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前田敦子&堤幸彦
『エイトレンジャー2』
これ以上はできない!と思うくらい振り切った作品
『エイトレンジャー2』前田敦子&堤幸彦 単独インタビュー

取材・文:斉藤由紀子 写真:高野広美

関ジャニ∞と「トリック」シリーズの堤幸彦監督のタッグ作第2弾『エイトレンジャー2』。舞台は前作から5年後の2040年、少子高齢化が進んだ八萬市(エイトシティ)。多額の報酬を得たことで正義のヒーローから堕落してしまったエイトレンジャーたちが、またまた巨大な陰謀に巻き込まれていく! 事件の真相を追うヒロイン・西郷純を大胆かつキュートに演じた前田敦子と、彼女の新たな魅力を引き出した堤監督が、撮影時の爆笑&仰天エピソードを明かした。

■前田敦子を美女として扱わないのが堤流?

Q:登場シーンでいきなり道にツバを吐く西郷が、衝撃的でカッコよかったです(笑)。

前田敦子(以下:前田):この間完成版を観て、冒頭から大笑いでした(笑)。

堤幸彦監督(以下:堤監督):前田さんは日本一のツバ吐き女優です(笑)。僕としては、あのシーンを結構前からやりたいと思っていたんですけど、前田さん本人には話していなかったんですよね?

前田:はい。撮影の数時間前に聞きました。「この後のシーンでツバ吐いて!」って言われて、「え!?」って(笑)。やったことがないから、どうしたらいいかわからなかったんですけど、監督のツバ吐きの実演がうまくて、なるほどと思いました。

堤監督:吐くまで喉にためるのが難しいんですよ。「カァーッ!」ってな感じで(実演)。前田さんはとてもお上手でした(笑)。映像のツバはCGで、実際に吐いてもらったわけじゃないんですけどね。

Q:西郷の「オレ、おまえら」などの男言葉は、監督が撮影直前に思い付いたそうですね?

堤監督:せっかく前田さんに出ていただくからには、強烈な存在感を残してほしかったんです。だったらまず言葉遣いかなと思い、セリフを全部男言葉にしてもらって、さらに「ドスコイ!」の一言とか、意味不明なところにまで踏み込んでいただきました(笑)。

前田:最初はかわいらしいヒロインだったんですけど、普通の女の子だと作品の世界に浮いちゃうんじゃないかと思っていたんですよね。監督が「こっちにおいで!」と言ってくださっているみたいでうれしかったです。

堤監督:僕は美女を美女として扱うのが照れくさいんですよ。あれは僕の中のバランスなんです。本当にすみませんでした。

前田:いえいえ(笑)。「これ以上はもうできない!」と思うくらいのところまで振り切った感じで、本当に楽しかったです。堤さんの世界に入らせていただけた気がしました。ただ、「わたしだけを見てください」という作品ではないので、インパクトが残せたらうれしいなと思う限りです。

■関ジャニ∞のメンバーは、努力しなくてもできる!

Q:関ジャニ∞の皆さんも、アクションやそれぞれの見せ場など、かなり努力されていたように感じました。

堤監督:いや、逆です。彼らは努力なんてしていないですよ。努力しなくてもできるんです。あのキャラクターも、もともと彼らが持っているとんがった面に対してアテ書きしたような台本なんです。そもそも、この企画自体がコンサートの幕あいにやっていたコントから発展した作品ですからね。彼らのキャラそのままを映画用にブラッシュアップしているので、作り手としては楽ですね。こちらもお客さんになれるから楽しいんです。

前田:皆さん、本当に器用ですよね。やってきたものがキッチリ身に付いていらっしゃるというか。

堤監督:唯一違うのは、グリーンを演じた大倉(忠義)くんが、最初は引っ込み思案の役だったのに、薩摩弁をしゃべらせたらあまりにも面白くて、まったく空気が読めない薩摩弁キャラになってしまったという(笑)。

前田:前作より何を言っているのかわからなかった(笑)。本当に通訳が必要なくらいわからなかったです。

堤監督:昭和の薩摩弁から明治の薩摩弁になっちゃったからね。あれは予想外のはじけ方でした。

Q:グリーンとの共演シーンが多かった前田さんは、大倉さんからどんな印象を受けましたか?

