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哀川翔
『25 NIJYU-GO』
この作品は、Vシネマのいい教科書になる!
『25 NIJYU-GO』哀川翔 単独インタビュー

取材・文:編集部 森田真帆 写真:奥山智明

劇場公開を前提としないビデオ専用レーベルとして一部の映画ファンから熱狂的な支持を集めてきた、東映ビデオ株式会社の「Vシネマ」誕生25周年記念作品『25 NIJYU-GO』。本作には、寺島進、小沢仁志、小沢和義、本宮泰風、大杉漣らVシネマから輩出された俳優たちが集結。そんな男たちを率いて主演を張るのが、「Vシネマの帝王」こと哀川翔。“Vシネ界”で育ち、てっぺんへと上り詰めた哀川が、誰よりも熱いVシネマへの愛を語った。

■次世代のVシネ俳優に求めることは、「暴れる覚悟」!

Q:スターが大集結した超豪華な作品となりましたね。撮影はいかがでしたか?

すごく楽しかったよ。デジタルの時代なのに、アナログでさ。CGとかも使わずに、火薬ブッ飛ばしまくって。いい年をしたオヤジたちが真剣に汗をかくっていいよね。Vシネマが衰退してきたとかいわれているけど、そういう大暴れできる環境がなくなってきているだけだと思うよ。

Q:皆さん、50代とは思えないくらい暴れていましたね。

ペース配分をきっちりするようになるから、若い頃よりもタフだし、持久力もある。でも瞬発力は衰えたなって思ったよ。瞬発力って、物事を考えないで動くときに働くけど、この年になるとそうはいかなくて、足をくじかないように気を付けちゃうからね(笑)。脳みその使い方が年取った。それに昔は打ち上げでよくケンカになったもんだけど、今回はさすがになかった。やっぱり年だね。

Q:これからは次世代のVシネマ俳優も育ってほしいですね。

今回は“半グレ役”でずいぶん若いヤツらも出ているけど、もっと暴れていいと思うんだよ。俺が若い頃に出た作品で、指を詰めるシーンがあってさ。そのときなんて直径4メートルぐらい大暴れして、転げ回って痛がったわけ。スタッフもみんな「うわ。何だコイツ!」ってびっくりしていたよ。でも監督から「半径2メートルまでならいいよ」って言われていたから「よーし」って思ってのたうち回った。最近ってそんなに暴れる若いヤツいないでしょ。みんなやるべきだと思うよ。だって、やれちゃうんだからさ。勝手にフレームアウトしちゃうよう元気なヤツが出てきてほしいね。

■イタズラも!? とにかく楽しかった撮影現場

Q:25年たって、今回の現場ではデビュー作のように追い込まれたことはありましたか?

全然ないよ。だって追い込まれていたら、朝の7時に現場集合なのに4時45分からゴルフやらないでしょ(笑)。元気いっぱいだったよ。みんなで撮影中も昼間からビール飲んでさ。でもそんなの、Vシネの現場じゃ当たり前だからね。

Q:現場では、スタッフにいたずらをしてびっくりさせていましたね。

劇中の小沢仁志との戦いで服が血のりだらけになったんだけど、そんな姿ってなかなかないから一発だましてやろうと思って(笑)。それで血のりのまま、控え室に戻って、ガーンって椅子を蹴っ飛ばして「ざけんじゃねーぞ!」って怒鳴ったの。そしたらみんな固まっちゃって(笑)。温水(洋一)さんなんてソッコーそっぽ向いて、目も合わさないの! もう吹き出しそうになっちゃってさ。かわいそうだからすぐにネタばらししたけどね。「もうびっくりした~!」って、ずっと言っていたよ(笑)。

Q:昔からそういういたずらをしていたんですか?

仕込むのは面倒くさいんだけど、その場でイタズラを考えつくことはあるんだよね。昔、役で入れ墨を描いてもらったことがあって、みんなでカラオケに行って一番盛り上がっているときに、ブワッて脱いでびっくりさせたり(笑)。そういういたずらだけは、本当に天才的なんだよね。

■もしも25億円を手にしたら!?

