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夏帆
『きな子~見習い警察犬の物語~』
すごくいい経験になりました
映画『きな子~見習い警察犬の物語~』夏帆 単独インタビュー

取材・文:鴇田崇 写真:高野広美

警察犬試験に何度も失敗しながら、めげずに挑戦を続けるけなげな姿が話題を呼び、香川県が生んだ「ズッコケ見習い警察犬」のきな子。その実話を映画化した映画『きな子~見習い警察犬の物語~』に、若手女優の夏帆が主演した。きな子と共に一流の訓練士を目指して奮闘する少女・杏子を演じた夏帆が、初めての犬との共演、努力を重ねた撮影現場の模様、きな子から教えてもらったこと、ラブストーリーとしての魅力まで、率直に語ってくれた。

■初めての犬との共演、わからないことだらけで大変でした!

Q:今日はきな子と一緒ですが、久々の再会でしょうか?

はい、撮影以来の再会でした。でも、最近はずっとこうして一緒に取材をしているので、ここ1か月はよく会っています(笑)。

Q:きな子の奮闘記は実話が基になっているそうですが、ご存じでしたか?

いえ、全然知らなかったです。お話をいただいてから、きな子のビデオを見せていただいたのですが、それがあまりにも衝撃的だったんですよね(笑)。きな子のズッコケシーンだったんですが、障害物を飛び越えるときに足を引っ掛けて、グルッと一回転して顔面から地面に落ちてしまう映像で「こんな犬が本当にいるんだ!?」って驚いてしまいましたね。

Q:実話がベースになっているということで、どのような意気込みで撮影に臨みましたか?

いわゆる動物モノと言いますか、犬との共演が初めてだったので、わからないことだらけでした。「大変だろうなあ」ということは予想がついたのですが、どういった感じで撮影が進むのかすらわからなかったので、「新しいことに挑戦することになるなあ」と思っていました。

Q:動物映画ならではの苦労はあったのでしょうか?

現場はとにかくきな子中心で回っていましたので、きな子が飽きてしまったら撮影をストップして少し待たなければいけなかったですし、きな子の準備ができたら本番の撮影をする形で進めていたので、本当にすべてがきな子合わせでした。それはほかの現場ではないことなので、勉強になりました。

■撮影中はなるべくきな子と一緒にいました

Q:見習い訓練士の方も実在しているそうですが、演じる上で気を付けたことはありますか?

わたしが演じた見習い訓練士は、モデルになった方がいらっしゃいますが、その方そのものを演じたわけではないんです。性格もまったく違いますし、描かれている状況も役名も何もかも違う。まったく別と思い、演じていました。

Q:小林義則監督とは、まずどんなお話をされましたか?

最初は「とにかく犬に慣れましょう」ということだけでした。杏子はずっと犬と一緒に生活していた女の子なので、「犬と一緒にいるということがわたし自身にとっても自然なことになればいいな」と思って、撮影中はなるべくきな子と一緒にいるように、常に心掛けていました。

Q:撮影中、きな子はすごい! と思ったことはありましたか?

今まで犬を飼ったことがなかったので、「お座り」と言えばすぐにお座りし、「伏せ」と言えば伏せることにもびっくりしました。それから、しつけを超えてちゃんと言うことを聞くところがすごいなあと思いました。

Q:モデルのきな子はできない犬なので、できないように演じるわけですからすごいですよね。

今回は撮影するにあたって、そこまで訓練性能がいい犬を選んだわけじゃないと聞きました。ドッグトレーナーの宮(忠臣)さんはとても有名な方なのですが、そういった訓練性能を基準にしたわけではなくて、特に重視したのは「きな子らしさ」だったそうです。愛きょうがあって、かわいらしくて、ということを基準に選ばれたみたいですよ。

■犬と一緒だったことが大変だった

Q:さて、共演を経て、夏帆さんがきな子から教えてもらったことは?

動物って言葉が話せないじゃないですか。でも、この映画への出演を通して、人間と動物の間にも強いきずなはあるんだなあと思いました。すごく不思議な感覚だったんです。それに、きな子もすごく懐いてくれて、そういう姿を見ていて、すごいと思いました。

Q:そのほか、この作品を通して学んだことは何かありますか?

今回は初めてのチャレンジが多かったんです。訓練士という役そのものも初めてでしたし、動物モノ、犬の映画ということも初めてでした。すごくいい経験になりました。慣れない現場だったので、今思えば撮影中はとても大変なことが多かったのですが、「撮影が終わった後の達成感、やりきった感というのが、とても良かったなあ」と思いますね。

Q:訓練所の所長などに怒られるシーンが多く、精神的にキツくなかったですか?

そうですね(笑)。でも、それよりも犬と一緒だったことが大変だったんです(笑)。撮影中はきな子に好かれることしか考えていなかったので、「どうやったらきな子はわたしのことを好きなってくれるのだろう」と思っていました。「もっともっと勉強しないとなあ」と思いました。

Q:また、オールロケでの撮影でしたが、スタジオでの撮影とは何か違いましたか?

はい。香川県でのロケで、きな子も香川県生まれの犬ということで、実際に香川県に行って撮影をしたので、気分は違いました。泊まり込みで撮影をしていたので、そういう状況も影響があったかもしれませんね。香川県は初めてだったので、みんなでうどんをよく食べに行きました。

■きな子とわたしの純愛ラブストーリー

Q:よく共演者の助けを借りることもあると聞きますが、今回の共演者は犬! 今回は夏帆さんがリードを?

そうですね。ただ、「しっかりしなきゃ!」という感覚はなくて、どうしてもきな子中心に回っていく感じだったので、わたしがちょっと待ってほしいなあという場合でも、なかなかそれが言えない状況だったりしたんです(笑)。そういう意味では「きな子をリードしていかなくちゃ!」と意識する前に、今まで以上に自分がしっかりしなきゃという状況だったのかも知れませんね。

Q:今回は、きな子と杏子のラブストーリーという見方もできますか?

そうですね。今回は撮影に入る前から、きな子と杏子のラブストーリーと決めていて、そういうふうに意識してみると確かにそうだなと思えたんです。きな子と杏子が再会するシーンは、本当にラブストーリーのように見えます。そう受け取ってほしいですね。

Q:もしもきな子を人間に置き換えたとしたら、ラブストーリーになるのでしょうか?

きな子を完全に人間に置き換えたとしたら……ラブストーリーになるかと言われたら違うかもしれないですけど(笑)、犬と人間のきずなという意味では、ラブストーリーになっているのかなと思います。人と人との恋愛関係よりも、きな子と杏子の関係が強調されていますしね。

Q:最後になりますが、映画を楽しみに待っているファンに一言お願いいたします。

夏休みの公開にふさわしいさわやかな映画になっていると思います。ぜひ観ていただいて、きな子と杏子を応援していただければうれしいです。

初めての動物映画への主演ということで、撮影時の苦労エピソードを明かしてくれた夏帆。言葉が通じる人間の共演者であれば、ディスカッションを繰り返して本番に臨めるものの、さまざまな制約の数々に一瞬たりとも気が抜けなかった様子。そんな努力のかいあって、完成した本作は心揺さぶられる良質なきずなのドラマに。本作を通して、演じた杏子同様、夏帆自身も女優として格段に成長を遂げたようだ。夏帆が奮闘した感動ドラマに注目してほしい。

映画『きな子~見習い警察犬の物語~』は8月7日より香川県先行上映の後、8月14日より全国公開

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