シネマトゥデイ

今週のクローズアップ あの人は今? 消えたスターの行方を捜せ!(男優・女優編)

 ヒット作を連発し、一世を風靡(ふうび)したにもかかわらずいつの間に音沙汰がない懐かしのスターたち。一体彼らは今、どこで何をしているのか……? 意外な分野に着手していたビックリのアノ人から、すっかり落ちぶれてしまった残念なアノ人まで、近年の動向を探ってみました!

こんなはずじゃなかった……? 役に殺されてしまった男優たち

 役のイメージが強烈すぎるゆえに、そこから脱却できず不遇な人生を送るスターたち。その筆頭格が、『スター・ウォーズ』シリーズのルーク・スカイウォーカー役でおなじみのマーク・ハミル。第2作『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』(1980)以降、次第にハン・ソロを演じたハリソン・フォードにお株を奪われつつあったが、その後ヒット作に恵まれず、ほとんどの作品が日本では未公開に終わっている。高校時代に2年ほど日本で過ごした経験があり、日本になじみ深いせいか昨年は、すしの女体盛りが用意されたパーティーを舞台にしたB級サスペンス『SUSHI GIRL』で、元強盗役として怪演を披露している。『グレムリン』(1984)の主演ザック・ギャリガンもしかり、続編の『グレムリン2/新・種・誕・生』(1990)以降は下降の一途をたどっており、おかげで私生活が荒れてしまったのか2003年にはCDを万引きして逮捕されるという転落ぶり。その後もめげずにコツコツと活動を再開し、カルトSF『リージョン・オブ・ザ・デッド ~ミイラ再生~』(2005・日本未公開)などで主演を務めるも、近年は日本ではDVDスルー作品さえ見られない状況。

 また、世界中で大ブームを巻き起こしたあの大ヒットドラマ「ツイン・ピークス」(1990~1991)でクーパー捜査官を演じ、日本で缶コーヒーのCMにも出演したカイル・マクラクランも、鳴かず飛ばずの日々。『砂の惑星』(1984)、『ブルーベルベット』(1986)など、もともと彼は同ドラマの監督であるデヴィッド・リンチの秘蔵っ子として愛されていた俳優だが、リンチ作品以外のラインナップは『フリントストーン/モダン石器時代』(1994)やラジー賞を総なめにした『ショーガール』(1995)など、血迷ったとしか思えないトホホなタイトルが続いている。近年ではテレビドラマ「デスパレードな妻たち」で再び注目されたが、今のところ彼が本領を発揮できるのはリンチ作品のみといっても過言ではない。いつかまたリンチ作品でお目にかかりたいところだ。

 

ルーク・スカイウォーカー役に抜てきされてブレイクした『スター・ウォーズ』(写真上)(C)Twentieth Century-Fox Film Corporation Photographer: John Jay/主人公の昔の強盗仲間を演じた2012年公開の『SUSHI GIRL』(写真下)。別人です……(C) 2011 SUSHI GIRL FILMS

『グレムリン』でギズモの飼い主を演じたザック・ギャリガン。キュート!(左)Amblin/Warner Bros./Photofest/すっかりおっさんになったザック。オーラが完全に消えてます(右)Dimitrios Kambouris/WireImage/ゲッティイメージズ

キレイなだけじゃダメかしら? 悲しき一発屋

 美貌だけでやっていけるほどショウビズの世界は甘くないとばかりに、『PLANET OF THE APES 猿の惑星』(2001)のエステラ・ウォーレン『ターミネーター3』(2003)のクリスタナ・ローケンなど、大作に抜擢されながらもあっという間に姿を消したモデル出身の女優も少なくない。特に、後者のクリスタナ・ローケンは女ターミネーター・T-Xという強烈、おいしい役どころで印象付けたにもかかわらず、その後のキャリアにつなげられなかったのは女優の素質がないということなのかもしれない。ここ最近では「Lの世界」「バーン・ノーティス 元スパイの逆襲」など人気テレビドラマに出演する機会を得ているが、いずれもゲスト出演止まりで大役をつかんでいない。

