シネマトゥデイ

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小林聡美、小泉今日子、もたいまさこ、市川実日子
『マザーウォーター』
すっきりした生活が気持ちいい
『マザーウォーター』小林聡美、小泉今日子、もたいまさこ、市川実日子 単独インタビュー

取材・文:シネマトゥデイ 写真:吉岡希鼓斗

映画『かもめ食堂』『めがね』『プール』と、人と場所の関係性をテーマに製作されてきた人気プロジェクト第4弾『マザーウォーター』。本作が初めての監督作品となる松本佳奈監督が、美しい川が流れる京都の小さな町を舞台に、その町で暮らし始めた女性たち3人を中心に、彼女らを取り巻く人々との穏やかな日常を描く。さりげなく自由に暮らす女性たちをナチュラルに演じた小林聡美、小泉今日子、もたいまさこ、市川実日子が、映画のことをはじめ、自身の幸福論を語った。

■地元の方とお話ができて楽しかった!(小泉)

Q:京都での撮影はいかがでしたか?

小林聡美(以下、小林):普段、観光では行けないようなところでの撮影が多かったので、すごく新鮮な感じでした。

小泉今日子(以下、小泉):地元の方たちと深くかかわれたことが、すごくうれしかったです。(お豆腐屋さん役の)実日子ちゃんも、ロケに使わせていただいたお豆腐屋さんの方に実際にいろいろ教えてもらったんだよね?

市川実日子(以下、市川):はい。お豆腐の切り方とか、作り方を勉強させていただきました。

小泉:ここまで地元の方とかかわれる撮影ってないですよね。わたしが演じたタカコの喫茶店も、普段は女性二人が経営しているんですけど、世代が近くて、いろんな話ができて楽しかったです。

小林:わたしが演じたセツコのバーも、普段は喫茶店なんですけど、撮影のためにバーカウンターを置くなど、快く協力してくださってとてもありがたかったです。

もたいまさこ(以下、もたい):わたしもすごく楽しかったですね。京都って、だいたい2、3日しか行かないじゃないですか。好きな場所だけど、長く行ったことはないので、1か月いると、普段の京都の方たちの生活が垣間見られて、ほっこりしました。

■永山絢斗くんはすごく謎!(小林)

Q:人と人との関係も温かく、のんびりと描かれていますね。

小泉:この映画の人たちは、ちゃんと距離感を持っているんですよね。あまりお互いに近づき過ぎない……。

もたい:でも誰かが大変なときは、絶対に駆け付ける! そういう感じはありましたね。

Q:よくある、うわさ話が好きな女性同士のような感じとは、全然違いますよね(笑)!

小泉:「奥さんっ聞いた~?」みたいなね(笑)。

一同:物まねがうま過ぎ!(笑)

小林:いいですよね。特によそから来て、知らない街で暮らし始めた人たち同士が、ほどよい距離感で何となく気にし合うことって心強いと思うし。わたし自身、女性同士で旅行に行っても、ベタベタするというより、サクッと現地解散する方だから(笑)。

小泉:女性同士の旅行って、常に一緒に行動したいと思っている人がいると、ベタベタになっちゃったりするよね。「写真撮ろう!」ってすぐ言ったり(笑)。「19時にロビーね」くらいがちょうどいい(笑)。

もたい:現場のわたしたちも、映画の人たちと距離感は似ているかもしれないですね。皆割と自立していてすごく楽でしたね。

市川:小林さんと小泉さんは、よく二人で歌を歌っていて楽しそうでしたね(笑)。

小泉:昭和歌謡ね(笑)。小林さんとは同世代なので、よく歌っていました(笑)。

Q:男性の共演者の方々とはいかがでしたか?

小林:永山絢斗くんは、感じがいいぶん、すごく謎だった……。

小泉:いつも笑ってうなずいているんだよね。

もたい:本当に楽しかったのかどうかは、わかりませんね(笑)。

小林:光石(研)さんは、本当にどこの現場でも新人みたいに入ってくるんです(笑)。あんなにベテランなのに、「どうもすみません! 失礼します!」って(笑)。

市川:わたしにも敬語を使ってくださいますからね……。

小林:男性キャストも女性キャストも、お互いの性別に歩み寄っている感じでした。

■シンプルな生活で気持ちもすっきり!(市川)

Q:何げない風景がきれいで、すてきな場面がたくさん詰まっている本作ですが、作中に出てくるご飯の数々も本当においしそうでした!

