シネマトゥデイ

菅田将暉&椎名桔平&羽住英一郎監督
『映画 暗殺教室』
新しい形の熱血先生が生徒たちを救う
『映画 暗殺教室』菅田将暉&椎名桔平&羽住英一郎監督 単独インタビュー

取材・文:イソガイマサト 写真:金井尭子

謎のタコ型超生物「殺せんせー」と、彼の暗殺を託された学年最下位クラス・3年E組の生徒たちの、戦いと交流を描いた人気コミックが『映画 暗殺教室』としてまさかの実写化! 本作で人気キャラの赤羽業を演じ、原作ファンを公言する菅田将暉のほか、防衛省所属の教師・烏間惟臣役を務めた椎名桔平、メガホンを取った映画『海猿』、テレビドラマ「MOZU」シリーズで知られる羽住英一郎監督が撮影秘話や理想の教師像などについて語り合った。

■原作キャラとの向き合い方

Q:菅田さんは業(カルマ)を演じるにあたってどんな準備をされましたか?

菅田将暉(以下、菅田):撮影をした群馬に漫画を全巻持って行きました。原作ファンとして観たいシーンが映画にもあったので、その撮影の時は前日に漫画を読んで逐一照らし合わせながらやっていましたね。

羽住英一郎監督(以下、監督):菅田くん自身に色気とオーラがあるので、全く申し分なかったですね。でも、これは主人公の渚を演じた山田(涼介)くんにもいえることですけど、3年E組のみんなといる時はその存在感をうまく消しているのが見事だと思いました。

Q:椎名さんは戦闘技術のプロでもある烏間先生にどう臨まれましたか?

椎名桔平(以下、椎名):原作をまず読みましたね。それで隣に殺せんせーという超生物がいるわけだから、髪型もちょっと烏間っぽくしてもらって(笑)。烏間ってサイボーグみたいなところがあるじゃない? しかも生徒たちともそんなに絡まないので、「その中でどうやったら人間的なものを出せるかな?」って考えながら演じていました。

監督:桔平さんはその二枚目と三枚目のキャラクターを魅力的に演じ分けることができるんですよね。今回もそこは、こちらの期待通りでした(笑)。

■超生物・殺せんせーとの共演の真相

Q:殺せんせーとの共演はいかがでしたか?

菅田:殺せんせーはイメージ通りで全く違和感がなかったです。

椎名:佐々木一平くんという俳優さんが殺せんせーの中に入りたいと監督に志願されたみたいなんですけど、殺せんせーの中に入って一生懸命演じるんだという彼の“気”が着ぐるみの外に出てくるんですよ。殺せんせーになりきってお芝居をしてくれるから、僕らは助かったよね。

菅田:本当、感謝です。生徒の間で殺せんせーのモノマネがはやったんです。それは殺せんせーが愛されていた証拠だし、みんながなじんでいたからだと思います。

Q:どんなモノマネがはやったんですか?

菅田:「ヌルフフフフ」という先生の笑い方です。僕はアニメのエンディングの笑いをマネしましたけど、涼介もうまかったですよ(笑)。

監督:僕は殺せんせーが実際にそこにいるという雰囲気を出すことが一番大事だと思っていたんです。だから早い段階で、俳優が中に入った先生を撮るやり方に決めて。その方が生徒たちもやりやすいと思ったので、触手と表情だけがCGになるように作っていったんです。

Q:でも、先生がマッハ20の速さで動いたときのリアクションは想像でやるしかないですよね?

菅田:強めの風を当ててもらいました。

監督:コンサートなどで紙吹雪とかを放射する機械を空撃ちして風を当てたんです(笑)。

■鉄塔での決戦の裏ではとんでもないことが!?

