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ブリー・ラーソン&ジェイコブ・トレンブレイ
『ルーム』
アカデミー賞も来日も冒険みたい!
『ルーム』ブリー・ラーソン&ジェイコブ・トレンブレイ 単独インタビュー

取材・文:編集部・市川遥 写真:金井尭子

7年間“部屋”に監禁され続けたジョイとそこで生まれた幼い息子ジャックの姿を描いたエマ・ドナヒューの小説を、『FRANK −フランク−』のレニー・アブラハムソン監督が映画化。“部屋”しか知らず、そこを全世界だと思い込ませて育ててきた息子に外の世界を見せるために奮闘し、決死の思いで脱出するも、社会に適合できずにもがくジョイを演じたブリー・ラーソンは、第88回アカデミー賞主演女優賞に輝いた。26歳のブリーと9歳の天才子役ジェイコブ・トレンブレイという母子にふんした若き二人が来日し、撮影の裏話を語った。

■“部屋”の小道具は二人の手作り

Q:撮影の前に一緒に時間を過ごしたそうですね?

ブリー・ラーソン(以下、ブリー):わたしたちには撮影前に1か月あった。大体3週間ね。それで彼のホテルの部屋に行って、レゴをして、好きな忍者タートルズについて話して……というようなことをして一緒に過ごした。その後プロダクションオフィスに行って、プロダクションデザイナーがわたしたちのために集めてくれたガラクタでおもちゃを作ったの。

ジェイコブ・トレンブレイ(以下、ジェイコブ):僕たちは何でも作ったんだ! トイレットペーパーの芯からバズーカを作ったり。

ブリー:そうね!

ジェイコブ:キヒヒ!(笑)

ブリー:そしてわたしたちが作ったおもちゃや描いた絵を“部屋”に持っていって、壁に飾ったりした。アドリブでのリハーサルみたいなものよ。

ジェイコブ:そうなんだ。あそこにある物は本当に僕たちの物なんだ。だから本当に“部屋”に居るように感じた。そうでしょ?

ブリー:そうね!

Q:そんな“部屋”での撮影はどんな感じだったんですか? すごく狭いですよね。

ジェイコブ:暑かった。暑かったよね、覚えてる?

ブリー:ええ、暑かった。なぜなら、2人が暮らすのにも小さいところにたくさんの人たちが居たわけだから。例えばカメラの人たちが6人居たり。

ジェイコブ:それに大きなマシンもあった!

ブリー:そうね。カメラもあって、本当に混みあっていた。だからレニー(・アブラハムソン監督)はバスタブに横たわって隠れていたわ。

ジェイコブ:6人よりもっと居たよ。100人以上居た。

ブリー:たくさんの人が居たわね(笑)。だからこっちのサイドで撮影するときはみんな反対側に移動したり、といったことを考慮に入れなくちゃいけなくて、出たり入ったりするのが本当に大変だった。

ジェイコブ:あと壁に穴もあったよね。そこにカメラを入れられたから、少し楽になった。

ブリー:部屋や屋根や床に隠し戸みたいなのがあって、そこにカメラをセットして撮影したりもした。だから“部屋”は少し余計にあったの。

ジェイコブ:カモフラージュされていたけどね。

ブリー:カモフラージュ・カメラね(笑)。

ジェイコブ:カモフラージュ・カメラ!

■初めて空を見たら叫んじゃうはず!

Q:ずっと“部屋”に閉じ込められてきたジャックが外に出て、遮る物がなくなって初めて空を見るシーンが好きです。撮影のときはどんなことを考えていたんですか?

ジェイコブ:本当ならただじっと見るだけじゃなくて、叫ぶんじゃないかなと思うんだ。

ブリー:ウソ!

ジェイコブ:僕が思ったのは、初めて何かを見たときって、プレゼントを開けたときのような気持ちだってこと。そこにXboxが入っていたような!(笑)

ブリー:それでうれしくてびっくりするのね。

ジェイコブ:それでうれしくてびっくりする。だから空を見上げている以外は、それと同じだと思うんだ。

Q:では、一番難しかったシーンは?

