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リュック・ベッソンに見いだされたミューズたち

 女性版インディ・ジョーンズを彷彿(ほうふつ)させるジャーナリストが、古代エジプトの秘宝をめぐって奔走するアドベンチャー『アデル/ファラオと復活の秘薬』。女優の発掘に定評のあるリュック・ベッソン監督が、本作のヒロインに抜てきしたフランスの新星ルイーズ・ブルゴワンの魅力を探るとともに、ベッソンに見いだされたミューズたちの軌跡を振り返ります!
アンヌ・パリロー from『ニキータ』(1990) 泣き虫の殺し屋がアタリ役! ベッソンと破局後は低迷

 政府の秘密工作員に仕立て上げられた女囚人の過酷な運命を、エネルギッシュに描いたサスペンス・アクション『ニキータ』。本作で火のような激しさと、雪のような繊細さを併せ持つ魅惑的な女殺し屋にふんし、一躍脚光を浴びたのは、フランス人女優アンヌ・パリロー。まるで「自分以外はすべて敵」であるかのように周囲から心を閉ざし、過酷な訓練を経て一流の殺し屋に成長したヒロインが、生まれて初めて愛する男性と出会い、葛藤(かっとう)する姿は、涙なしに見られません。アンヌの並はずれた演技力によって大成功を収めた本作は、のちにハリウッドでリメイクされることになり、アンヌは女優人生において頂点に立ったといっても過言ではないでしょう。また、公私共にパートナーだったベッソンと破局してからは、あまり作品に恵まれていないところを見ると、やはりアンヌにとってベッソンの力は絶大なものだったといえます。

Pascal Le Segretain/Getty Images

 
ナタリー・ポートマン from『レオン』(1994) 2,000人のオーディションを勝ち抜き、スターダムへ

 ハーバード大卒の才色兼備で、幅広い層から支持されるイスラエル人女優、ナタリー・ポートマン。彼女がブレイクしたのは、2,000人ものオーディションを勝ち抜いてヒロイン役を獲得したという『レオン』。ナタリーが演じたのは、孤高の殺し屋レオンから殺しのテクニックを学びながら、家族を皆殺しにした麻薬取締局の悪徳捜査官に復讐(ふくしゅう)への挑む12歳の少女マチルダ。自らが背負う過酷な運命を吹き飛ばすかのようなあどけなさと、時折見せる大人びた表情が印象的で、殺し屋を演じるジャン・レノとの名コンビぶりが話題となり、本作は世界的なヒットを記録。ベッソンの代表作となりました。その後、ナタリーはティム・バートンウディ・アレンら数々の大物監督の作品に出演が決定し、『スター・ウォーズ』エピソード1~3のヒロインに抜てきされ、世界的なスターに昇り詰めたのです。

Barry King/WireImage/Getty Images

 
ミラ・ジョヴォヴィッチ from『フィフス・エレメント』(1997)ベッソンに最も愛された(!?)戦うヒロインのアイコン

 『バイオハザード』シリーズで人気を博し、今や「戦うヒロイン」のアイコンとなったミラ・ジョヴォヴィッチをスターダムに押し上げたのは、SFアクション『フィフス・エレメント』。ジャン=ポール・ゴルチエが手掛けた奇抜なコスチュームと、オレンジ色の髪の毛がトレードマークの宇宙人を、その人間離れした美ぼうとしなやかな肉体で熱演し、世を魅了しました。本作をきっかけにベッソン監督とミラはゴールインし、2年後には同監督の『ジャンヌ・ダルク』で再びヒロインを演じています。2作品のヒロインを務め、わずか2年ではありますが夫婦生活も送ったわけですから、ミラはベッソンにとって「最強のミューズ」だったといえるかもしれません。

Ron Galella, Ltd./WireImage/Getty Images

 
ルイーズ・ブルゴワン from『アデル/ファラオと復活の秘薬』(2010)お天気キャスター出身、ユーモアたっぷりの異色スター

 『アデル/ファラオと復活の秘薬』でベッソンが見いだした新たなミューズは、フランスのテレビ局、Canal+のお天気キャスターとして活躍していたルイーズ・ブルゴワン。彼女が同番組で、さまざまなキャラクターに変装して番組を盛り上げる姿を見て感激したベッソンが、「ルイーズは思考が柔軟で機敏で、一瞬のうちにがらりと印象を変えられる。まさにアデルだ!」とルイーズにラブコールを送ったのです。ベッソンいわく、「彼女は絶えず台本や撮影リストをチェックしていたから、現場ではスタッフから『会計士』と呼ばれていたよ」と、ルイーズの仕事に対する打ち込みようは相当なものだったようです。ちなみに、アデルが刑務所に送られた科学者を助けようとするシーンでは、弁護士、尼僧、料理人、看護師……と、さまざまな変装を愛嬌(あいきょう)たっぷりに披露しているのでご注目を。

 やせ型、強い意志を思わせる瞳……ベッソンが見いだしてきたミューズたちの特徴はいくつかありますが、いずれもブレイク前の女優を抜てきしていることからも、彼が女優に求める最も重要な点は、「可能性を秘めていること」といえるでしょう。ベッソンは主演女優と恋仲になるケースが多かっただけに、彼女たちが成功した秘けつは、監督からそれほど深い愛を受けたことにあるのかもしれません。

(C) 2010 EUROPACORP-APIPOULAI PROD-TF1 FILMS PRODUCTION Photos:Magali BRAGARD

 
文・構成:シネマトゥデイ編集部
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