Q:椎名さんがイトナ(加藤清史郎)に触手で投げ飛ばされるシーンも衝撃的でした。

椎名:初めての経験でしたね(笑)。

菅田:完成した作品で観たらスゴかったです。

椎名:僕はもっと弾力があって、ふわ~っと飛ぶイメージだったんですけど、一気にピュンって引っ張られたんですよね(笑)。

菅田:「死んだ!」って思いました(笑)。

監督:普通は人力でワイヤーを引っ張るんですけど、桔平さんの場合はラチェットという機械の油圧でバンって飛ばしたんです。

椎名:それで10メートルぐらい上がるんだよね。

菅田:うわ、怖い! 高所恐怖症の僕は無理ですね。

椎名:でも試写で観たら、菅田くんも高い鉄塔の上でイトナと戦っていたよね。あれはもちろんCGなんだけど、そう見えなかった。日本の技術もここまで来たんだと思いましたよ。

Q:菅田さんが殺せんせーに発砲しながら落下していくシーンは実際に高いところで撮影したんですか?

菅田:あれは本当に高いところで。何回もできないなって雰囲気だったんですけど、監督がすぐに本番に行ってくださったので助かりました。でも、めっちゃビビッていましたよ(笑)。

■理想の教師・殺せんせーは実在する!?

Q:ところで、殺せんせーは生徒たちの暗殺のターゲットであるにもかかわらず、愛されています。なぜだと思いますか?

菅田:生徒全員とマッハ20の速さで平等に接してくれるというのは大きいでしょうね(笑)。

椎名:僕らの時代は金八先生が人気があったけど、人気があったのは金八先生が生徒たちの近くにいる先生だったからだと思うんですよ。でも、そういう心と心の触れ合いは普遍的なものだし、殺せんせーみたいな先生がいたら、学校に行くのが楽しいだろうし、勉強も頑張ろうって思える。そういうことを感じさせてくれる魅力がすごくあると思います。

Q:劇中では殺せんせーが女子に変装して女子たちの部屋に潜り込む一幕がありますが、あれもいいですよね。

菅田:あれ、いいシーンですよね。

椎名:あのエッチなところもいいんだよ(笑)。

監督:殺せんせーにはそういうかわいいところがあるし、生徒を絶対に裏切らないじゃないですか。でも、実写で普通の熱血先生みたいなものをやるのはなかなか成立しにくい時代になっているのかもしれない。それこそ、女子の部屋に紛れているなんて、セクハラだって言われちゃいますからね。

菅田:あっ、そっか~。

監督:でも、この映画の殺せんせーならそういったこともスルーできちゃうんですよ。

Q:学生時代、殺せんせーのような尊敬できる先生との出会いはありましたか?

監督:僕らの時代の中学や小学校の先生はそれぞれキャラが立っていたし、体罰をする怖い先生もいましたよね。でも、それはそれで、すごく役割として機能していたと思います。

椎名:国語の先生も理科の先生も体育の先生もよく覚えているけど、みんな厳しかったね。言い方もそうだし、人間性の部分にまで踏み込んできたしね。そういう意味ではちょっとおっかなかった。だけど、守られているというか、頼りになった。だから、先生のことをバカにするなんて考えられなかったね。

菅田:僕が一番好きだった先生は、一緒に怒られてくれる先生でした。小学生のころって悪いことをしたくならなかったですか? ある時、一人のやつが給食の食パンを投げ始めたんですよ。そしたら先生も一緒になって、教室中がパンの投げ合いになったんです。それで先生も含めてクラス全員が校長先生に叱られたんですけど、それがいい思い出ですね。

椎名:「これからやるなよ」ではなく「これからやめような」って感じだったんだな(笑)。

菅田:そうそう、そんな感じだったんです。

原作への愛を言葉の端々ににじませていた菅田将暉と、軽妙なトークで場を和ませた椎名桔平、そんな二人をうれしそうに眺める羽住英一郎監督。息もピッタリの3人の言葉から、『映画 暗殺教室』の魅力がたっぷり伝わってきた。「続編を作ることになったら、卒業の別れに伴う“泣き”の要素を入れたい」(監督)、「業のヌケたところやウイットに富んだトークの返しを演じたい」(菅田)、「僕も少し生徒たちと絡みたいね」(椎名)。そんな彼らの次の展開が早くも観たくなった。

『映画 暗殺教室』は公開中

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