 フランスの名匠ジャン=ジャック・アノーが手掛けた官能ラブストーリー『愛人/ラマン』(1992)で映画初出演にして、ヒロインに抜てきされたジェーン・マーチは同作で成功を収め、次回作『薔薇の素顔』(1994)でハリウッドに進出するも、「脱げる女優」としか認識されていなかったのかブルース・ウィリスとの濃厚なラブシーンのみが取りざたされ、作品の評価はさんざんな結果に。以来、伸び悩んでいるが昨年はオリジナルビデオ作品『アドベンチャー・オブ・スノーホワイト』(2012)で白雪姫の継母を演じた。しかし、彼女の場合、人脈のなさが致命的だ。また、映画初主演作『ダリアン』(1993)で隣人を演じるアブない少女にふんし、その小悪魔的な魅力で一世を風靡(ふうび)したアリシア・シルヴァーストーンは、学園青春映画『クルーレス』(1995)以降、アイドルのイメージを払しょくできず「大人の女優」としての芽は出なかったようだ。近年は『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』(2008)や『最低で最高のサリー』(2011・日本未公開)などに端役として出演しているほか、完全菜食主義のダイエット本の出版、動物愛護活動に参加。8年越しのゴールインとなったミュージシャンの夫との間に生まれた息子の溺愛ぶりが報道されるなど、女優業そっちのけでママ生活を謳歌(おうか)しているもよう。

 
『ターミネーター3』で美しくも凶暴な女ターミネーターを演じたクリスタナ・ローケン/Photofest
学園コメディー『クルーレス』で小悪魔系アイドルとして人気を博したアリシア・シルヴァーストーン(左)(C)Paramount Pictures/ママ生活を満喫する最近のアリシア。若々しさ&美貌を保っているものの、目をひくような個性はなし(右)
キャリアよりもスキャンダルが先行しがちな面々

 かつて『プラトーン』(1986)、『ウォール街』(1987)などのオリヴァー・ストーン作品や『メジャーリーグ』(1989)、『ホット・ショット』(1991)などヒット作を連発したチャーリー・シーンだが、ここのところ映画での活動は控えめに、テレビシリーズ「チャーリー・シーンのハーパー★ボーイズ」のヒットで長者番付の上位にランク入り。アメリカではテレビドラマのスターとして人気を得ているようだが、アルコール&薬物依存、前妻へのドメスティックバイオレンスなどスキャンダルが絶えず、日本では「タブロイド紙の看板スター」として定着しつつある。また、『薔薇の名前』(1986)、クエンティン・タランティーノが脚本を手掛けた『トゥルー・ロマンス』(1993)などで知られるクリスチャン・スレイターも、拳銃不法所持、飲酒運転、暴力、痴漢行為など何かと問題が絶えないトラブルメーカー。それでもコンスタントに主演作を放ち続けているがヒットには恵まれず、日本ではここ最近『ドン底女子のハッピー・スキャンダル』(2011)、『プレイバック』(2011)などB級DVDスルー作品が多数となっている。

 極め付けは、『ターミネーター2』(1991)のジョン・コナー役でおなじみのエドワード・ファーロング。当時、日本でもカップヌードルのCMに出演するなど美少年スターとして絶大な人気を誇った彼だが、こちらも数えきれないほどの不祥事、奇行を連発したうえに不摂生がたたって激太り。『グリーン・ホーネット』(2010)では麻薬の売人という自虐的な役を演じて話題になった。近年は『フローズン・ライター』(2011)という未公開サスペンスのDVDが発売。スランプに陥り、古びた精肉工場の冷凍庫に引きこもるホラー作家というダークな役に挑んでいる。そのほか、スキャンダルで低迷した女優たちにウィノナ・ライダー(万引)、リンジー・ローハン(アルコール&コカイン中毒、飲酒運転など)、シャナン・ドハティ(共演者との不仲説)など。中でも、ジョニー・デップやダニエル・デイ=ルイスら数々のスターと浮き名を流し、ティム・バートン、マーティン・スコセッシ、ジム・ジャームッシュら名だたる監督たちにミューズとして愛されたウィノナ・ライダーは、2001年に発覚した万引を機にイメージダウン。もはや「キュート」「かれん」な雰囲気は失われ、『ブラック・スワン』(2010)では、引退を迫られ発狂するバレリーナというキレキャラを怪演した。

