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志田未来
『借りぐらしのアリエッティ』
一生懸命生きることの大切さを学びました
『借りぐらしのアリエッティ』志田未来 単独インタビュー

取材・文:斉藤由紀子 写真:高野広美

前作『崖の上のポニョ』から2年ぶりとなるスタジオジブリの最新作『借りぐらしのアリエッティ』が完成した。宮崎駿の企画・脚本による本作は、人間の住む屋敷から必要なものを借りて暮らしている小人の少女アリエッティと、人間の少年・翔との触れ合いを描いた胸キュンのファンタジーだ。「人間に見られてはいけない」というおきてを破ってしまう好奇心旺盛なアリエッティの声を務めた志田未来が、初めてのアフレコで戸惑ってしまったことや、翔の声を担当した神木隆之介についてなど、正直な気持ちを明かしてくれた。

■アリエッティと志田は、自分勝手なところがそっくり!?

Q:アリエッティは、勇敢だけど向こう見ずなところもある女の子。志田さんは共感するところが多かったそうですね。

すごく多かったです! アリエッティは、両親からダメって言われているのに外に出てしまったり、初めて屋敷の中にモノを借りに行くときも、目立ってしまうのに、気合を入れて赤い服を選んだりする女の子なんです。わたしも少しだけ自分勝手なところがあって、ダメと言われてもやりたいことはしないと気がすまないタイプなんです。最初に監督さんから、「アリエッティはちょっと自分勝手な子だよ」と言われたときも、「わたしと似ています!」って答えちゃいました(笑)。

Q:人間の生活空間が、小さなアリエッティたちにとっては冒険の世界になってしまうという描写が面白かったです。

わたしたちから見ると普通の世界だけど、アリエッティは食べ物を取りに行くだけでも命懸けなんですよね。でも、毎日が刺激的なことだらけで、それを心から楽しんで生きているアリエッティがうらやましくなりました。家族3人だけで友達もいないのに、いつも笑って幸せそうにしているところもいいなと思います。

Q:頼れるお父さんと家庭的なお母さん。アリエッティたちは、まさに理想的な家族ですよね。

わたしの家族もすごく仲がいいんですけど、個性の強いアリエッティの両親とは違って、至って普通の家族です(笑)。

■初めて挑んだアフレコは、戸惑うことだらけで大変だった!

Q:過去のジブリアニメのヒロインと共通する魅力を持つアリエッティですが、声を担当するにあたって、参考にされた作品などはありましたか?

声優をやるのが初めてだったので、「どんな作品を参考にしたらいいのかもわからなかった」というのが正直な気持ちです。でも、もともとジブリ作品のファンで、特に『天空の城ラピュタ』が大好きなんです。あの作品は父が好きだったこともあって、わたしが物心つく前からずっと家でDVD を流していたんです。だから、ジブリ作品に出ると聞いたときはうれしかったんですけど、「わたしでいいの?」という不安の方が大きかったですね。

Q:今回のアフレコは、志田さんにとってかなりのチャレンジだったようですね。

もう、現場では戸惑うことばかりでした。初めてスタジオに入ったときも、マイクがずらっと並んでいたので、どこに立ったらいいのか困ってしまいました(笑)。本番では、セリフのタイミングを映像に合わせていくのが大変でした。早口で言いたいセリフがあっても、アリエッティがゆっくりしゃべっていたら、そのテンポに合わせなければいけないんです。普段のお芝居との違いをすごく感じました。

Q:アリエッティの「借り」に行くという言葉が、ハンティングの「狩り」とリンクしていて興味深かったです。ただ、セリフとして表現するのは難しかったのでは?

そうですね。わたしも気を付けて言わないと、「借りる」のアクセントになってしまって、何度か「それは違うよ」って指摘されました。あれは映画の中でも重要な意味を持つ言葉だったので、すごく印象に残っています。

Q:志田さんはNGを出さない女優さんといわれていますが、今回はどうだったんですか?

