シネマトゥデイ

佐藤健&武井咲
『るろうに剣心 京都大火編』
今後の役者人生であるかどうかわからない、本当にぜいたくな経験
『るろうに剣心 京都大火編』佐藤健&武井咲 単独インタビュー

取材・文:くれい響 写真:高野広美

和月伸宏の人気コミックを基にした前作に続き、「京都編」を2部作で実写映画化したアクション大作の前編『るろうに剣心 京都大火編』。日本制圧をたくらむ強敵・志々雄を倒すべく京都へ向かう、人斬り抜刀斎こと緋村剣心の活躍を描いた本作で、世界でも高い評価を受けた前作に続き、剣心を演じた佐藤健、彼を陰で支えるヒロイン・神谷薫を演じた武井咲。息の合った二人が“前作を超えるための思い”を熱く語った。

■また会えると思っていた

Q:前作のヒットを受けて、続編の製作が決まったことに対する思いは?

佐藤健(以下、佐藤):続編が決まったということは、多くの人たちに前作を評価していただいたということなので、そこはすごくうれしかったです。でも、続編をやるからには前作よりもいいものを作りたいし、作らなければならない意識が強かった。つまり、映像化が難しいといわれる「京都編」を、どのようにしたら成立させられるんだろうということを考えていましたね。前作では個人的にやり残したことがすごくたくさんあって、一つ具体的なことでいうと、アクションとして、屋根の上を走りたかったんですよ(笑)。そして、今回はその念願がかなったので、うれしかったですね。

武井咲(以下、武井):前作を撮り終えた時に「また剣心たちに会えるんじゃないかな?」という期待をしていたので、それが現実になってうれしかったですね。それで、現場であらためて、弥彦や恵、左之助、そして剣心……みんなと再会できた時に、「あ、またこの世界が始まるんだな」という気持ちにもなりました。そして、このスタッフとキャストで、きっとまたすごい映画を作ることができるんだろうな、と楽しみな気持ちになりました。薫の設定が前作より、いろんな面で成長していて、わたし自身もそこからのスタートだったんです。そんな、わたしの知らない薫の空白の時間を埋める作業も楽しかった。撮影の順番としては、歌舞伎を観に行ったり、みんなで穏やかな生活を送っているシーンからだったのですが、ワクワクしましたね。

■テーマは「アクションの限界を超える」

Q:前作では世界が注目したアクションシーンも話題になりましたが、そのレベルを超えたアクションを作り出す上での苦労話を教えてください。

佐藤:今回は前作のレベルが当たり前の状態から始まるわけです。だったら、「次はどこまで上に行けるんだ?」というところを目指して、アクションチームの皆さんと練習をしたので、パワーアップしていることは当然なんです。まずは前作を見返して、自分に足りないものとか、自分が届いていないことをなくす作業から始めました。前作では初めての経験なので、がむしゃらにやるしかなかったんですけど、今回は練習すべきことがすごく明確に見えたんです。今となっては前作のアクションが、恥ずかしくて見られないですよ(笑)。そして、剣心が戦う敵もグレードアップ、バージョンアップしているからこそ、原作コミックでも、アニメでも、もちろん前作でも、観たことのない剣心の姿を自分でも観たいし、お客さんに観せたいと思ったんです。テーマは「アクションの限界を超える」。それが『伝説の最期編』でのクライマックス、志々雄との戦いまで続いていると思います。

武井:わたしは前作と違って、今回は京都大火のシーンで本当に戦うと聞いていたので、アクションの基礎を改めて学ぶというよりは、とにかく殺陣の手順を覚えるという感じでした。そこで何度も同じ動作を繰り返しましたが、その稽古場で練習していたものを現場でやろうと思っても、やっぱり違うんですよね(笑)。だから、その手順を確認するという余裕もなくて、とにかく目の前にやって来る怖い人たちから自分を守るために動くという気持ちでいっぱいでした(笑)。だから、決してうまくはないですし、魅せるアクションではないですが、本能で身を守っているような感じ。わたしの中でも剣心を思いながら戦う、という方が大事だったんです。

