シネマトゥデイ

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松山ケンイチ、夏菜
『GANTZ』
この映画を観て、生きる希望を見つけてほしい
映画『GANTZ』松山ケンイチ、夏菜 単独インタビュー

取材・文:鴇田崇 写真:櫻井健司

“GANTZ”と呼ばれる謎の球体に召喚され、異形の“星人”とのバトルを強いられる主人公たちの苦悩を、ハリウッド映画顔負けのSFと、アクション満載で描く映画『GANTZ』。奥浩哉による同名人気コミックを2部作の超大作として実写映像化した壮大なスケールや肉体を駆使したアクション映像などが話題だが、生と死をテーマにした深遠なドラマも見逃せない。加藤役の松山ケンイチと、彼と共闘する岸本を演じた夏菜が『GANTZ』の魅力をたっぷり語った。

■ GANTZの世界での戦う意義は、現実世界での戦う意味につながっている(松山)

Q:原作同様深いメッセージが感動を呼びますが、GANTZの世界を体験してみていかがでしたか?

松山:宇宙人といきなり戦うハメになるとか、非現実的な世界が舞台の話で、玄野や加藤は訳がわからず戦いに巻き込まれていきますが、だんだんと話が進むにつれて、それぞれに戦う意味などを見つけていくんですよね。夏菜さんが演じている岸本は、PART1で大きなヤマ場を迎えますが、行動したい理由がとてもはっきりしていた。それに比べて玄野や加藤はなかなか動けず困惑しているけれど、徐々に存在意義を見いだしていく過程が見ものだと思いました。

夏菜:リアルとリアルじゃないはざまの世界の話というか、だから『GANTZ』は真実味があるんだと思いました。映像を通して不思議な感動がヒシヒシと伝わってきますし、CGがすごい! SFアクションの迫力がすごい! という部分だけではなくて、一人一人の人間ドラマがきちんと描かれているところがわたしもすごく大好きなところなので、そこは注目して観てほしいと思いました。

松山:この世界での戦う意義は、現実世界での戦う意味につながってくると思いますし、それをキャラクター自身が理解していく過程が面白いと思いました。原作はまだ続いているので、映画オリジナルの要素なのかもしれませんが、その戦いをどう締めくくるのかが、PART2の見どころにつながっていくと思います。その意味でも映画ならではの楽しみが広がっていきますよね。

Q:『GANTZ』の撮影中の段階から、映画の完成を期待したシーンなどはありましたか?

松山:原作を読みながら思っていたことでもあるのですが、一番やりたかったのは、加藤と彼の弟の、兄弟の関係でした。そこの仕上がりと、CGが多かったので、CGとお芝居が成立しているのかどうかを気にしていました。そこは想像する仕事だったので、手応えを感じにくかったんです。

夏菜:完成した映画を観たとき、正直びっくりしました。日本映画で、ここまできるのかと本気で思いました。2時間観終わった後にどっと疲れるほど、すごい映像になっていると思います。それから音響もすごい。アフレコで観たときよりも、音が100倍すごくなっていました。

■ もしGANTZ部屋に呼ばれたら、泣きながら武器を取って“星人”たちと戦う!(夏菜)

Q:原作に忠実に“星人”がたくさん登場しますが、特に田中星人とのバトルは、怖くて残酷だけれども、面白いと思えるような、複雑な感情を抱きながら楽しめる見応え十分のバトルですよね。

松山:作品に登場する“星人”たちは、実際に俳優さんが演じているものをさらにCGで加工しているのが多いんです。田中星人とのシーンでは、僕は一方的にやられるだけで(笑)、やったりやり返したりという殺陣ではなかったので、田中星人が攻めて、僕が受けるだけの芝居でした。

夏菜:田中星人役の俳優の方は仮面をかぶって格闘しているので、「視界が狭い」とおっしゃっていて……。本当に走ることが大変そうで、ましてや人を殴るシーンでは本当に入ってしまうぐらい危険だったので、ワンカットごとが大変そうでした。でも観ていると、笑っちゃいますよね。

Q:もし現実にGANTZ部屋に呼ばれてしまったとしたら、お二人ならどんな行動を取りますか?

