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水谷豊&成宮寛貴
『相棒 -劇場版III- 巨大密室!特命係 絶海の孤島へ』
カイトくんが成宮くんで良かった
『相棒 -劇場版III- 巨大密室!特命係 絶海の孤島へ』水谷豊&成宮寛貴 単独インタビュー

取材・文:高山亜紀 写真:金井尭子

回を追うごとにパワーアップしてきた「相棒」劇場版もついに本作で3本目。今回はいまだかつてない大きな敵を相手にするため、「相棒」チームが東京から300キロも離れた孤島へと足を踏み入れる。ジャングル、岩礁、断崖……いつもとは違う過酷な自然の中で果たして難事件は解決するのか。エンターテインメントでありながら、社会派ドラマとしても見応えのある極上のサスペンス。「相棒」らしさは失わず、けれど異例尽くしでもある本作の魅力を主演の水谷豊、そして劇場版には初登場の3代目相棒、成宮寛貴が語る。

■劇場版と聞いたときの第一印象は「もう?」

Q:すっかり定着した杉下右京(水谷)と甲斐享(以下、カイト)(成宮)の『相棒』ですが、二人の関係は変わってきましたか。

水谷豊(以下、水谷):そうですね。成宮くんとはドラマ「相棒」で初めて会ったので、最初は少し距離があって、時間がたつにつれて、だんだん近づいてきて……。俳優、水谷豊と成宮寛貴くんの関係が右京とカイトにとても似ています。その分、お互いのことを知ることのできた2年目でしたね。

成宮寛貴(以下、成宮):「相棒」ならではの撮影の緊張感は今も強烈にあります。その一方で、豊さんは出会ったときからもう手の内を全部、見せてくれていた。僕がなじんでいなかっただけで、近づいていけばいいようになっていたんです。最初に撮影の技術的なことも含め、「相棒」ルールを「こういうものだよ」と全て教えてくれたので、それからは「自分で思った通りにやってごらん」という感じでした。

Q:満を持しての劇場版ということになりますね。

水谷:カイトくんは「こんなに早く映画になるんだ」って感じだったんじゃない? 最初のシーズンが終わったら、映画の撮影でしたから。

成宮:やっと「相棒」になじんだところだったので、「もう?」と思いましたね(苦笑)。「相棒」はドラマ自体がちょっと広げたら映画になるようなクオリティーの回も多いので、これが映画になったらどうなっちゃうんだろうと思っていたら、やっぱり映画は映画の世界でした。

■もう二度とできない奇跡のコラボ連発

Q:ジャングルの中の「相棒」はとても新鮮でした。沖縄ロケはどうでしたか。

水谷:島ですからね。もう逃げられないと思いました(笑)。今回は敵も、起きていることも大きい。「さあ、もうやるしかない」と思いながら、ロケ地に向かったのを覚えています。

成宮:空港で久しぶりに豊さんと会ったときに、「とうとう始まるんだ」と僕も思いました。

水谷:試写を観た後には「これはもうできないな」という感動がありました。よくできたなって。台本があって、監督がいて、スタッフがいて……みんなで作っていますから、全部そろって作品になると「これはすごい」と。

成宮:あんなにジャングルでしたっけ? 撮影中は冷静でいるつもりだったのですが、意外と見えていないものなんですね。

水谷:時々、「そっちハブ注意ですから!」って言われたよね(笑)。

Q:二度とできないというのは大変すぎて、二度とやりたくないという意味ですか?

水谷:そんなことはないですよ。またチャンスがあれば、ゴーヤチャンプルー、食べたいです(笑)。多分、そのときしかできないことをやっているからだと思います。

成宮:嵐のシーンは雨降らしで、巨大な扇風機を何台も使って大人数で作っているんです。これまで見たこともない規模の嵐だったんですが、実は豊さんのセリフが全く聞こえなかったんです。

水谷:そうそう。勘でセリフを言うんだよね。「本当に終わったんだろうな?」と思いながら、こっちは次のセリフをしゃべるわけでしょ。別の意味で冷や冷やしていました。

成宮:全く音が聞こえない状態で芝居をやるなんて! 「相棒」を2クールやった後で良かったです。いきなりだったら、きつかったですね。

Q:右京さんはいつも通りとはいえ、意外な場所で紅茶を飲んでいましたね?