■自ら申し出た再会シーンでのせりふ変更

Q:今回の『京都大火編』における、お二人のお好きなシーン。また、原作でも人気の高い京都での剣心と薫の再会シーン、この撮影裏話を教えてください。

佐藤:好きなシーンはたくさんあるんですけど、一つ選ぶとするなら、志々雄が登場してタイトルが出るまでの最初のシーン。あのシーンはすごい迫力で、シビレましたね。まだ剣心は出てこないんですが……(笑)。薫との再会は個人的にもすごくこだわったシーンで、台本では最初、あのセリフ(「半分。もう半分は……ホッとした」)じゃなかったんです。でも、どう考えても、剣心の気持ちになって薫と再会した時の気持ちを追っていった結果、原作と同じセリフになったんです。だから、撮影の数日前に、大友(啓史)監督に「このセリフを言わせてください」とお願いして、監督もそれを受け入れてくださって、大幅に変更したんです。

武井:京都まで追い掛けて、人斬りに戻ってしまったかもしれない剣心の姿を見てしまったことで、薫ちゃんを演じるわたし自身も、とても複雑な気持ちになりました。その後に剣心に話し掛ける「怒っている?」という言葉は、薫ちゃんらしいストレートな言葉ですが、一生懸命考えた言葉でもあるし、あのシーンは二人の心のやり取りを表わした大切なシーンになったと思います。個人的に好きなシーンは、やっぱりみんなで歌舞伎を観に行って、笑っているシーンかな? 唯一みんなが穏やかに過ごしているシーンなので、観ていると幸せな気持ちになれました。

■剣心というキャラクターをやり切った!

Q:『京都大火編』に続いて公開される『伝説の最期編』ではオリジナル色が強くなると聞いています。その事実も含め、3部作として完結する映画『るろうに剣心』はお二人にとって、どのような作品になりましたか?

佐藤:まず、こんな現場はないと思います! 剣心との出会いも含め、これだけ壮大なスケール、恵まれた撮影環境で、本当にぜいたくな経験をさせてもらいました。今後の役者人生でもあるかないか、わからないですから。また、原作と違う展開になることはすごく勇気が要ることですが、原作全てを映像化できないことを考えると、どこかでオリジナル要素を入れることはマストになる。ということで、「京都編」の後になる原作エピソード「人誅編」からもヒントをもらい、その要素も織り込みながら、「映画版・京都編」を作れたこと。原作ファンとしてもうまくいったと思うし、納得できるものができたと。反省点を挙げればキリがないですが、剣心というキャラクターをやり切った感はあります!

武井:この3本の映画で、薫ちゃんとして生きられたこと、過ごせた時間はとても濃いですし、わたしとしても誰にも壊されない宝物になったという意識もあります。そして、大友監督や佐藤さんと一緒の空間にいられたこと、過ごせたことは自分自身の中でも、とても大きなものになっています。わたしが死んでも、『るろうに剣心』は残る。それぐらい大事な作品にもなったと思いますし、だからこそ、たくさんの人に観てもらいたいと今一番強く思います!

大雨にもかかわらず会場に集まった、多くのファンと触れ合ったレッドカーペットイベントの直後ということもあり、興奮冷めやらぬテンションで『るろ剣』への熱い思いを語ってくれた佐藤と武井。前作をはるかに超える壮絶アクションはもちろん、半年に及ぶ撮影期間だからこそ成し得たロードムービーとしてのスケール感。そんな二人が、これまでの日本映画のイメージを大きく覆す、世界に通じる超大作に参加したことに対する自信と満足感に満ちていたのは言うまでもない。佐藤、武井をはじめとする若手中心のキャストやスタッフによるただならぬ原作愛と結束力は、現在編集中の『伝説の最期編』(9月13日公開)にもきっと顕著に現れていることだろう。

映画『るろうに剣心 京都大火編』は8月1日より、映画『るろうに剣心 伝説の最期編』は9月13日より全国公開

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