松山:どうにかして帰りたいと思いますよね。ただ、人生に満足して未練がなく死んでGANTZ部屋に呼ばれたのだとしたら、どうでもよくなっていると思います。だから結局は死を迎えたときの条件によって変わる話だと思うので、わからないですね。

夏菜:今日の今日、今GANTZ部屋に呼ばれたとしたら、絶対に生きて帰りたいです。たぶんですが、泣きながらもGANTZスーツを着て、武器を取って、戦いに出ていくのではないでしょうか。

■ 微妙な距離感のまま、作っていきたかった(松山)

Q:ところで、お二人は初共演だそうですが、撮影初日の思い出など共演を経ていかがですか?

松山:最初に会ったのが、夏菜さんが裸で登場するシーンだったんですよ。その後もちょっとしたセリフのやり取りはありましたが、キャラクターとしてはまだ全然話をしない段階だったので、距離をとっていたかもしれません。2人きりで会話を交わす高台のシーンがあるのですが、そこまでは普段から話さないようにしていたんです。お互いに素人ではないし、仲良くしなくても現場に対する緊張感が変なことになるとは思っていなかったので。それに最初の出会いで脱いじゃっているし、度胸があると思ったので話す必要はないなと思っていたんです。

夏菜:そのことを撮影が終わった後にプロデューサーから聞いて「プロだ!」って思いました。

松山:でも、プロデューサーは「夏菜さんと話せ、話せ」って、ずっと僕に言っていたんだよ。でも、僕自身は話さないままの方が演じる上ではいいなと思っていて、特に撮影中は話さないと言い続けていたんです。僕は微妙な距離感のまま、作っていきたいなと思っていたんですよ。

夏菜:嫌われていなくてよかったです(笑)。

松山:いや、全然嫌っていないですし、そんな空気を出したつもりもなかったけれど、そう感じてしまったら申し訳なかったです。会話しないままで、いい場合もたくさんあるんですよ。

夏菜:おかげで岸本と加藤の関係性というものが築けて、それがスクリーンにも出ていると思います。

■ 前代未聞の映像と共に生きる希望を感じさせるドラマにも注目!

Q:さて、現実世界とリンクする本作はポジティブなテーマが含まれていると言ってもいいですね。

松山:玄野のセリフで、人は誰でも自分の役割があるというようなことを言っているじゃないですか。それを皆探しているんですよ。このキャラクターたちは戦っているうちに役割を見つけていきますが、それは現実の社会にも通じているし、自分で見つけていくものだと思うんですよね。自分自身がどう思うかで決まってくるもの。玄野の場合、最初GANTZの世界で戦うことが自分の役割だと思って突き進みますが、やがてそうではないということに気付いていく。その過程を、玄野と同世代、または同じ気持ちの人が観ると、すごく感動するというか、考えさせられる映画になっていると思いましたね。

夏菜:わたしもそう思います。それに生と死がテーマになっていて、最近は暗いニュースが多いので、こんな時代だからこそ観てほしいと思いました。この映画を観て、生きる希望を見つけてほしいと思います。

加藤と岸本という役柄の設定上、撮影中は話す機会に恵まれなかったという松山と夏菜だが、インタビューでは、異世界たるGANTZワールドでの共闘を経て、俳優としてのきずなを深めたことが伝わってきた。松山の話す通り、不条理な運命に立ち向かう登場人物たちの姿が、現代社会に生きるわたしたちの心に響く本作。松山と夏菜が語り合ってくれたように、『GANTZ』を観て、生きることや戦う意味について、激論を交わしてもらいたい。

(C) 奥浩哉 / 集英社 (C) 2011「GANTZ」FILM PARTNERS

映画『GANTZ』は1月29日より全国公開

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