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佐々木蔵之介&深田恭子
『超高速!参勤交代 リターンズ』
走りきった!もう走れんぞ!
『超高速!参勤交代 リターンズ』佐々木蔵之介&深田恭子 単独インタビュー

取材・文:浅見祥子 写真:高野広美

通常の半分以下の日数での参勤を突然命じられた弱小藩の藩士が、奇想天外なあの手この手で江戸を目指す時代劇『超高速!参勤交代』。江戸へ参ったのだから今度は帰らなくちゃ! と続編『超高速!参勤交代 リターンズ』が早くも完成した。前作に続いて湯長谷藩の藩主・内藤政醇(まさあつ)を演じた佐々木蔵之介と、前作の道中で政醇と恋に落ちて結ばれたお咲を演じた深田恭子が再会。てんこ盛りな内容となった撮影を振り返った。

■まさかだった続編!誕生の経緯

Q:前作の撮影中から続編の話は出ていたのでしょうか?

佐々木蔵之介(以下、佐々木):まっっったくなかったです! 前作で参勤交代は終わったと思っていたので、もう続きはないだろうと。するとプロデューサーが「『参勤交代』とは江戸へ『参勤』するだけでなく、藩へ帰る『交代』を含めて完結します」と言うので「また走るんですか?」と聞くと「倍は走ってもらいます」と……(笑)。

深田恭子(以下、深田):たくさんの方が前作を愛してくださったからこその続編だと思いますので、ありがたいことですよね。それで行きが「参勤」で帰りが「交代」とお聞きして「ああなるほどな」と。今回はどんな方法で、どんな工夫をしながら帰ってくるのかな? と楽しみになりました。

佐々木:僕も「どういうふうに台本を書くのかな?」と思ったんです。前作では老中の信祝(のぶとき)による陰謀で通常10日かかるところを4日で行けという無理難題を押し付けられるわけです。でも帰りは特に急ぐ必要はないし、どういう負荷をかけるのだろう? と。

Q:そこで政醇らが留守中に藩で一揆が勃発し、それを収束しないことには藩がとりつぶしになることに。

佐々木:急がないと城が奪われる! ってことですよね。そこで城が奪われないように行きの2倍の速さで帰り、城に帰ってからの話がまたある。「藩士たちの家族の話」「敵の思惑」……。「いろいろなエピソードを盛り込んだねえ。満載だね!」と思いました。同時にこれお腹いっぱいになっちゃうんじゃない? 大丈夫!? って。

Q:大丈夫ですよ!

佐々木:ありがとうございます(笑)。前作も台本の段階からめちゃくちゃ面白かったんです。時代劇として映像化されてこのテイストが出たらサイコーだな! というくらいに。まず『超高速!参勤交代』というタイトルが面白いですよね。それで若いお客さんにとって時代劇に対する敷居が低くなり、間口が広がって多くの方が観てくれたらいいなと思いました。例えば知念(侑李)くん目当てで来てくれた子に、時代劇って楽しいやん! と感じていただければいいなと。一方で、時代劇好きなお客さんにも観ていただきたいけど、そういう方はこのタイトルをどう感じるのだろう? と少し不安に思っていました。でも「意外に」本格的に時代劇をやった上でのエンターテインメントで、立ち回りもしっかりやってるねと。じゃあ次、続編をやるとしたらさらに高いエンターテインメントを目指して、より本格的にチャンバラもやり倒すしかないと(笑)。半端ない熱量で、やり過ぎるくらいにやって、見事「交代」を終わらせる! という意気込みでした。

Q:やりきりました?

佐々木:やりきりました(笑)。見てください(映画のポスターを指さして)、溢れんばかりの熱量でしょう。「サインしてくれ」と言われても「どこに!?」というくらいに隙間がない(笑)。

■優しい政醇と芯の強いお咲

Q:お咲は現代的な女性で、男気があって自立していますよね?

深田:そうですね。もともと旅籠屋さんで働いていたのですが、殿と出会って救い出してもらったことで、もともとあった勝気な部分が状況の変化に臨機応変に対応し、殿を支える強さへ変わっていった気がします。もともとお姫様として生まれた人ではない、お咲ならではの強さを持っていたのかなと。

Q:クライマックスの殺陣のシーンには、巻き込まれるというカタチでその場にいたわけですよね?

