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土屋太鳳&竹内涼真&葉山奨之
『青空エール』
悩んでいた土屋を変えた母の教え
『青空エール』土屋太鳳&竹内涼真&葉山奨之 単独インタビュー

取材・文:浅見祥子 写真:高野広美

「高校デビュー」「俺物語!!」の河原和音による少女漫画を『僕等がいた』『アオハライド』を生んだ青春映画の名匠、三木孝浩監督が映画化した『青空エール』。『orange−オレンジ−』の土屋太鳳、『仮面ライダードライブ』シリーズの竹内涼真、NHKの連続テレビ小説「まれ」で土屋と姉弟を演じた葉山奨之が共演した。彼らが演じるのは、初心者だが名門吹奏楽部に入部した小野つばさ、甲子園を目指す野球部員の山田大介、二人の同級生でクールにひたむきにトランペットに取り組む水島亜希。彼らはこの作品にいかに臨んだのか?

■これは“青春映画の4番バッター”!?

Q:この映画の世界観をどう思いましたか?

土屋太鳳(以下、土屋):熱い映画になったと思います。原作自体が“青春モノの4番バッター”のような王道の作品ですが、映画もそうなってよかったです。自分のお芝居は恥ずかしくなってしまうので、パンフレットで隠しながら観ました(笑)。

竹内涼真(以下、竹内):やはり熱い映画になったという思いが最初に来ます。つばさと水島は「吹奏楽の甲子園」と呼ばれる普門館、大介は野球で甲子園と、目指すものはそれぞれ。でもクライマックスの野球の試合のシーンでは両者が同じ場所にいて、みんなのテンションが共に高まっているのが見えるようでした。少女漫画と聞くと恋愛モノかなと思いがちですが、『青空エール』の場合はまず部活。部活をやって友情を結び、苦難を乗り越えた上で恋愛があって、だからこそ、そこに生まれた絆が際立つんです。

葉山奨之(以下、葉山):少女漫画にほとんど触れたことがなかったので、最初はちょっと抵抗があったんです。それで「青空エール」を読むと、ただの恋愛モノじゃない! と(笑)。面白くて感動して、どんどん先が読みたくなりましたし、スポーツや音楽を一生懸命にやる人たちが描かれ、こんな物語をやってみたいという気持ちにもなりました。僕自身は吹奏楽やスポーツに興味のない人間だったので、みんなで一つのことに一生懸命になるってカッコいいなと思いました。

■共演者の間にも生まれた確かな絆

Q:土屋さんと葉山さんは「まれ」に続く共演ですよね?

葉山:そうなんです。だから最初は、太鳳ちゃんか! と思って。

土屋:驚きました。「まれ」ではずっと弟として接していたので。今回は高校1年生から3年生までの話ですけど、2年生の時期は描かれないんです。その間にも育っていたはずのつばさと水島の信頼関係をどう表現するか、難しかったですけど、「まれ」での信頼関係があったからよかったなって思いました。

葉山:太鳳ちゃんがどういう人が知っているし、僕がどういう人間かも太鳳ちゃんはわかっていると思うので。つばさが太鳳ちゃんだったのは僕の中でも大きかったです。

Q:撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?

葉山:男はほんとにみんなでず~っと一緒にいて、毎晩ご飯を食べに行ってたよね。

竹内:そこではまず反省会をして、だんだん褒め合いが始まるんですよ。

葉山:涼真のここがよくなかった、奨之ここがよくなかったってダメ出しをして。そのうち、でも涼真のあの目線がよかった! とか言い出して。

竹内:最終的に気持ち良くなって帰るんです(笑)。

葉山:明日もがんばろうぜ! と励まし合って絆が生まれました。

■竹内&葉山は“ネガティブズ”!?

Q:つばさと水島を演じるにあたり、トランペットの猛練習をしたそうですが?

葉山:最初は大変なプレッシャーでした。トランペットなんて触ったこともないし、楽譜も読めなくて。このまま葉山に水島を任せられるのか? という話が持ち上がったくらいです。それから毎日練習しました。僕自身かなり負けず嫌いでもあるので。

土屋:でも私よりずっと高い音が出せるんです。くちびるの形がトランペットに合っていたみたいで。

葉山:撮影中にできるんじゃないかなと思って太鳳ちゃんと挑戦していて。ふ~ふ~とやっていたら……出た! 出た! って。

土屋:先生もビックリしていました(笑)。でも水島いいよね~。最初はあまり笑わないけど、つばさがトランペットを吹けるようになったときにちょっと見せる笑顔とか。

竹内:奨之君自身、繊細だよね。

葉山:恥ずかしいからそう思われたくなくて、そうじゃないですよ! みたいなことをしちゃうんだけど。

竹内:その繊細さが水島に生かされていた気がします。彼なりに不安を乗り越えたことが映画の中で最後に見せる笑顔にリンクしたようで、そこに僕は感動しました。

土屋:つらい時期があってもそれを乗り越え、表現に生かせる天性の俳優さんだと思います。

Q:竹内さん自身はあまり悩まないタイプですか?

