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東出昌大&窪田正孝&小松菜奈
『ヒーローマニア−生活−』
全力でバカバカしい!これでいい
『ヒーローマニア−生活−』東出昌大&窪田正孝&小松菜奈 単独インタビュー

取材・文:浅見祥子 写真:杉映貴子

福満しげゆきの漫画を『森山中教習所』の公開も控えた豊島圭介監督が映画化した『ヒーローマニア−生活−』。ヘタレフリーター、ニートの下着泥棒、情報収集に長けた女子高生、とある裏の顔を持つ定年間際の会社員。年齢も性別もバラバラの4人が“吊るし魔”と呼ばれる自警団を結成するというひねりのきいたヒーロー映画だ。主演の東出昌大と、窪田正孝、小松菜奈がそれぞれに濃いキャラクターといかに向き合ったのかを明かした。

■“家族感”は自然と生まれた

Q:撮影はいかがでしたか?

東出昌大(以下、東出):豊島監督(メガホンを取った豊島圭介)のもとで笑いの絶えない、でも緊張感のあるところはちゃんとある撮影現場でした。基本的には作品のトーンと同じ朗らかな雰囲気でした。

窪田正孝(以下、窪田):僕は初めてワイヤーアクションをやりまして。ハーネスと呼ばれるロープで吊るためのベルトをつけるのですが、これがキツくてキツくて。血が止まるんじゃないか? というくらいで、ご飯が食べられませんでした……いや食べましたけど(笑)。ぎゅうぎゅうに絞められて食べものが入らないような感覚。吊られるとさらにハーネスが体に食い込むので本当に痛いんです。でも豊島監督が誰よりも笑顔だったので、それに救われました(笑)。小松さんは、ずっとヨーヨーやってたよね?

小松菜奈:(以下、小松):劇中で(小松演じる)カオリがヨーヨーをするのですが、全然できなかったんです。

窪田:でも本番ではバシっと決めていたよね。僕はみんなと一緒に過ごす時間が多くてうれしかったです。みんなでご飯にも行けたし。

Q:片岡鶴太郎さんを含む4人は、劇中でも家族のようでした

東出:“家族感”がリアルに出ていましたよね。鶴太郎さんもお優しい方で。年端もいかない僕らに自分から話しかけてくださり、いい父でした……って故人をしのんでるみたいになっちゃいましたけど。

Q:東出さんって、少しトボけてますか?

東出:いやこの二人もトボけてますよ!

窪田&小松:いやいや(笑)。

■共演者としてのお互い

Q:それぞれ共演した印象は?

東出:窪田君は現場では寡黙な方なんです。それが変態の役を演じるにあたり、パンツの匂いを嗅いだりということもしていて、職人だと思いました(笑)。さらにアクションを見て、まさに体を張っているなと。もちろん泣き言は決して言わないし、男らしい方だと思いました。小松さんは若いのにすっかり女優さんで、いくつもの顔を持っているなと。原作のカオリも妖艶なところがありますが、できた映画を観て、小松さんがステーキを食べるシーンなんて艶っぽくて。

Q:窪田さんはお二人にどんな印象を?

窪田:東出さんは役に徹してらっしゃって、引っ張ってくれるんです。芝居でのその姿勢が現場の雰囲気にも反映されて、僕らはそれに乗っかっていくという作業だった気がします。役柄としても土志田(窪田)は中津(東出)に導かれて人として“開いていく”ので、演じていても居心地がよかったです。まさに座長です。小松さんは頭がいいなあと思ったのですが、ときどき……目が笑ってないんですよね。

小松:もともとそういう目なんです!

窪田:いつもなにかを考えているのか、なにか……企んでるような!?

小松:企んでないですよ!(笑)。

Q:小松さんがお二人と共演した感想は?

小松:東出さんはマジメな方だなと。中津はヘタレな役でしたが、走ること一つとっても本当にドンくさそうで、ああ中津ってこんな感じだなと思わせるんです。看板に頭をぶつけるところなんて……あれ当たってないのですか?