水谷:右京って面白いんです。どこにいても、「今、何に向かっているのか」ということにしか興味がない。一方で、紅茶を飲むのは生活の一部なので、どこででも飲んでしまう。台本を読んだときに、「どこで紅茶を飲みましょう?」って話していましたからね。

成宮:台本には紅茶のことは書いていなかったですから。

水谷:ああ、そうでしたっけ? よく覚えているね。終わるともう、何も覚えていないんですよ(笑)。

■別のラストシーンがあった!?

Q:「相棒」の現場はみんなが意見を出しやすい現場だと聞きました。

水谷:それぞれが空気を持ち寄れるような感覚があるんです。台本を読んだ後、監督も含めてみんながそれぞれのイメージを持ち寄って、そのいいところを集めて作っていくような現場ですから。

成宮:印象的なのはラストシーンが誰もいない波止場で撮影する予定だったんですけど、監督の「変えましょう」の一言で、新宿の雑踏になった。あれはすごく良かったですね。

Q:ラストシーンの前に犯人と対峙(たいじ)する非常に大切な右京さんのセリフがあります。

水谷:今回、取り上げた事件は結論の出る問題じゃないと思うんです。それでも観ている方のためには「相棒」としての結論は出さなきゃいけないんですね。その結論の出し方が本当に見事だなって思いました。素晴らしい脚本を読んで、これをお客さんに伝えるのはわれわれ二人なんだと思うと、責任重大だなと思いましたね。

成宮:僕はカイトとして横にいたんですが、まだ若くて、青いんです。だから、考えが真っすぐで視野が狭いところがある。答えが出せない問題なのに、自分なりに答えを出そうともがいていた気がします。でも、彼が言葉にできないことを杉下さんが言ってくれたことによって、スッと突破口が開く。それがラストシーンへとつながっていくんです。

Q:「相棒」の世界観を軸に、劇場版ならではの社会派ドラマもあり、エンターテインメント作品だという余韻が残りました。

成宮:スケールも含めて「これが『相棒』の映画なんだ」と実感しました。ドラマとはまた別の違う世界です。

水谷:「相棒」はテレビから始まって、映画になればいいなと思っていたら映画ができて、2本目もできて、気が付いたら今回が劇場版3作目。なんて幸せなんだろうと思っています。その一方で、映画がシリーズ物になると、3本やって全部、面白かったのは『ゴッドファーザー』くらいかなと思うんです。他のシリーズ物は、最初は面白いけど次はエネルギーがなくなったり、やりすぎたり、全然別物になってしまったり。大抵、下がってしまいます。でも、「相棒」は見事に三つ違う世界に行けました。3本目にしてこのクオリティー。カイトくんが成宮くんで良かった。二人でやれて良かったと思っています。

成宮:世の中で起きていること、皆さんが感じていること。それを僕らも同じように感じて、リアルに芝居に投影していくのがきっと「相棒」なんだと思っています。僕は豊さんの背中を見ながら、非常に楽しくやらせてもらっています。

水谷:警察官の先輩として、彼のことを見ていたりもするんです。必ずしも右京の考えが全てではないので、カイトくんの生き方や考え方もある。そんなときは一緒に考えたり、時にはぶつかったりもします。それこそ「相棒」ならではの世界。これからもどんどん、ぶつかっていけるのかなと僕も楽しみですよ。

とてつもない集中力で現場に臨むのだろう、「終わったら忘れてしまう」という水谷豊。そんな彼の一挙一動を見落とすまいと懸命に観察しているのだろう、「あの時はこうでした」としっかり覚えている成宮寛貴。そんな成宮に水谷が「君はよく覚えているね。若いのにしっかりしている」と感心する。数々の修羅場をくぐってきた右京とカイトの揺るぎない信頼関係が水谷と成宮にも流れているようだった。

(C) 2014「相棒 -劇場版III-」パートナーズ

映画『相棒 -劇場版III- 巨大密室!特命係 絶海の孤島へ』は4月26日より全国公開

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