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『レインツリーの国』玉森裕太インタビュー

「信長のシェフ」や「ぴんとこな」といったテレビドラマに主演してきたKis-My-Ft2の玉森裕太が、映画『レインツリーの国』で映画初主演を果たした。演じた役は、「伸さん」こと真っ直ぐな青年、向坂伸行。大好きな小説を通して辿り着いたブログ「レインツリーの国」の管理人の「ひとみ」(西内まりや)と出会い、ときに傷つけ合いながらも思い合う二人を描くラブストーリーだ。玉森が本作について、そして自身の恋愛観について語った。

人見知りなりのコミュニケーションとは

Q:相手役の西内まりやさんが、現場では玉森さんが積極的に話しかけてくれたとおっしゃっていました。

待ち時間もずっと二人でいることが多かったですし、お芝居をするためにも、早く打ち解けたほうがいいかなと。僕のほうが年上だし、人見知りなりに積極的にコミュニケーションを取ろうと思ったんですけど、「ご出身は?」なんていうしょうもない質問をしょっぱなからしてしまいました(苦笑)。

Q:少し打ち解けても、次に会うときにはまた初対面のようになってしまったとか……?

そうなんです。僕、打ち解けるのに時間が掛かるんですよね……。でも、今回は4日目くらいからはしゃべれるようになった気がします。

Q:ご自身が演じた伸を、どんな人物だと捉えて役を演じましたか?

すごく真っ直ぐでピュアな人だと思います。だからときには相手を傷つけてしまうけど、悪気はないんです。自分とは全然違うので、「この人すごくいいなあ」って思いながら演じていました。自分が伸さんみたいになれなくても周りにこういう人がいてくれたらいいなあって。

Q:どこが違いますか?

全体的に違いますね。積極的なところも、包み隠さずちゃんと言葉で伝えるところも。僕はメールのやり取りをしただけで会ったこともない人に「僕は君が好きです」なんて怖くて絶対言えない。それに今の時代、こんなにはっきりと発言できる人って少ないと思います。

Q:でも、今回のテンションの高いお芝居は「玉森さんにはこういう一面もあるのかも」と思えるほど自然でした。

監督と最初に話したとき、「伸さんは明るくて積極的なキャラクターだから」と言われて、いつもの自分よりも常にテンションを上げていなきゃいけないというのは基本としてありました。あと、関西弁をしゃべることで自然と一段階明るくなれた気がします。関西の方って元気で明るいイメージがあったので、関西弁のセリフの力で、自然と明るくなれたかもしれません。

一切妥協せずに挑んだ関西弁のセリフ

Q:関西弁がとても流ちょうでした。

このお話をいただいて、何より緊張したのは関西弁のセリフをしゃべらなきゃいけないことでした。ポピュラーな方言の分、ハードルが高いなって。2週間くらいかけて、毎日3時間くらい、関西弁の先生とマンツーマンで練習しました。現場では常に先生がイヤホンで僕のセリフを聞いて、ほんのちょっとでも違ったら「もう一回!」。そこは徹底して臨みました。だんだんと自分で「あ、違うな」というのはわかるようになってきて、先生も「そうなったらもう大丈夫や!」と言ってくれました(笑)。

Q:とくに難しかった言い回しはありますか?

「なんでやねん!」みたいなザ・関西弁は難しいというか、照れくさかったです。

Q:伸さんを演じてみて感じたことは?

この映画をやったことで、自分の気持ちを言葉にすることって本当に大事だなと思いました。ときには我慢することも大事だと思うんですけど、まず伝えなきゃとは思います。だからこれからは必要以上に伝えたいですね(笑)。

Q:ちなみに、玉森さん個人の好みとして、ひとみとミサコ(森カンナが演じる伸行の同僚。積極的な性格)だとどちらがタイプですか?

どちらもステキな女性ですけど、ひとみさんみたいに自分の殻にこもっている人が、最終的に自分を信じてくれて髪を切るところとかを見ちゃうとひとみさんかなーって思います。自分の思いがちゃんと伝わったことがその人の行動からわかると、うれしいですよね。

伸とひとみは理想のカップル

Q:好きなシーンは?

ひとみさんが絵馬にお願いごとを書くシーンで、下のほうにちょこんと「ミサコさんが伸さんのタイプではありませんように」って控えめに書くところ。口にできないから絵馬に書いているところがかわいいなあってドキッとしました。伸さんがあの文字に気付いていたら、ひとみさんのことをもっと好きになっていたと思います。字がキレイな方もいいですよね。

Q:二人はいろいろな場所でデートをしますが、お気に入りのデートシーンは?

女の子と買い物をしたことがないので、「きっと楽しいんだろうなあ」ってうらやましかったです。映画の撮影中に、個人的な願望を満たしました(笑)。大阪でのデートももちろん初めてだったので楽しかったんですけど、たこ焼きを食べながら言う「これが本場の味やで」「うまいやろ」というコテコテの関西弁が照れくさくて「俺、東京じゃん……」って心の中でツッコミを入れていました(笑)。

Q:伸とひとみの関係をどう思いますか?

理想のカップルですよね。撮影しながら「いいなあ」と思いましたもん。これを観たら、好きな人のことがもっと好きになれると思うし、その人への接し方とか、気持ちの伝え方とか、きっといい方向に変わるんじゃないかなと思います。

自分の仕事に満足できたことがない

Q:エレベーターを降りたところで、ひとみが自分の耳が聞こえにくいことを初めて伸に打ち明けるシーンで、西内さんが何度もやり直したとき、玉森さんが何度も付き合ってくれてありがたかったとおっしゃっていました。

付き合ってあげたなんて感覚はないですし、それが普通っていうか……。別の作品で自分が同じ状況になったことがあって、そのときは共演の大ベテランさんが「大丈夫だよー」と言ってくれてすごく助けられたので、それが正解なんだろうなと思っています。そこで「マジかよ!」みたいになるのは絶対に違うと思うし、実際苦でもなかったし。ドラマや映画を作っていく上では当たり前のことなんじゃないかなって思います。

Q:完成した作品を観て、自分の名前が最初に表示されたときどう感じましたか?

とても光栄なことですけど、プレッシャーも感じます。大画面で出るんだって思うとやっぱ緊張もするし。撮影のときは100パーセントの力を出しきりましたけど、こうして完成したものを観ると、「もっとこうできたかな」とかいろいろな改善ポイントが見つかってしまって、何回でもやり直したいな、もっと時間をかけて撮れたらいいのにって思ってしまいます。

Q:映画だからそう思ったんでしょうか?

いや、常にそう思うかもしれません。満足できたことがないんです。果たしてこれから先、自分の仕事に100パーセント満足することって……ないんじゃないかなと思いますね。

取材後記

普段から映画を観るときは、SFやアクションよりも自然と王道ラブストーリーを選んでいるという玉森は、「この映画は、温かい気持ちになれるので、自分が出ていなかったとしてもすごく好きなタイプの作品です」とうれしそうに語る。映画初主演というプレッシャーを感じながらも、自分とはまったく違う性格のキャラクターを愛し、全力で挑んだ清々しさが言葉と表情から伝わってきた。そして、自分に課すハードルが高い、努力家の一面もチラリ。自他共に求める人見知りの玉森は、伸という役を精一杯演じることで、この物語でひとみが伸と出会って殻を破ったように、彼自身の殻を破ったように見えた。(取材・文:須永貴子)

映画『レインツリーの国』は11月21日全国公開

©2015「レインツリーの国」製作委員会

映画『レインツリーの国』オフィシャルサイトはこちら>

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