竹内:悩むことはありますけど“落ちる”ことはあまりないです。もとはわりとネガティブなので、意識していないと落ちてしまうんですけど。

葉山:ほんと僕ら似てるよね。僕もネガティブだから。

竹内:(笑)。振り返ると、高校3年間は挫折の連続でした。3年生のときに所属していたサッカーのクラブチームが日本一になったのですが、僕自身は試合に出られなくて。サッカーを嫌いになりかけた時期もあったけど、そこで発想を逆転させればいいんだ、と無理やりポジティブにしたんです。自分で悩んでいると思ったらそれは“悩みごと”になるから、それを“考えごと”だと捉える。ただ落ち込むのと、次どうしよう? と考えるのでは全然違いますよね。微妙なニュアンスですけど。

土屋:竹内君とご一緒して、自分が何か違うなと思ったら答えにたどり着くまでとことん考える人だと思いました。

竹内:考え過ぎているときはうまくいかなくて、そこも難しいんですけど。客観的に見てコントロールできているときはポジティブでも、どうしても落ちそうになることもあって。そういうとき周りに太鳳ちゃんのように明るく前向きな人がいたり、奨之君みたいに性格的に似た人と励まし合ったりできると助けられますよね。

葉山:太鳳ちゃんは絶対に強いよね。

土屋:でも私も悩むタイプで……。

葉山:それもわかる。「まれ」でもあれほどハードなスケジュールをこなして、さらに他の作品もやって。太鳳ちゃんはその一つ一つに100%の力で取り組める女優さんだなって思いました。太鳳ちゃんと一緒にいると安心感があるんです。

土屋:現場に入り、その場の気持ちで演じます! というのも素敵ですよね。でも、私の場合はその役柄の過去に何があったのか、考えて積み上げていく作業をしないと何もできないんです。そんなふうに悩んでいると、母が「人生に悩みがなかったら、これほどたくさんの映画や小説は生まれないでしょ。悩みがある分、表現が増えるんじゃない?」と。それからは多少苦しくても、表現する立場にいるならいろいろな苦しさを味わった方が得なんだ! と感じています。それを表現することを通して、何か人に伝えられればいいなと思っているんです。

■観る人の世代を問わない熱い映画

Q:完成した映画を観た感想は?

竹内:部活だったり、自分が目標にしているものに向かって、ここまでまっすぐに向かっていく映画ってなかなかないと思います。部活を熱心にやったとか、勉強に集中したとか、大好きな人がいたとか、高校時代は誰もが通った道でこれはその“青春”の部分を切り抜いたような映画になっています。現在高校生の方はもちろんですが、かつて高校生だったすべての方に、そうした時代を思い出させてくれるはずです。

葉山:熱い人間が集まって、熱量のこもった映画ができました。僕自身この映画を観て、部活をやっておけばよかったと思いました。そんなふうに感じていただける方がたくさんいたらうれしいです。

土屋:つばさちゃんは甲子園を目指してキラキラしている大介君と出会ってがんばろうと思い、水島君と出会って、あんなふうにトランペットを吹けるようになりたいと思います。そうして成長していくのですが、この映画では大介君も水島君も、みんなの心が成長する物語が描かれます。そんなふうに心が成長することが青春なのかなって。竹内君が言うようにいろいろな世代の方が観て、それぞれの“青春”を送っていただきたいです。

写真撮影中から、三人の仲の良さは周囲を明るくした。どこか無邪気な葉山の言葉に土屋は、うんうんと微笑みながらうなずいている。そんな彼らとは身長だけでなく、精神的にも頭ひとつ年上に見える竹内。二人から距離を置くでもなく、楽しそうに話しているときは静かに見守り、「性格が似ている」という葉山とはどきどき息の合ったやりとりを見せる。この映画で野球とトランペットというそれぞれの課題に本気で取り組んだことが、部活仲間のような絆を生み、映画の瞬間瞬間を熱く輝かせたのかもしれない。

映画『青空エール』は8月20日より全国公開

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