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意外と知らない!? 3D映画を大特集

『アバター』の大ヒットで幕を開けた2010年の映画界は、3D映画が花盛り。でも、かつての飛び出し系3Dと『アバター』に代表される今の3D映画は、どこが違うのかよくわからないという人も多いはず。そこで、今さら聞けない基礎知識から本当に観る価値のある3D映画まで、3D映画に精通するライターが徹底解説。これを読めば3D映画が、さらに面白くなること請け合いです!
構成/今祥枝

文/相良智弘
映画ジャーナリスト。「日経エンタテインメント!」や日経新聞夕刊の広告企画「シネマ最前線」などで執筆。映画は、ハリウッド製アクション大作やコメディー映画が大好き。2011年の期待作は『ハングオーバー パートII(原題)/The Hangover PartII』

意外と知らない!?3DのQ&A

Q1新宿ピカデリーで『アバター』を観たのですが、メガネが重いし映像も、メガネを外したときよりメガネを掛けたときの方が暗く感じました。劇場によって、映像の見え方が違うということはあるのでしょうか?

A1まず、3Dの上映システムによって異なります。その他、デジタルプロジェクターからスクリーンまでの距離、プロジェクターで使用しているランプの輝度によっても違ってきます。

Q23D映画の上映システムには、どんな方式がありますか?

A2XPAND、RealD、Dolby 3D、masterimage3D、IMAX 3Dの五つです。そもそも3D映画は、右目用と左目用の映像を高速で交互にスクリーンに映し出し、メガネを使って観客には片方ずつしか見せなくすることで立体的に感じさせます。XPANDのメガネには液晶シャッターが搭載されて電池で動きます。シャッターが片方ずつ閉じたり開いたりして、右目と左目交互に映像を見せます。他の方式は、メガネに特殊なレンズを入れたり、3D専用のスクリーンを使うことで、右目と左目の交互に映像を見せています。RealDとmasterimage3Dのメガネは持ち帰り可能ですが、他の方式は返却します。

新宿ピカデリーはXPAND方式で、シネコンチェーンの109シネマズやTOHOシネマズ、MOVIX(新宿ピカデリーと同じ松竹系)などが導入しています。液晶シャッターと電池が入っているので、そのぶんメガネが重くなります。

XPAND 109シネマズ、新宿ピカデリーほかで導入Dolby 3D専用メガネ
ティ・ジョイほかで導入
XPAND 109シネマズ、新宿ピカデリーほかで導入masterimage3D専用メガネ 丸の内ルーブル、新宿ミラノ2、109シネマズほかで導入IMAX 3D専用メガネ 109シネマズIMAXデジタルシアターで導入

Q3どの劇場で観るのがお勧めですか?

A3映像の迫力を求めるのならIMAXがお勧めです。スクリーンが大きく、映像が鮮明。ただし全国に9か所しかなく、料金は一般2,200円。ファーストデイやレディースデイなどの割引サービスが適用されません。割引サービスがあり、全国的に利用しやすいのがRealDです。シネコンチェーンのワーナー・マイカル・シネマズやユナイテッド・シネマなどが導入しています。メガネが軽く、子ども用メガネや眼鏡の上に装着できるメガネも用意されています。

高品質の映像&音響設備、床から天井、左右いっぱいに広がるスクリーンが好評の109シネマズ川崎IMAXデジタルシアターキャプション:ワーナー・マイカル・シネマズでは眼鏡の上から装着できるクリップオン型3Dメガネ(300円)のほか、子ども用も用意

Q4『アバター』の後、『アリス・イン・ワンダーランド』『タイタンの戦い』を3Dで鑑賞。映画としてはともかく、後者の2本は3Dの迫力が劣っていてがっかりしました。もともと3D仕様ではない、後付けの3D映画は『アバター』のように最初から3D仕様の映画と、どう違うのでしょう?

A4『アバター』のように3Dカメラで撮影した3D映画は、立体的に感じさせるように、カメラのアングルや明るさを考えて作っています。一方、後付けの3D映画は、2D用に作ったアングルや明るさをベースに、右目用と左目用の映像を作成して3Dにします。3Dの迫力は劣りがちです。

3Dカメラで撮影した『アバター』「アバター ブルーレイ&DVDセット 〔初回生産限定〕」価格:4,990円(税込み)/発売・販売元:20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン
後付け3D仕様の『アリス・イン・ワンダーランド』:「アリス・イン・ワンダーランド ブルーレイ+DVDセット」価格:4,935円(税込み)/発売・販売元:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン

Q5ピクサーなどのCGアニメは、もともと3Dなんですよね?

