心の鍵も開けますよね。このテーマが今どうして受け入れられていると思いますか?

現代は情報化が進み、人と接しながら何かを得たり、学んだり、成長したりする経験が、だんだんと少なくなっているような気がします。だけど、やっぱり人間なので、人の心に触れて温かくなって、気持ちが前に進めることがいっぱいあると思います。そういうことって、本来、嫌なことじゃないですよね? サル君や商店街のメンバーたちが繰り広げるドラマが、観ている人たちの心に何か触れるものがあったと思います。やっぱり人は人と触れ合いたいし、それによって何かを見いだすほうが、すてきだと皆が思っているからだと思います。

Q:当初、製作サイドには現代版寅さんみたいな人情話を作ろうという思いがあったそうです。

わたしも大好きです。年代や世代を超えて愛されるものですし、たとえば隣近所のおじさん、おばさんがみかんを分けてくれるとか、いろいろと心配してくれるということに触れたことがない人たちが、この映画で触れて新しい感覚だと思ってくれるだけでいいですよね。

Q:そういう隣近所同士でお付き合いをするようなご経験が、小西さんの環境でもありましたか?

ありましたね。人様に頂いたものは近所の皆さんと分けますし、反対に皆さんからも同じように頂いて……。うれしいことがいつもいっぱいあるような環境で育ったと思います。

■より柔軟に、より好奇心旺盛に対応することが大事!

Q:小栗旬さんが初監督をする『シュアリー・サムデイ』にヒロイン役で出演されることが発表され、市原隼人さん、小栗旬さんと、日本映画界の未来を背負う若手とのコラボが続きますね。

一緒に携わることができて、すごくうれしいですし、楽しいです。もちろん、年齢や経験を積まれたベテランの方とお仕事をしていて感じること、学ぶことは多いですが、若い世代にしかない感性や、若いからこそ出てくるテーマやメッセージに触れられるので、自分の柔軟性が高まりますし、観ている人の柔軟性も高まるような気がします。それに、今はたくさんの中から選択することができる時代ですよね。一つのことに偏らず、いろいろなことに触れられるのは、可能性が広がっていくことだと思います。作品を作る方も、作品を観る方にも、すごくすてきなことだと思います。

Q:逆に考えると、そこに選ばれなければいけないわけですが、そのためにはどうしたらいいと思いますか?

プレッシャーは感じていないですが、いつも柔軟でいたいと思っています。年齢が上や下などは考えず、面白いと思えるものを作っていきたいですね。たとえば、こんな考え方は自分の中にない! ではなくて、新しい考え方を受け入れてみるとか、柔軟でありたいと思います。それに、新しい方たちと出会って、仕事をしていくことは面白いです。新しい作品に入るときはいつも期待しますし、それを観てくださった方々の感想を聞くのも楽しいです。

Q:また、サルのように熱くストレートな男の映画が人気ですが、小西さん自身はいかがですか?

すごくすてきです。大好きです! 男性の趣味は人それぞれなので、真っすぐな人が苦手な人もいるかもしれないですが、わたしは大好きです。ちょっと影がある人より、真っすぐな人がいいですね(笑)。逆に苦手な人は、ネガティブでいつもイライラしていて、一緒にいてあまり楽しくない人(笑)。嫌なことも楽しく報告してくれればいいじゃないですか。小声で言わずに、もっと大声で話してよ! って、思っちゃうんですよね(笑)。

Q:最後になりますが、女優・小西真奈美は、今後どのような女優に変化していくでしょうか?

年齢を重ねるごとに、より柔軟性を持って、より好奇心を旺盛に生きていきたいです。自分の興味がある作品や監督さんとどんどんご一緒したいですし、年齢を重ねたからこそ出てくる気持ちの奥行きや、表情やたたずまいからにじみ出てくるものから、小西真奈美はいい生き方をしてきた! と思ってもらえたらうれしいです。今後は、そういう生き方を、また、仕事の仕方を意識していきたいと思っています。

監督と何度もディスカッションを重ね、キャラクターを作っていったという準備段階の逸話に、小西真奈美という女優の高いプロ意識が表れていた。また、一方では新しい出会いや挑戦に臆(おく)することなく、自分とは違う考えも受け入れる度量の広さや柔軟性を持ち合わせ、業界内外で愛される理由も垣間見た気がした。市原隼人、小栗旬など、日本映画界を担う若手たちとの共演作が続くが、本人も語るように、今後も女優としての可能性をさらに広げていってほしい。

映画『猿ロック THE MOVIE』は2月27日より全国公開

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