深田:でも私は殿についていっただけで……。前回もそうでしたけど、今回も。殺陣に巻き込まれながら殿とセリフのやりとりをするところは、ある意味で女性の夢なのかな? と思ったりしました。

佐々木:うんうん。

深田:海外のアクション映画でもあるじゃないですか。銃で撃ち合いながら、パートナーと恋を語り合ったりする。その時代劇版なのかな? って。面白いですよね。でも実際にあんな状況で愛を語られるのは嫌ですけど(笑)。

Q:殿のように、気持ちをキチンと言葉にしない男をどう思いますか?

深田:政醇さんは優しい人だと思います。「言葉にしない」というより、なかなか言えないんでしょうね。

佐々木:昔の男はなかなか言わんよね。でもお咲さんの意志の強さと芯の強さを持って、自分のことをどう思っているの? と聞かれたら言ってしまうということかも。

深田:そうですね(笑)。

佐々木:あのシーンは難易度が高いですよ! きちんと成立させるには。台本を読んだときも「これをやらせるのか!」と思いました。どの時点で鎖が僕の刀に巻き付き、どう引っ張るか? そのときの敵の状況は? 殺陣師の方と緻密につくりました。政醇とお咲の会話に対して、伊原(剛志)さん演じる段蔵のリアクションもあって、すべてが整って初めてあのシーンが成立するし、エンターテインメントとして作品のステージをひとつ上げたいと思っていました。

■キャラの個性を活かした殺陣シーン

Q:佐々木さんは殺陣については問題ないんですか?

佐々木:大問題です。大丈夫じゃないです(笑)。クランクイン前に現場に入って稽古していました。

Q:そのわりに求められるものが高度でしたね?

佐々木:そうですね。居合の達人という設定で、チャンバラは徹底的にやらねばと覚悟していました。他の藩士たちも弓だったり槍だったり二刀流だったり。それぞれキャラクターを活かした戦い方だからこそ面白い。それでいてみんなが剣豪で一騎当千でないと。だからこそ、ユル~イいわき弁とのギャップ、ふり幅からくる面白さが活きてくるのだと思っていました。

Q:いわき弁も、2作目となるとかなりネイティブな感覚ですか?

佐々木:体の中に残っているんですよね。わりとすぐに出てきて、今回は方言指導の方と「もうちょい濃い目でやりましょうよ!」などと楽しみながら演じました。

Q:お咲というキャラクターも、体の中に残っている感覚ですか?

深田:撮影現場に入ってみなさんにお会いすると、ああ懐かしいな……という感じでした。

Q:政醇率いる湯長谷藩藩士のように、必死に頑張る男子をどう思います?

深田:深い愛のある藩だと思うんです。それぞれ個性は豊かだけれど、超高速での参勤交代を成し遂げるためにあらゆる策を講じて切り抜けようとする。自分たちでできることをして道を切り開こうとするのですから、とてもいいチームですよね。ちゃんと前に進もうとしている人ってステキだなと思います。

■参勤交代は1年おき!?

Q:完成した映画を観た感想は?

佐々木:やりきった! 走りきった! もう何も残ってないと(笑)。ただ、「これにて参勤交代は仕舞いとする」と言っていたわりに、そこはかとなくさらに続編につなげなくもない怪しいにおいが……(笑)。

Q:パート3をやると言われたらどうします?

佐々木:絶対、これ以上は速く走れませんから(笑)。とにかく私は「これで見納めです!」と言うだけです。でも映画会社の人は「参勤交代は1年おきに行われています」と言うんですよ(笑)。

深田:台本を読んだときももちろん面白かったのですが、出来上がりを観たときのインパクトが大きかったんですよね。遊びのあるシーンがたくさんありましたし、自分が現場にいなかったシーンも、台本よりずっと面白くなっていました。格好いい殺陣で藩士のみなさんが勇ましく戦う姿とコメディ要素とのメリハリのようなものが、前回からパワーアップしているなと。最初から最後まで、絶え間なく面白いと思える映画になったと思います。

キリっとした袴姿の佐々木蔵之介とあでやかな着物姿の深田恭子が並ぶと、場の空気が一気に華やぐ。映画の中で藩を率いる殿をイキイキと演じた佐々木のリードで会話は進み、深田は殿を支える強気なお咲よりかなり控えめに一歩引いている。けれど、これという質問にはしっかりとした言葉を用意して答える。これが2作の長編を作り上げたからこその距離感なのだろう。映画は続編らしく、前作からのパワーアップが随所に。殺陣や笑いや人情のドラマや殿とお咲とのあれやこれや。まさにてんこ盛りの内容となっている。

映画『超高速!参勤交代 リターンズ』は全国公開中

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