東出:本当にぶつかってます(笑)。美術部さんがしっかり養生してくださってますけど。

窪田:でも本番では東出さん、「養生なんていらない!」って。

東出:そんなにムキになってないよ(笑)。

窪田:がん! と頭をぶつけても「映像に映ったときに養生しているのがわかってしまうので本番ではしなくていいです」って男らしいですよね。テストから本気でぶつかっていて、カッコいいな~って。

東出:ただ看板に頭をぶつけるだけなのに、ものすごく一生懸命になっていたみたいでちょっと恥ずかしいです(笑)。

Q:窪田さんはいかがでしたか?

小松:現場では最初、あまりお話できなかったんです。印象に残ったのは……やっぱり私が全然ヨーヨーができなくてずっと練習していて(笑)。「貸して」とやって見せてくれたらとってもうまかったんです。やっぱりスゴイなって。

東出:そこ!? もっと他にないの!?

小松:違う違う違う、これから言います! ずっと練習してもへたくそのままなのに「めっちゃうまくなったね」とほめてくれるんですよ。そういう、優しさ?

東出&窪田:……。

小松:あれ!?

窪田:いいよいいよ、大丈夫大丈夫。最高のほめ言葉です(笑)。

■飽きずに観られて、全力でバカバカしい

Q:中津らは“吊るし魔”として街のクズ共に制裁を加えます。最近なにか憤りを感じたことはありますか?

東出:僕はニュースを見ていても憤りを感じることは多いです。例えば幼児虐待の事件があれば、なぜそんなことをするんだ? と思いますよね。どなたの日常にも、なぜそんなことを!? と憤ることはいろいろとあるはず。そんなときにこの映画を観ていただくと、すっきりと気持ちよく帰っていただけると思います。

Q:妄想で罰を下したりは?

東出:ああ……それは言えないですね(笑)。でも電車で席を譲らない若者などを見るといろいろと思うところはあります。この映画でも最後に中津は、そうした人たちに直接注意できるようになるんです。人に厳しくなり、同時に優しくもなる。だから見終えたあとでいい気持ちになれるんじゃないかと。この映画の魅力はそういうところだと思います。

小松:最近憤ったこと。なんだろう……。

Q:では映画を観た感想は?

小松:新しいヒーローものだと思いました。普通ヒーローものというと、一人一人が特殊な能力を持っていてカッコいい! という感じですよね。でもこれはガムテープやトンカチと、どこにでもあるものを武器にたたかって、いい意味でくだらないんだけど、そこにこのメンバーでなければ出せなかったチームワークがよく出ていると思うんです。一人一人の役が濃く、演じている方たちのこれまでに見たことのない一面が見られ、私自身が観ていて引き込まれました。衣装やセリフにもこだわったので、本当に飽きない作品になっています。

窪田:最近憤りを感じたのは……先日お店で焼き肉を食べていて「網を換えてください」と頼んだのに、一向に換えてくれなかったことです! いやもう許せなかったんですよね。しかもタン塩とホルモンを頼んだら、ホルモンが先に来るんです。焼いたら網が脂でギトギトになるじゃないですか。先にタン塩じゃない? と思って。僕はミノが好きなのですが、塩かタレかも聞かずにタレで持ってくるし(笑)。

Q:ほかに憤ったことはないですか!?

東出:いいんじゃないですか、これで。この映画も全力でバカバカしいので(笑)。

“吊るし魔”などと物騒な名前で呼ばれるも、それを演じる東出、窪田、小松、そして片岡の4人はまるで家族のようで楽しそうに見えた。そのうちの3人が久々に顔を合わせても、その空気は自然と再現されるものらしい。こちらが恐縮するほど丁寧な言葉で誠実に答えるもののときどきチラッとおとぼけな東出、そんな“兄貴”の隣で安心して弟のようにお茶目な面をのぞかせる窪田、ツンとした空気は皆無でどこかフワッとそこにいる紅一点の小松。互いの言葉にツッコんだりツッコまれたり、こうした役者同士の仲のよさが映像にも映りこむのだろう。

【東出昌大】ヘアメイク:勇見勝彦(THYMON Inc.)/スタイリスト:檜垣健太郎(little friends)
【窪田正孝】ヘアメイク:糟谷美紀/スタイリスト:大石裕介(DerGLANZ)
【小松菜奈】ヘアメイク:吉田佳奈子(mod's hair)/スタイリスト:飯田珠緒

映画『ヒーローマニア−生活−』は5月7日公開

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