シネマトゥデイ

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何がスゴいってここがスゴい!!

わたしが子どものころ、春・夏休みの時期になると正義の味方とか怪獣の出てくる映画ばかりを集めた「東宝チャンピオンまつり」というのがあったんですが(ア~! 年がバレる!?)日本で往年のスーパー・ヒーロー、いわゆる「正義の味方」というと皆さんは誰を想像しますか? ウルトラマン、仮面ライダー、パワーレンジャー……おっと、セーラームーンも忘れちゃいけません(笑)。

例えば、これらのスーパー・ヒーローを阿部寛松山ケンイチといった有名俳優たちが演じる映画が製作されるとします。

個々のヒーローを主人公にした映画を、大作として一つ一つ、それも3年にわたって徐々に公開していく。そして、毎回それぞれの映画の終わりにヒーローたちが総出演しそうな大作をにおわせた謎の予告編を見せるのです。ついには正義の味方が悪に立ち向かう超大作を大ロードショー! となったら、これはかなりのスケール。きっと話題になって観客を呼ぶことになるでしょう。

『アベンジャーズ』はいうなれば、ウルトラマンの代わりにキャプテン・アメリカ、仮面ライダーの代わりに超人ハルクといった具合に、全米で老若男女が知っているヒーローたちを一堂に会し、2億2,000万ドル(約176億円 1ドル80円換算)という巨額を投じて、特撮&アクションを満載した映画というわけです。全米ではすでに6月15日時点で5億7,523万ドル(約460億円 1ドル80円換算)という興収を上げ、国内外の収入を合計すると何と約14億ドル(約1,120億円 1ドル80円換算)という額を記録しており、その数字は現在も上昇中と、その人気はとどまるところを知りません。(数字はBox Office Mojo調べ)

と、その人気はアメリカにとどまらず、世界中に広まっています。なぜこんなにウケているのでしょうか?

スターパワーと特撮だけに頼らない

アメリカ以外の国にとって「アメリカン・コミック・ヒーロー」というのはそれほどインパクトのないものです。ロバート・ダウニー・Jrスカーレット・ヨハンソンのような有名セレブが出演している超大作とはいっても、興行収入がここまで伸びているのには理由があるはずです。その訳とは果たして何でしょうか?

ずいぶん前になりますが、CGを使った特殊効果がやたらと目立ち始めたころトミー・リー・ジョーンズ主演のパニック映画『ボルケーノ』の特撮現場を取材に行ったことがありました。

そこで『スター・ウォーズ』の視覚効果担当の経歴もあり、『ボルケーノ』ではVFXの責任者だったジョー・ビスコシル氏が話してくださったことがあります。「特殊効果は前面に出て主役になってはいけない。主人公たちを後ろから支え、映画を引き立てる役目を果たすことこそがその役割だ」。

今回、わたしは『アベンジャーズ』を観て、このビスコシル氏の言葉を思い出しました。この映画には最先端の特撮や視覚効果が満載ですが、それらはあくまで主人公たちを支えてストーリーを引き立てるもので、決して押し付けがましいものではありません

作品の要は、独特な個性を持つ個々のスーパー・ヒーローたちにあるのです。

ヒーローだって悩んでる! 共感できる英雄たち

『アベンジャーズ』のメンバーであるヒーローの一人一人が、わたしたちでも共感できるような立体的なキャラクターとして丁寧に描かれている点が、この映画の大きな魅力の一つといえます。

アベンジャーズの中心人物の一人であるソーは、映画で悪の主役となるロキとは兄弟です。ロキは自分が養子で邪神の血が流れていることがわかってから、兄のソーをねたみ、逆恨みして兄を滅ぼす決意をするのです。

自分に憎しみを燃やす弟ロキのせいで、自分の愛する地球と人類が危機にひんしてしまうという事実に深い罪悪感を覚えるソー。無敵の雷神も、実はわたしたちと同じように人を思って悲しんだり苦しんだりするのです。また、ガキ大将のように身勝手な振る舞いばかりして周囲に迷惑を掛け、アベンジャーズの仲間たちからヒンシュクを買い、人類を守るためのバトルにも悪影響を与えるトニー・スターク(=アイアンマン)、超人ハルクになってしまう自分を嫌悪して周囲をも閉め出しているブルース・バナー等々、アベンジャーズのヒーローたちが俗にいう正義の味方と異なる部分は人間的な弱さをさらけ出していることでしょう。

スーパー・ヒーローですら、わたしたちと同様にそれぞれ何らかの心の傷を抱えていたり、コンプレックスの固まりだというのに傲慢(ごうまん)な振る舞いに走って強がってみたり……。また、人から離れて孤立することで自分の弱さを隠し、苦悩しているのです。アベンジャーズはヒーローらしからぬヒーローだからこそ、世界中の人々を魅了してここまでの人気を得ているのです。

でもやっぱり特撮も超カッコいい!

映画の人間ドラマが熱いといっても、やっぱりこの映画に出てくる超一級品の特撮は語らぬわけにはいきません!

『アベンジャーズ』の特撮を手掛けているのは、『スター・ウォーズ』シリーズでおなじみのジョージ・ルーカス率いるILM(インダストリアル・ライト&マジック)、そして『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズでその名をはせたピーター・ジャクソン率いるWETAデジタルをはじめ、関与した視覚効果スタジオの数は何と14。トップ級のVFXスタジオが最先端の技術を駆使し、2,200以上のショットからなるという本作の特撮シーンを制作しています。

この映画を「DVDで観ればいいや」と思っていらっしゃる方、ぜひ3DかIMAXで観ることをおすすめしますよ!

余談ながらこちらもカッコいい……(^^)>”

『マイティ・ソー』を初めて観たときから何となく気になっていたんですが……トム・ヒドルストン。そう、ロキ役の彼です! ロキの角付きヘルメットを見たときは少々ヒキましたが、ソー役のクリス・ヘムズワースとは正反対なトムの繊細なハンサムさがいいんですよねえ~。

トムはイギリス、ロンドン出身の32歳。ケンブリッジ大学を最優等の学位で卒業して王立演劇学校を卒業、舞台でも活躍する優秀な正統派の俳優さんなのです。映画『戦火の馬』を観た方は、馬のジョーイを買い取ることになった優しいニコルズ大尉を演じたのがトムであることに気付いたのでは?  トムは現在『マイティ・ソー 2』への出演が確定していますが、これからロキ役以外での活躍も期待したいところです!

というわけで、すっかり個人の趣味に走ったところで(笑)今日はお開きです。また次回にお会いしましょうね!
(取材・文 神津明美 / Addie・Akemi・Tosto)

About Addie

高校留学以来ロサンゼルスに在住し、CMやハリウッド映画の製作助手を経て現在に至る。アカデミー賞のレポートや全米ボックスオフィス考など、Yahoo! Japan、シネマトゥデイなどの媒体で執筆中。全米映画協会(MPAA)公認のフォト・ジャーナリスト。
ツイッターもよろしく!→@akemi_k_tosto

メキシコはユカタン半島にあるリビエラマヤへ旦那のクリちゃんと旅行してきました。何万年もかけてできた鍾乳洞探検やセノーテという地下を流れる泉でシュノーケル。サイコーだった~。

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