A5はい。CGアニメはキャラクターや背景などを元々立体的な(3D)データで作ってあるので、3D映画にしやすいです。ただし、どの角度からキャラクターを見せれば3D効果が引き立つのか、明るさはどの程度がいいのか、など3D化のノウハウがいろいろあるので、作品によって出来栄えは異なります。

Q6乗り物酔い系の人や女性など、たとえメガネが軽くても3Dを楽しみきれないことが多いという声もよく聞きます。3D作品の魅力や意義は、どこにあると思いますか?

A6ジェームズ・キャメロン監督は「3Dは作品を最高の形で見せるための手段」、『トイ・ストーリー3』リー・アンクリッチ監督は「3Dがストーリーを邪魔しないことが大事」と発言しています。赤青メガネ時代の3D映画は「飛び出し」を重視するあまり、観客が疲れやすく、ストーリーに集中できないためすたれました。

最近の3D映画は疲れにくくするため「奥行き」重視で、「映画の世界に入り込んだような没入感や臨場感」が魅力だと思います。ただし、3D映画の見え方、感じ方は作品の出来栄えに加え、個人差が大きいので、「疲れる」という方は無理せず、2D版で楽しむ方が良いでしょう。

Q72011年に期待できる3D作品を教えてください。

A7『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉』と『トランスフォーマー/ダーク・オブ・ザ・ムーン(原題)』です。『パイレーツ~』は大海原やジャングル、『トランスフォーマー~』はシカゴの街並みを3Dカメラで撮影しているので、その分臨場感が増しているのではないかと期待しています。

本音でばっさり! 3Dのベスト&ワースト作品

ワースト作品は『エアベンダー』。後付け3D映画です。炎や水をあやつって戦うVFXのシーンはそこそこ立体的に見えましたが、あとは2D版と同じ。背景を3D変換していないんじゃないかな。映画関係者は3D変換映画を「なんちゃって3D」と揶揄(やゆ)していますが、2010年の3D映画は『アリス・イン・ワンダーランド』『タイタンの戦い』『キャッツ&ドッグス 地球最大の肉球大戦争』など「なんちゃって」だらけ。3D映画は通常料金より300円~400円割高になるので、怒りも増します。

3Dとして評価できる作品はCGアニメに多いですね。『トイ・ストーリー3』『ヒックとドラゴン』『怪盗グルーの月泥棒 3D 』と、どれもよかったです。『カールじいさんの空飛ぶ家』も良かったけど、この3本は臨場感が増していた気がします。CG技術の進歩や3Dを効果的に見せるノウハウが蓄積されたんでしょうね。中でも『怪盗グルー~』は良かった(ストーリーはシンプル過ぎますが)。今の3D映画は奥行き感重視ですが、「飛び出し」を効果的に使っていました。特にエンドクレジットでの「お遊びシーン」には、思わずニンマリしました。一方、『シュレック フォーエバー』はちょっと……。3Dで臨場感が増したことで、シュレックが泥に入ったり虫を食べたりするシーンがリアル過ぎて引いてしまいました(笑)。

ベスト作品はIMAXの『アバター』。1度目はXPANDで観たんですが、そのときに気付かなかった細かい部分までクリアに観えて、衛星パンドラの世界がすぐそこに感じられました。

「トイ・ストーリー3 ブルーレイ+DVDセット」価格:3,990円(税込み)/発売元:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン「ヒックとドラゴン ブルーレイ&DVDセット(2枚組)」価格:4,935円(税込み)/発売・販売元:パラマウント ジャパン『怪盗グルーの月泥棒 3D』(2010年10月29日公開)

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型破りシネマ塾でおなじみの海外ドラマ通のライター、今祥枝がゼロ年代の米国ドラマの軌跡と内幕に肉迫。「24 TWENTY FOUR」「LOST」など社会現象を巻き起こしたサスペンス・ドラマから、「The OC」「デスパレートな妻たち」など女性向けドラマまで、幅広い年齢層に響く、えりすぐりのラインナップ。

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