Q:25億円を、ヤクザに半グレに中国マフィア、警察までが狙うなんてすごい設定ですよね。

良いか悪いかで言ったら、悪いことなんだけどさ。でもみんなお金は欲しいじゃん。しかも25億円なんて、その瞬間に夢はめちゃくちゃ広がるよね。

Q:でも翔さんだったら25億円持っているんじゃないかと思っちゃいます。

持ってねーよ。持っているわけないじゃん! 想像もできないよね。若い頃に1億円を常に家に置いておくっていう夢はあったんだけど、それももうなくなった。だって1億なんてすごく多いし、札1枚とられていないかとか考えだしたら、キリがないじゃん。面倒くせえし(笑)。それに、よく考えたらいつも財布に10万くらいしか入れていないから、そんなにお金って要らない気がするんだよね。

Q:もしも25億円を手に入れたら、翔さんはどうしますか?

どうするんだろう? 今あんまり欲しいものもないし……。取りあえず、家に置いておくか! でもさ、実際に使いだしたらすぐなくなるだろうから、仕事を辞めることはできないんだろうな。たぶん1万円が自分の中で100円くらいになっちゃうだろうからね。紙幣価値がおかしくなるんだよ。

Q:誰かにあげちゃうとか?

いや、あげない! 甘い! あげるわけないじゃん。大義名分がないと金は動かないんだよ。俺は意味がないとあげないの! 誕生日だったらあげるかもね。誕生日は、1年に1回の記念だしね。この現場でも波岡一喜が誕生日で、お金じゃないけどバラエティーショップでエアガン買って一緒にパンパン撃って遊んでいたよ(笑)。小沢に「何撃ってんだよ!」って言われながらね。

■人は善悪ギリギリで生きている

Q:悪徳刑事というご自身の役柄についてはどう感じましたか?

この映画に出てくるヤツらが全員悪いかっていうと、すごく微妙なんだ。人の善悪なんてギリギリなんだよ。人に悪の心がないわけないじゃん。だいたい人間っていうのは、良い部分が51パーセントと悪い部分が49パーセントの僅差でできているんだと思う。これがどこかでずれるから悪いことをしちゃうんだよ。何かの瞬間に傾くんだよね。

Q:翔さんと寺島さんが演じている刑事たちも、ギリギリですもんね。

すげえ微妙だと思う。でも俺が演じた役柄の一番大事なところは、「俺は刑事なんだ」っていう思いがあるところなんだよね。刑事としてのプライドがあるかないかってところは、最終的に大事になってくると思う。

Q:翔さんの中にある、「悪」は何パーセントくらいですか?

俺は90パーセントくらいかな。でもその悪の部分は、だいたい夜に目覚めるから(笑)。最近は、早寝だから大丈夫なんだよ。セーフ!

Q:本作では、90パーセント「悪」の翔さんが大暴れする姿を見られて、ファンの皆さんはうれしいですね!

この作品では、今俺ができることをめいっぱいやったから、Vシネマのいい教科書ができたと思っているね。これを参考に、あとは好きにいろいろな作品を撮ってくださいって思う。「Vシネマはこういうもんだ!」って、Vシネマの存在をはっきりさせたいね。

高崎ロケの現場の気温はなんと40度以上! それでも早朝からゴルフに行き、現場でドンパチのアクションができてしまうのだから、やはり哀川のタフさはハンパじゃない。昼間にはビールを飲んで、「これがVシネマ」と笑う哀川や小沢だからこそ、真の「男」のダーティーさと危険な香りが役柄に醸し出される。「演技は外面を作ることより、内面をキャラクターに作ること」と話した哀川の言葉通り、かっこいい男たちの魅力はタフな生きざまから生まれるのだろう。次世代の話も出たが、哀川には100歳になっても今と変わらず大暴れしてほしい!

(C) 2014 東映ビデオ

映画『25 NIJYU-GO』は11月1日より全国公開

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