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北川景子
『マジック・ツリーハウス』
自分の声を聞いて「なんだこれは!?」と驚きました
映画『マジック・ツリーハウス』北川景子 単独インタビュー

取材・文:くれい響 写真:吉岡希鼓斗

どこか気の弱い兄・ジャックと空想や冒険好きな妹・アニーという、まったく性格の異なる兄妹の時空を超えた大冒険ときずな。世界中で1億部を超えるメアリー・ポープ・オズボーン原作の人気ベストセラー・シリーズから、四つの人気エピソードをセレクトし、日本アニメ界を代表するチームが映画化したファンタジー・アニメ『マジック・ツリーハウス』。本作の主人公・ジャック役で、声優に初挑戦した北川景子が、オファーされたときの戸惑い、アフレコ収録時のエピソード、彼女の意外な素顔が垣間見ることのできる幼少時代の思い出などを語った。

■妹を持つ、8才の男の子を演じるにあたって

Q:初めての声優のお仕事で、なおかつ世間の持つ北川さんのイメージとかけ離れた8才の男の子役というオファーを受け、どのように感じましたか?

声優というお仕事は、プロの方がいらっしゃる世界ですし、一緒にお仕事をさせていただいた(ジャックの父親役の)山寺宏一さんのスゴさを知っていたので、その垣根を越えて挑戦するのはおこがましいことではないかと感じていました。わたしの過去の作品をご覧になった監督さんたちが、「ジャックの声にピッタリと思った」ということでお話をいただいたのですが、「なんで、わたしが?」という、不思議な気持ちでしたね(笑)。

Q:そんな戸惑いの中で、どのようにして北川さんならではのジャック像を作り出していったのでしょうか?

監督からは、わざと8才の子どもっぽく、男の子っぽく演じなくていい、というアドバイスをいただきました。自然な声で、ちょっとだけジャックの堅実さや責任感の強さ、そしてレールから外れることを恐れる保守的な性格を想像してもらうだけでいいと。だから、画面でジャックの姿を見ながら、感じたままに演じようと思って、最初にひと言、ふた言発した時点で監督からのOKが出たので、そのまま演じました。

Q:アフレコ現場では、アニー役の芦田愛菜ちゃんとの共演はなかったようですが、劇中で彼女から「お兄ちゃん」と呼ばれてどんな気持ちになりましたか?

先に収録されていた愛菜ちゃんの声を聞きながら収録したのですが、決して変な感じではなかったですよ(笑)。ひたすらジャックの画を見て、ジャックになりきろうとしていましたから。わたしにも弟がいるので、上の子ってこれぐらいしっかりしなきゃいけないよね、と共感するところもあった気がします。でも、愛菜ちゃんはわたしの声が吹き込まれていない状態でアフレコをされていたので、わたしより大変だったと思います。

■声だけでも大事な表現手段になる

Q:その結果、北川さんと気付かない観客もいるのではないかと思うほど完成度の高いジャックの声でしたが、声優初挑戦の出来栄えは?

女優としてのデビュー作で、初めて自分の声を聞いたとき、あまりに自分の思っている声と違って驚きました。マイクを通すから違って聞こえるのか、よくわからなかったのですが、キャリアを積むうちに、こう発声すれば、普段の声に近くなるというコツを覚えました。でも、今回は意識して、ジャックの声を作ったので、なんだこれは!? と不思議な感覚を覚えましたね(笑)。だから、映画をご覧になったお客さんに、ちゃんと男の子の声だと認識いただけるのか、どう受け止めてくださるのかが心配です。

Q:そのようにして声優を初経験されたことで学んだこと。また、今後の女優活動に与える影響のようなものは感じましたか?

デビュー当時、特撮ドラマに出演したこともあって、戦闘シーンときの「アッ」とか「ウッ」といった掛け声など、アフレコには慣れていたと思います。でも、今回のお仕事を経て、声も大事な表現手段の一つなんだ、ということを初めて認識しました。例えば、驚いたときの息をのむ感じも、これまでは表情や体で表現していたので、声だけで表現することはありませんでした。そういうことを多少なりとも勉強できたので、今後この経験を映像の方で生かせれば、と思います。あとはプロの声優さんってホントにスゴい、と改めて実感しました。

■現実的で、静かな男の子っぽかった少女時代

Q:ちなみに、ジャックと同じ8才当時の北川さんは、どのようなタイプの女の子だったのでしょうか?

友達と外で遊ぶというよりは、家にいるのが好きでした。習い事も、ピアノや習字などインドア系でしたので。幼いころは割とジャックに近い生活をしていたように思います。どちらかというと男の子っぽくて、あまり幻想的なことにあこがれを持つようなタイプではありませんでした。例えば、七夕のときに、学校でみんなが短冊に「ケーキ屋さんになりたい」「お嫁さんになりたい」という夢を書く中、わたしだけ「お医者さんになりたい」と書いていましたから(笑)。

Q:とはいえ、絵本を読んだり、アニメを観たり、女の子らしいこともされていたわけですよね?

そうですねぇ。家の本棚に本がいっぱいあったので、両親の影響もあって幼いころから本には親しみがありました。日本や世界の昔話に始まって、小学校低学年になると「若草物語」や「赤毛のアン」「あしながおじさん」といった名作を読んでいました。アニメだと「ドラえもん」とか、「美少女戦士セーラームーン」「キューティハニー」。それから「名探偵コナン」が好きで、よく観ていたことを覚えています。

■大人になると忘れがちなものを思い起こす映画

Q:『マジック・ツリーハウス』には、そんな北川さんが夢中になったアニメのテイストも十分に含まれていますが、原作ファンの少年少女たちに贈りたいメッセージはありますか?

世界中の子どもたちに人気のある原作も含め、作品全体が素晴らしいので、友達やお父さん、お母さんと一緒にワクワクしながら観てほしいです。兄弟のきずなや、あきらめないで最後までやり遂げることの大切さを受け止めてもらえたら。別に、わたしがジャックの声を吹き替えたということは、わからなくていいですから(笑)。

Q:また、一見子ども向けに見えて、実は大人の共感を誘う要素も含まれていますが、北川さんはそれらについて、どのようにとらえましたか?

大人になると、冒険心や探究心を忘れてしまいますが、子どもって物おじせずに挑戦する純粋さを持っていますよね。この作品を通じて、そんな子どもだからこそ持てる力のスゴさを感じました。だから、知らないところに行ったり、これまでしたことのないことに挑戦するのは、楽しいことなんだ、と思い出してもらえるとうれしいです。ここ最近は暗い出来事が多かったので、どこか元気がなかったり、守りに入ってしまうという人も、この作品を観ることでフッ切って、いろんなことに挑戦してほしいと思います。

テレビドラマ「謎解きはディナーのあとで」の麗子お嬢様のイメージから一転、声優初挑戦ながら8才の男の子という難役をこなした北川景子。公開前だけに本人の実感はまだわかないようだが、『マジック・ツリーハウス』は確実に彼女がたびたび発言してきた「カメレオンのように変わっていける女優」という理想への第一歩となったといってもいいだろう。世間の持つイメージや現在の立ち位置を十分に理解しながらも、未知の分野に挑もうとするストイックな「女優魂」を感じてほしい。

(C) メアリー・ポープ・オズボーン / 「マジック・ツリーハウス」製作委員会

映画『マジック・ツリーハウス』は2012年1月7日全国公開

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