『トップガン』など数々のヒット作をパロッたコメディー『ホット・ショット』のチャーリー・シーン。頭に巻いたターバンがキマッてます!(左)(C)Fox/もうすぐ50代だけど落ち着く様子もなく、タブロイド紙の格好のネタとなっているチャーリー・シーン(右)Mark Davis / WireImage / Getty Images
友近のモノマネでも知られる『ビバリーヒルズ高校白書』のヒロイン、ブレンダ役のシャナン・ドハティ。主演だったにもかかわらず共演者と折り合いが悪く、第4シーズンで降板してしまいました(左)Photofest/にこやかだけど顔つきがキツくなった印象の現在41歳のシャナン(右)Jean Baptiste Lacroix / WireImage / Getty Images
才能はあるのにパッとしない女優たち

 類まれなる個性、才能を持ちながらも第一線から退いてしまった女優たちがいる。例えば、『アメリカン・ビューティー』(1999)、『ゴーストワールド』(2001)のソーラ・バーチ。特に後者は、同作の公開以来、共演したスカーレット・ヨハンソンが飛ぶ鳥を落とす勢いとなっただけに、人気の差が歴然としてしまった。今となっては「スカーレット・ヨハンソンの相棒を演じた女優」という過去の人だ。そんな彼女の近年の作品は『テラートレイン』(2008)、『シャッター リフレクション』(2009・日本未公開)といった、いかにもなB級スリラー。明らかに「仕事がない」様子だ。また、『ケープ・フィアー』(1991)、『ギルバート・グレイプ』(1993)などで鮮烈な存在感を放ってきたジュリエット・ルイスも、近年は脇役に徹している。理由の一つに、ミュージシャンとしての活動を始めたことが挙げられる。パンクバンド「Juliette and the Licks」(のちに解散)として、フジロック・フェスティバルにも出演するなど精力的で、音楽ドキュメンタリー『音楽と体の神秘 ~ドラムビートはハートを打つ~』(2009・日本未公開)では、レッド・ホット・チリペッパーズのジョン・フルシアンテ、ガンズ・アンド・ローゼズのマット・ソーラムらそうそうたる顔ぶれと共に名を連ねている。

 また、『めぐり逢えたら』(1993)、『ユー・ガット・メール』(1998)などでかつてロマコメの女王として名をはせたメグ・ライアンだが、私生活でラッセル・クロウとの不倫騒動以来、ツキが落ちたのかパッとせず新境地としてヌードに挑んだサスペンス『イン・ザ・カット』(2003)以降は日本での公開作がなく、『あいつはママのボーイフレンド』(2008)、『メグ・ライアンの 男と女の取扱書』(2009)などひたすらDVDスルーとなっている。同じく50代のシャロン・ストーンも忘れられつつあるスター。『氷の微笑』(1992)でブレイクし、「セックスシンボル」「悪女」ともてはやされたのも遠い過去。アメリカでは今後続々と新作が控えているものの、日本では飽きられてしまったのか、ラジー賞ワースト主演女優賞を受賞した『氷の微笑2』(2006)以降、公開作が激減。時折、「ザ・プラクティス/ボストン弁護士ファイル」(シーズン8)「LAW & ORDER: 性犯罪特捜班」(シーズン11)など海外ドラマのゲスト出演をしているが、ラジー賞で過去13回もノミネートされているところを見ると演技力はあまり評価されていないようだ。ハリウッドでは、メリル・ストリープのようにアラカンに突入しても第一線で活躍する女優は数えるほどで、50歳を過ぎると映画での活躍の場が激減し、テレビドラマにシフトするケースが多いのが現状だ。さらに、メグやシャロンのように、長期間一定のジャンルや役柄にとどまるのもリスクが高いのかもしれない。

絶賛、ミュージシャンとして活躍中のジュリエット・ルイス。ワイルド~!/Bobby Bank/WireImage/ゲッティイメージズ


『恋人たちの予感』のメグ・ライアン。近所のお姉さんといった親しみやすいキュートさが人気でした(左)Columbia Pictures/Photofest/中年になってビックリするぐらいしぼんでしまったメグ(右)Paul A. Hebert / FilmMagic /Getty Images

今は低迷気味の彼らたちも、作品&監督との出会い次第で再び映画界で返り咲く日が来るはずなので、気になるスターがいたら今後もニュースで動向をチェックしよう!

文・構成:シネマトゥデイ編集部 石井百合子

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