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竹内結子&橋本愛
『残穢【ざんえ】−住んではいけない部屋−』
原因不明の音がもたらす見えない恐怖
『残穢【ざんえ】−住んではいけない部屋−』竹内結子&橋本愛 単独インタビュー

取材・文:斉藤博昭 写真:高野広美

その部屋では、原因不明の「音」がする……。マンションの一室で起こる奇妙な現象から、衝撃の過去が明らかになる『残穢【ざんえ】−住んではいけない部屋−』で初共演を果たした、竹内結子と橋本愛。監督は『予告犯』などの中村義洋で、竹内とは5本目の作品。橋本も中村監督のファンで出演を心待ちにしていたという。怪談雑誌に連載を始めた小説家と、彼女に「音」の現象を報告する女子大生役で、二人はミステリーホラーというジャンルにどう挑んだのか。本作への思いを語り合った。

■完成作には思わず目をつぶった!?

Q:まず完成作を観た感想から聞かせてください。竹内さんは、一回目はラストまで観られなかったそうですが……。

竹内結子(以下、竹内):最後の方はずっと目をつぶって、音だけ聞いていました(笑)。

橋本愛(以下、橋本):私は最後までしっかり見届けましたよ。もともとホラー映画は大丈夫なので。

竹内:強いよね(笑)。私は自分のお芝居部分をチェックするのが精一杯で……。

Q:出演の決め手は何だったのですか?

竹内:中村(義洋)監督作品が好きだからですね。呼んでもらえるならぜひ、という感じです。監督の現場は楽しいんですよ。

橋本:私も中村監督の作品が好きだったんです。『アヒルと鴨のコインロッカー』の空気感は心地よかったですね。

竹内:私も同じ! 『アヒルと鴨』で「この監督が好き」と感じました。最初の方の何気ないセリフが後半に効いてきて、やられたーって。

橋本:今回、監督が10年くらい前に撮ったホラーを観たのですが、ずいぶんヒネった作風でした。そう考えると、『残穢~』は直球のホラーを狙って演出されたみたいですね。

■橋本の印象は「静かな湖」

Q:竹内さんは中村監督の作品は5本目です。「現場は楽しい」とは、どんな部分が?

竹内:監督とは、おやつの好みが合うんです(笑)。けっこう現場で食べ物の話ばかりしてるかも……。二人とも、あるお菓子が好きで。その食べ方なんかを主張し合ってますね。でも監督は「本当は僕のことなんか興味ないんでしょ?」なんて自虐的におっしゃってますけど。

橋本:本当に、お二人は仲がいいですよね。監督がモニターをチェックしている横で、主演女優の方が楽しそうに話してるのは、私にも新鮮な光景でした。

竹内:たぶん、そこでも食べ物の話をしていたと思います(笑)。

Q:お二人は初共演ですよね。会う前の印象は?

竹内:愛ちゃんは、「青い空気をまとったミステリアス美女」という印象でした。実際に会うと、おもしろいことを考えていそうで、興味がわきましたね。

橋本:私も自分のまわりの空気が青いと思ってました(笑)。青い服が似合うと言われるんですよ。私自身も青い服が好きだし。

竹内:「静かな湖」みたいなイメージかな。

橋本:その表現、いいですね!

Q:橋本さんにとって、竹内さんのイメージは?

橋本:どんな役も自然に演じているし、大人の女性として、バランスをもっている人だと感じていました。衣装合わせで初めてお会いしたとき、好きな食べ物を聞かれたんで、妙にリラックスできましたね。

竹内:そうだっけ? その直前に、監督とまた食べ物の話をしてたのかな……。中村監督以外の現場で会ったら、違った第一印象だったかもね(笑)。

■私生活での怪奇現象はゼロ

Q:それぞれどのように役にアプローチしたのですか?

竹内:小説家で、心霊現象を信じていないという役なので、なるべく「怖いな」という気持ちをもたず、相手の体験談を冷静に聞く演技を心がけました。

橋本:私の演じる久保さんは、ちょっと変わったタイプ。部屋で音を聞いたら、ふつうは逃げ出すけど、彼女は好きな作家さんに手紙を送るんです。「身近で起きてラッキー」くらいの極端な好奇心を、映画の後半まで持続する感じでした。

Q:お二人は実際に怪奇現象を体験したことは?

竹内:私は霊感ゼロですね。金縛りらしき経験をしたときも、「これは頭が混乱してるだけ!」と自分を納得させて、眠りました(笑)。

橋本:私は金縛りも経験ないです。ホテルでコツコツ音を聞いたときは、「ついに来たか」と思ったんですが、ドアのノックでした。

竹内:それって、誰かがついてきた? そっちの方が怖い(笑)!

橋本:こういう現象は、半分信じて、半分信じてないかも。科学的に証明されたとしても、怖くてビビるのは一緒ですよね。

■次回作では、年の離れた恋を経験したい?

Q:ホラー映画の思い出を教えてください。

竹内:18歳の頃、『リング』で、押し入れで死んでる女子高生を演じたのですが、完成作を観て、「こんな恐ろしい映像になってたとは!」とトラウマになりました。あれ以来、暗い部屋にテレビが置いてあるだけで、もうダメです。

橋本:私にとって強烈だったのは、池田敏春監督の『死霊の罠』ですかね。怖さというより、映像の仕掛けがおもしろかったんです。残酷なシーンで顔の合成を使っていたり、カメラを人物から遠めにおいて撮って、広い画にしていたり。この作品で、撮影の手法に興味がわきました。

竹内:あっ、それなら私も大丈夫かも。『13日の金曜日』や『エルム街の悪夢』は平気ですから。ゾンビとかグロテスクな描写は平気なんだよね。

橋本:じゃあ今度、ぜひ観てください(笑)。

竹内:『残穢』が怖いのは、家に帰って同じことが起きたら……と感じるからなんでしょうね。日常と地続きの感覚なんです。

橋本:見えないところが怖いですよね。前半は実体がよくわからず、観ている側もじらされる。時代の行き来もスムーズだし、改めて中村監督の手腕に感動しました。

Q:次回は、どんな役で共演してみたいですか?

竹内:今度は女同士でケンカするとか、極端な設定も楽しそうじゃない?

橋本:私は(竹内の頭上に目線を動かして)竹内さんのお父さんと……。

竹内:ちょっとどこ見てるの!? 私の父はまだ生きてますよ!

橋本:ごめんなさい、『残穢』の取材なので、つい……(笑)。お父さんと私が付き合う話とか、複雑な関係でおもしろくないですか?

竹内:その発想はスゴいね。でも愛ちゃんみたいなかわいい女の子と付き合えるなら、「父さん、でかした!」と褒めちゃいますよ(笑)。

中村義洋監督の作品は5回目と初体験。そしてホラーというジャンルに関しても「苦手」「問題なし」と、さまざまな点で真逆の、竹内結子と橋本愛。『残穢』で演じる役も、怪奇現象への対応はそれぞれ異なる。しかしインタビュー中は、ずっと前から仲のいい“親友女子”という雰囲気で、おたがいのコメントにもツッコミを入れながら、会話を楽しんでいた二人。竹内が語る「中村監督の現場は楽しい」事実が、このリラックスした関係を作ったのだろうか。作品で見せる表情と素顔のギャップに、彼女たちの演技力を改めて実感した。

【竹内結子】ヘアメイク:宇都宮いく子/スタイリスト:KERA MIKI
【橋本愛】ヘアメイク:晋一朗(cuzco)/スタイリスト:森上摂子(白山春久事務所)

映画『残穢【ざんえ】−住んではいけない部屋−』は1月30日より全国公開

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