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綾瀬はるか
『プリンセス トヨトミ』
原作を読んだときから、冒険気分でワクワクしていました
映画『プリンセス トヨトミ』綾瀬はるか 単独インタビュー

取材・文:斉藤博昭 写真:高野広美

交通機関や営業活動が“全停止”した大阪で、400年前から隠されていた秘密が明かされるというファンタジックなストーリー展開が魅力の映画『プリンセス トヨトミ』。「鴨川ホルモー」「鹿男あをによし」など奇抜なタッチで人気の万城目学の小説を映画化した本作は、歴史とリンクする壮大な世界観が驚きのビジュアルとなり、ユーモアや感動も盛り込まれた野心作だ。大阪の隠された謎に迫る会計検査院調査官の一人、鳥居忠子を、持ち前の明るさ満点に演じた綾瀬はるかが、作品への思いや撮影の思い出などを語った。

■2度目の挑戦!奇抜な万城目ワールド

Q:以前出演されたテレビドラマ「鹿男あをによし」と同じく、万城目学さんの作品が原作ですね。万城目作品にはどんな印象をお持ちですか?

万城目さんの作品って、結構歴史と絡んでいて、歴史上の人物が現代に現れて、過去をひもといていく。だから冒険しているみたいでワクワクさせられるんです。わたしは坂本龍馬とか、もともと歴史モノが大好きなんで、入り込んじゃいますね。

Q:では今回も原作を読んでいたのですか?

出演が決まってから、脚本よりも先に原作を読みました。「万城目さん、また変わった物語を書いたなー」というのが第一印象でしたね(笑)。「鹿男」よりも壮大で、不思議なエンターテインメントになっていました。

Q:演じた鳥居忠子は、「鹿男」で演じた藤原道子と何か共通点はあったのでしょうか?

2人は似たようなキャラクターかもしれませんね。両方ともマイペースで、わが道を行くタイプですから。

Q:今回の映画の中でも、鳥居は周りを見ないで、突っ走っていきますよね。

そうなんです。彼女はおしゃべりな上に、一緒に行動する上司の松平(堤真一)や後輩のゲーンズブール(岡田将生)が無口だから、1人で騒いで周りを引っかき回すんです。そういう役なので、話すテンポも速いし、言葉につっかえてはいけなかった。そういう面で、演じる苦労はありましたね。

■綾瀬はるか、実は勘が鋭い!?

Q:では綾瀬さんは、鳥居というキャラクターをどうとらえて演じたのでしょう?

鳥居は仕事が得意分野で、頭のいい人。ただ、性格がマイペースだから、周りをあまり気にしない。そのマイペース過ぎる行動が、たまたまうまくいって、ミラクルだと誉められるんです。そんなキャラクターだと感じました。

Q:確かに鳥居は、会計検査の仕事で鋭い勘を働かせていますよね。綾瀬さん自身は、勘がいい方ですか?

そうですね……。勘がいいと言われたことはありますね。なんか自分で自分を「勘がいい」って言うのも変ですけど(笑)。

Q:どんな場面で、勘がいいと言われたのですか?

鳥居みたいにミラクルを起こすわけじゃないですが、「この人って、こういう人なんだ」って最初に会った瞬間の印象で、だいたいわかってしまうんです。もちろん深く知り合えば違った面も見えてきますが、第一印象で相手を見抜いてしまうってことがよくありますね。勘がいいと言うより、相手の細かい部分を見ているのかもしれません。何げない部分や些細(ささい)な動きを観察しちゃいます。

Q:ミラクルを起こす鳥居は、「大食い」という一面もあります。

お好み焼き屋の全メニューを制覇しますからね(笑)。さすがにわたしは、あそこまでは食べられません!

Q:でも綾瀬さんの地元である広島のお好み焼きより、大阪のお好み焼きの方がボリューム感はないですよね。

広島のは必ずめんが入っているし、重ねて焼いていきますからね。女の人だと一人前を食べ切れないこともあるんです。わたしも大阪のお好み焼きなら2枚はいけるかな(笑)。あと今回の大阪ロケでは、たこ焼きをけっこう食べました。おいしかったですよ。

■無人の商店街を全力疾走!