今回は、NGとかOKの判断がなかったんです。取りあえず撮っていきながら、いいところを使うというやり方だったので、自分でも何が良くて何がダメなのかわからない状態だったんですよね。監督さんから、「まずはドーンと声を出してみて、後から調整していこう」と言われたので、とにかく思いっ切り声を出すようにしていました。

■アリエッティと翔との胸キュンシーンにドキドキ!

Q:翔の声を担当した神木隆之介さんは、ドラマでも共演している志田さんを「仲間のような存在」だと言っていました。

仲間…・・・なのかなあ(笑)? 確かに、アフレコの初日は一人で不安だったけど、二日目から神木くんと一緒だったので、すごく安心はしました。彼のおかげで自由にお芝居できた部分もあるので、そういう意味では、「一緒にがんばっている同志」という感じですね。

Q:穏やかで心のやさしい翔は、神木さん自身と似ているところもありそうですが・・・・・・?

翔くんと神木くんは、困っているときにすぐ助けてくれるところが似ていますね。でも、普段の神木くんは、翔くんよりもずっと明るい性格です(笑)。

Q:アリエッティが翔の手に触れてドキッとする場面は、実際もトキメキを感じながら吹き替えていたのでしょうか?

そんな余裕はなかったです(笑)。「神木くんのセリフに自分のセリフがかぶってしまったらどうしよう」とか、「セリフが間に合わなかったらどうしよう」とか、そんなことばかり考えていました。違う意味でドキドキしていましたね(笑)。

Q:いろんな苦労があったんですね(笑)。では、完成した作品の仕上がりはいかがでしたか?

自分の声が入った映画を初めて観たときは、かなり恥ずかしかったんですけど、アリエッティの世界がとてもかわいらしくて、なんだかキュンとしちゃいました。小人のアリエッティと人間の翔くんという、本当は出会うはずのない二人が出会って成長していくところが面白いし、キャラクターの表情や風景もすごくきれいで、楽しませてもらいました。

■もしも小さくなれたら・・・・・・みそ汁の中に入りたい!?

Q:「人間に見られてはいけない」小人たちですが、志田さんが「人に見られてはいけない」と思うことは?

日記を毎日書いているんですけど、それだけは誰にも見られたくないです。だから、日記を持ち歩いていることが多いんです(笑)。中身もそうなんですけど、書いている自分の姿も絶対に見られたくないですね。うれしかったことを書いているときはニコニコしているし、つらいことがあったら悲しい顔をして書いていると思うので、そういう表情を人には見せたくないです。

Q:では、もしもアリエッティのように小さくなれたら、何をしてみたいですか?

飲み物の中に入ってみたいです! そこに浮かびながら、飲みたいときに飲む、みたいな(笑)。みそ汁が大好きなので、みそ汁のおわんの中に入って、大きい具をかじってみるのもいいですね。プールみたいで楽しそうだし、おなかもいっぱいになりそうじゃないですか(笑)。

Q:最後になりますが、家族やモノを大切にする小人たちの生き方から、何か学んだことはありますか?

小さなことなんですけど、食べ物を残したらいけないとか、一度使った紙なども再利用できるんじゃないかとか、いろんなことが「もったいない」と思うようになりました。アリエッティたちは、「食材を手に入れる」「友達と会う」など、普段わたしたちが何げなくしていることも、危険を覚悟でやらなければいけない。その一生懸命な姿から、生きることの大切さを学びました。

実際はビックリするほど小柄なのに、作品の中では大きな存在感を発揮する志田。その確かな演技力から、天才と呼ばれている彼女だが、初めてのアフレコは本当に不安でいっぱいだったようだ。大竹しのぶ、三浦友和、樹木希林など、共演したベテラン俳優たちの素晴らしい声の演技を目の当たりにしたのも、不安をかき立てる一因だったらしい。とはいえ、完成した作品を観れば、その不安は杞憂(きゆう)だったことがハッキリとわかるはずだ。志田が魂を吹き込んだジブリアニメの新たなヒロインは、多くの人々を魅了することだろう。

映画『借りぐらしのアリエッティ』は7月17日より全国公開

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