ジェイコブ:“部屋”から脱出する長いプロセスかな。一番長いプロセスだったよ。トラックに乗せられて、ラグに巻かれて、僕の足は冷たくなった。あまりセリフがなかったのはよかったけど、手順を覚えなくちゃいけなかったんだ。

ブリー:振り付けみたいにね。

ジェイコブ:「巻かれて」「トラック」「トラックから降りて」「走って」「人が居て」……みたいに(笑)。基本的には映画でやっていることと同じで、同じように覚えなくちゃいけなかった。でもリハーサルをやって、何回も何回も同じことを繰り返さなくちゃいけなかったのが違うところ。だから多分これが一番難しかったプロセスだと思う。カメラマンにとっても一番大変だったと思うよ。雪をどっかにやらなくちゃいけなかったし、みんな凍えていて、トンボも死んでいた。僕たち、凍ったトンボを見つけたんだよ!(笑)

ブリー:わたしが難しかったのは、彼(ジェイコブ)がトラックに乗る直前のシーン。本当の世界について彼に説明しようとするところで、わたしたちはアンライイング(unlying:嘘をつかずに真実を言うこと)と呼んでいた。一度にたくさんのことを演じないといけないから大変だったの。必死に彼が理解する必要があることを説明しようとする一方で、彼女が実際はどのくらいイライラしているのかを彼に見せるわけにはいかないし、でも観客には彼女のフラストレーションの度合いをわかってもらわないといけない。

ジェイコブ:イヒヒ(笑)。

ブリー:だからこうした相反するものを演じなくてはいけなくて、そうしたバランスを見つけるのには時間がかかったわ。

■ブリーのオスカー受賞が『ルーム』を救った!

Q:アカデミー賞のことを話していただけますか? ブリーさん、主演女優賞おめでとうございます!

ジェイコブ:パチパチパチパチ(拍手)

ブリー:ありがとう!(笑)

Q:オスカー受賞によって何か変化はありましたか?

ブリー:まだわからないの。授賞式に行って、受賞して、その夜はたくさん取材を受けた。その後、『コング:スカル・アイランド(原題) / Kong: Skull Island』の撮影を終えるためにベトナムに飛んだの。すごい田舎に行ったから何もなかったわ。ただ田んぼだけ。だから日本に到着するまでは、誰からもどんな接触もなかったの。だからわからない! 受賞を実感しているのはようやく“今”だって感じているわ。

Q:ジェイコブ君もプレゼンターを務めたアカデミー賞のステージではとてもかっこよかったです。

ジェイコブ:アリガトウ(スーツの襟を正しながら日本語で)。授賞式は楽しかった。彼女が受賞してすごく興奮したよ。『ルーム』は作品賞は受賞できなかったけど、彼女が『ルーム』を救ってくれたんだ(笑)。

ブリー:フフ(笑)。

ジェイコブ:僕は彼女が受賞したことをとても誇りに思う。僕にとっても、たぶんオスカーにとっても、ハイライトの一つだったと思う。みんなにとってもね。

ブリー:アハハ(笑)。

ジェイコブ:『ルーム』に出演して僕の人生はすごく変わったよ。たくさん! 僕は最初に『スマーフ2 アイドル救出大作戦!』(2013)に出て、2番目の映画をやったけどそれはまだお披露目されてない。ジャンプ、ポップ! って感じ。全然予想していなかったけど、(観客賞を受賞した)トロント国際映画祭で僕たちは気付いたんだ。すごくうまくやったって。それからはQ&AをやってQ&Aをやって、インタビューをやってインタビューをやって、授賞式に出て授賞式に出た! オスカーに行って、ゴールデングローブ賞に行って、日本に行って! 何だか冒険みたいだよ。

大人びた発言をしたかと思えば無邪気なジェイコブにブリーが爆笑したり、一緒に言葉遊びをしたり、ジェイコブの回答にブリーが助け舟を出したりと本当の母子、姉弟のような関係の二人。写真撮影でぎゅっと抱き合って楽しげにひそひそ話をする姿からは、二人が劇中で見せた絆は実世界で築かれた本物であることがうかがえた。だからこそ、本作での二人の演技はどうしようもなく人の胸を打つのだろう。

映画『ルーム』は4月8日よりTOHOシネマズ新宿、TOHOシネマズシャンテほか全国順次公開

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