前田:大倉さんに関しては、主演ドラマをやりつつ、薩摩弁もマスターしつつ、関ジャニ∞としてバラエティーにも出演されて、それが当たり前のようになっているところが本当にスゴイです。ほかの皆さんも、本当はご苦労されていると思うんですけど、とても楽しそうに流れを作ってくださいました。

■予言? 前触れ? ダイオウイカにまつわる仰天の事実!

Q:今回も抱腹絶倒のギャグが満載ですが、ぜひチェックしてほしいネタがあったら教えてください。

堤監督:エイトレンジャーたちがアクションの勢い余って宇宙に行くんですけど、ハリウッドの某『ゼロ・○○○ティ』という作品のような、宇宙飛行士に出演していただいています。

前田:あの一言、面白すぎました(笑)。本当にびっくりしました。

堤監督:宇宙でみんなが「空気ないじゃん!」って言っているのに、一人だけ「オレ平気」ってヤツがいたりして、結構ジャブを打ちまくっています(笑)。あと、撮影中に大雪が降ったことがあったんです。スタッフから「中止しますか?」って言われて、「いいじゃん、白い星の砂のビーチってことにしよう!」って続行したんだけど、出演者は全員水着だったというね(笑)。とにかくいろんなところに気合を入れましたので、何度も観ていただきたいです。

Q:個人的に、「ダイオウイカ」のネタが印象に残りました。

堤監督:あれ、初めは本当にギャグだったんです。八萬市の海岸に「ダイオウイカ捕獲禁止地区」って看板が出ていて、みんながイカ焼きを食べているんだけど、ダイオウイカって深海に住んでいて、あんなところに出るわけがない。いないからこそ面白いと思ってやったのに、実は、撮影後にあの沖合(横須賀)で捕れたんですよ! 後で知ってビックリしました。

前田:深海魚が上がって話題になったのは、あの後なんですよね!

堤監督:そう。だって、ダイオウイカって深海でマッコウクジラと対決する生き物ですからね。それがなぜ横須賀あたりにいるのか不思議です。これは何かの前触れか? 僕たちは何かを予言しているのか? 別の意味で話題作ですね。

前田:監督、うまい(笑)!

■作品に込めたいろんなメッセージを感じてほしい

Q:面白いだけでなく、物事の二面性や思い込みを手放すことの大切さなど、いろんなメッセージが込められているような気がします。

堤監督:広い意味で言うと、「日本の未来ってどうなるんだ?」「子供が少ないとどうなるのか?」というのが、もともとのバックボーンなんですよね。それによって、「仕事や教育が違ったものになるだろう」という面を、ややネガティブな目線で描いたのがこの作品です。パート2に関して言うと、「親子について」が裏テーマとしてありますね。それ以外にもいろんなことを加味しているので、セリフや描写の端々から感じ取ってほしいと思います。

前田:わたしは、エイトレンジャーの皆さんの友情が、実際の関ジャニ∞さんと共通しているような気がして、すごくリアルに感動するシーンがたくさんありました。レッド(渋谷すばる)とほかのメンバーがぶつかり合うところとか、本当の仲間だからこそこうなんだろうなって思います。大声で笑えて一体になれる作品なので、一緒に笑える人と観てほしい。観た後で、「あそこってこうじゃない?」とか話し合えるとすごく楽しいと思います。

スリットから脚がのぞくセクシーなロングドレス姿の前田と、彼女を優しくエスコートする紳士的な堤監督。「監督は、はちゃめちゃです!」と本音を漏らす前田に、堤監督が「僕は至って冷静な大人です」と涼しい顔で答えるなど、終始朗らかで笑顔が絶えなかった二人の様子から、それぞれが心から楽みながら作品に臨んでいたことが伝わってくる。「トリック」「SPEC」シリーズの系譜ともいえるシリアスとギャグとのバランスが絶妙な本作は、大人から子供、そして堤ワールドのファンに至るまで、幅広い層のニーズにマッチしそうだ。

(C) J Storm / 2014エイトレンジャー2映画製作委員会

映画『エイトレンジャー2』は7月26日より全国公開

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