全員:ほんっとうに、おいしかった!(笑)

小林:グラタン食べたかったなあ……。グラタンは、なかなか家でも作らないし!

小泉:なかなか外でも食べないもんね。グラタン(笑)。

市川:わたし、かき揚げが食べたかった!

もたい:あ~、あのかき揚げはおいしかったよ~! わたしが演じたマコトの家は、和食中心ですからね。

小泉:マコトさんちに呼ばれたかったね(笑)。フードスタイリストの飯島奈美さんがキッチンで作っているときは、よくつまみ食いしていたよね(笑)。

Q:きちんとご飯を作って、ゆっくり食事することって、当たり前だけど忘れがちですよね。皆さんは彼女たちの生き方をどう感じましたか?

小林:すっきりした生活で、気持ちが良さそうですよね。改めて観ても、本当にこの映画の4人はちゃんと掃除している(笑)。ちり一つ落ちていなくて、窓もきれいで、無駄なモノがないんですよね。昔の日本映画を観ていると、日本人の家ってあんな感じなんですよね。きれいに掃除していて、物が少なくて、そういう懐かしさを感じました。

もたい:うちの母も、昔は朝と夕方2回も掃除していたんだよね。でもわたしは1日1回もしない。自分の周りが汚れているとちょっとやりますけど(笑)。一気にするときは、「エイヤ!」と気合を入れないとできません(笑)。

小泉:昔の家って、窓とかもけっこう開けっ放しにされていましたよね。京都の家の造りも、夏が暑いから風通しのいいように造られているんですよね。すごくシンプルだからうらやましいです。

市川:皆さん、すっきり暮らしているから、気持ちもすっきりできるんじゃないかなって思います。

■子どもはああやって育っていい!(もたい)

Q:赤ちゃんのポプラちゃんとの関係性もほほ笑ましかったですね。近所の人たちが親代わりをするという関係って、今の日本ではあまりないですもんね。

もたい:わたしは、子どもはああやって育っていいと思うんですよね。

小泉:昔は結構ありましたよね。お隣に預けたりとか、いろんな大人と接して、世界が広がっていくんですよね。

市川:いいですよね。ああいう感じ。でも、自分が親になったら、東京だと難しいのかなって思いますね……。

小泉:わたしたちはいつでも預かるよ。ここ3人は一回りしてもらって大丈夫(笑)。

Q:この映画には人とのきずなから生まれる幸せや、日常の小さな幸せがいっぱい詰まっています。最近、皆さんが感じた小さな幸せを教えてください。

小泉:わたしは今、海辺の街で暮らしていて、もう「やばい!」っていうくらい夕日が素晴らしい日があるんです。自然の中にいると、季節の移り変わりに幸せを感じられるんです。

市川:わたしはポプラくらいになる、おいっ子がいるんです。京都に来たときは寝返りもできなかったのに、最近は20歩も歩けるようになったんです。その姿にすごく幸せを感じます。

小林:わたしはやっぱり、猫かな。最近、ニューフェイスが来たんですけど、3か月の子猫なんです。子猫って、すべてのことにビクッと反応するんです。物事を最初に知る瞬間を見ているときはすごく幸せですね。

もたい:わたしのおいは自閉症なんですが、彼が勤めるようになって今年で10年たったんです。子どものころは暴れて大騒ぎしていた彼が、就職して10年もきちんと勤められていることが、すごくうれしいですね。

自分たちのテンポでおしゃべりを続けているような、そんな4人のインタビューは、劇中さながらの心地良さ。それは、彼女たちがお互いの距離感を大切にすることができる人たちだからだろう。映画の中のすがすがしい空気感は、その場に流れる空気をつかむことができる彼女たちだからこそ、作り出せたのではないだろうか。映画が終わると、京都の美しい空気と水がすっと体に流れ込んでくるような、そんな「ほっこり」とした本作。日々のイライラをどこかに運んでもらいたい人には特にオススメの作品だ。

映画『マザーウォーター』は10月30日より全国公開

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