Q:大阪では、鳥居が無人の商店街を走るシーンを撮影されていますね。あのシーンの撮影は、どのように行ったのでしょうか?

無人の大通りなどは早朝に撮影しましたし、商店街では、通行人の方々やお店の人たちにカメラに映らない位置に待機してもらって、無人の場所を作り出したんです。

Q:かなり孤独な演技ですよね?

でも実際に走っているときは、左右の店でおばちゃんが手を振ってくれたり、道の向こうでは止められた人たちがいっぱいのぞいていたりして、全然、孤独じゃなかったです(笑)。実際に出来上がった映像を観て、「こうなってたんだ!」と、わたし自身が一番驚いたかもしれません。

Q:そんな大阪でのロケは楽しかったですか。

そうですね。商店街の喫茶店で待たせてもらっているときとか、皆さん気さくに話しかけてくれて、人と人の壁がない感じでした。「大阪だから」というわけではないでしょうけど、とてもリラックスした雰囲気で、うれしくなったのを覚えています。

Q:共演の堤真一さんも関西出身ですよね。

堤さんとの共演は2回目ですが、オヤジギャグで盛り上げてくれました(笑)。そんな感じで笑いが多い現場で、岡田将生くんも含め、3人のチームプレーはうまくいったと思っています。

■綾瀬の理想の女優とは?

Q:この『プリンセス トヨトミ』は奇抜なストーリーですが、親子愛も描かれています。綾瀬さん自身も両親のことを考えたのでは?

わたしはなるべく両親と電話で話すようにしているんです。忙しいときに電話がかかってきて、「明日かけ直そう」と思うときもありますが、できるだけ合間を見つけて、こっちからかけています。「ずっといるのが当たり前」と思っちゃいけないと、『プリンセス トヨトミ』を観て再認識しました。

Q:そして本作には細かい見どころもありますよね。玉木宏さんが顔を見せていたり……。

そうなんです! 玉木さんが出演すると聞いたときは「なんて面白いアイデアなんだろう」って思いました。玉木さんの撮影は一日だけでしたけど、「鹿男あをによし」を観ていた人にはたまらないシーンになっているはずです。

Q:いろいろな意味で、この『プリンセス トヨトミ』は驚きに満ちているようですね。

題材がユニークなうえに、笑いや感動もある。本当に奇想天外な作品じゃないでしょうか。

Q:では今後の女優としての目標を聞かせてください。

あこがれている女優さんはたくさんいますが、まずは自分が演じさせてもらう役に、一つ一つ愛情を持って接したいですね。撮影している間、後悔しないように演じていきたいです。

Q:あこがれの女優さんを、一人挙げるとしたら?

松たか子さんですね。大ファンなんです。松さんのお芝居ってナチュラルなんですけど、彼女が演じた役と、観ている自分がいつの間にか同じ目線になってしまう。「こんなふうに演じられたらいいな」って、お芝居のテイストやセンスにあこがれます。でもわたしはわたしにしかできない演技もあると思うんです。だから、いただいた役を大切に、初心を忘れないようにがんばっていきたいです。

実は歴史モノが大好きという綾瀬はるかにとって、本作のような過去と現在がつながるエンターテインメントは、うってつけの作品だったのかもしれない。そのせいかインタビュー中の彼女の表情は、常に生き生きとして、どんな質問にも一生懸命、自分なりの言葉を見つけようとする姿が印象的だった。本作の親子愛に絡めた両親への思いや、あこがれの女優像を語るとき、そこには、スクリーンとは違う素顔の綾瀬はるかがいた。そんな彼女の持ち前の明るさと全力の演技が観られる『プリンセス トヨトミ』は、彼女のファン以外をも引き付けるさまざまな要素がたっぷり詰まった作品に仕上がっている。

(C) 2011 フジテレビジョン 関西テレビ放送 東宝

映画『プリンセス トヨトミ』は5月28日より全国公開

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