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『ONE PIECE FILM RED』夢の収録現場に潜入!谷口悟朗監督に聞くアフレコの極意

 人気アニメ『ONE PIECE』の3年ぶりとなる新作映画ONE PIECE FILM RED』(8月6日)の劇場公開に先駆け、今年3月にガヤアフレコ体験が行われました。声優未経験の『ONE PIECE』好き編集部員が、夢の収録現場に潜入。谷口悟朗監督による熱血指導のもと、アフレコに挑戦してきました!(取材・文:編集部・倉本拓弥)

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■これが『ONE PIECE』のアフレコ現場!

感染対策もバッチリ!収録ブースの様子

 収録現場に入ると、アフレコ用のマイクと『ONE PIECE FILM RED』のロゴが映ったモニターが! 収録が始まる前から、興奮が抑えきれません……。コロナ禍での収録だったので、感染対策もバッチリ。各ブースにはビニールスタンドが立てられ、収録以外ではマスクを着用しています。

 現場の機材を一通り見学したところで、いよいよガヤアフレコ体験へ。「いざ、挑戦!」とはいっても、アフレコ未経験の編集部員は、当然何をすればいいか見当がつきません。そこで登場したのが、現場の指揮を取る谷口監督! 「すでに録ってある音声を一度聞いていただいて、『こんな感じでやればいいんだ』ということを掴んでください。そこからテスト、本番に入りましょう」とアフレコの流れを丁寧に説明してくれました。

歌姫ウタ(左)がライブを行うエレジアにやってきたルフィ(右)

 『ONE PIECE FILM RED』は、四皇・赤髪のシャンクスの“娘”で、世界中で愛される歌姫・ウタを巡る物語。今回体験したのは、音楽の島・エレジアで開催されるウタのライブシーン。編集部員はガヤ(その場にいるその他大勢の声)として、初めて人前に立つウタへ声援を送ります。谷口監督からのアドバイスはズバリ、「とにかく大きい声を出す」。実際にライブ会場にいる感覚を意識して、とにかく楽しく挑戦することが大切だと話していました。

 アフレコは、谷口監督のディレクションに従い、モニター上の映像に合わせて進行していきます。例えば、ウタが登場した時はヒートアップした状態を意識して「うぉぉぉぉお!」と声を発するのですが、恥ずかしさもあって、いきなり100%の声を出すことはできません……。谷口監督からの「社会的な体裁などは全て脱ぎ捨ててください」との指示や、正しい姿勢を教えていただきながら、ウタのライブを楽しんでいる気持ちで本番に挑むと、自然と声が出ました!

編集部員も全力で声出し!

 その後も、掛け声を変えたり、声のトーンを変えたりしながらアフレコに挑戦。ウタはもちろん、ルフィ率いる麦わらの一味が登場するシーンに声を当てるのは、『ONE PIECE』ファンとしても夢のような体験です。収録した音声は実際に『ONE PIECE FILM RED』本編で使用されるとのことで、どの声が採用されているのか、完成した作品が待ち遠しいです。

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■谷口悟朗監督 単独インタビュー

アフレコ収録を見守っていた谷口悟朗監督

 アフレコ体験後、別室で収録を見守っていた谷口監督にインタビューを実施。アフレコの極意や、最新作への思いを聞きました。

Q:今回体験したガヤで注意しなければいけない点は?

 その場の雰囲気を出すことです。ガヤの人たちはただ漫然とそこにいるのか、喜んでいるのか、悲しんでいるのか、伝えなければいけない位置情報が、しっかりと伝わるかどうかですよね。情報を伝えている人たちにも個性がありますから、そういった個性がバラけているかも重要です。

Q:声のほかに大切な要素はありますか?

 マイクに声が上手く乗るかどうかです。その時に、声帯を圧迫しない姿勢など「できればこうするといいよ」と言われている基本的な姿勢があります。でも、最終的には人それぞれなんです。歌い方に関しても、背筋をピンと伸ばして歌う人もいれば、あえて体を丸めながら声帯は潰さずにポージングを取る人もいるので、その人にとってベストな声が、ベストな状態のところでマイクに乗るという姿勢はどこにあるのか、というのを探すことがプロのあり方だと思います。ただ、そこに至る前の基本姿勢もあるので、初めて挑戦する人は、まず基本的なポージングを取っていただいて、声がどのように出るのかを実感してもらったほうがいいと思います。

アフレコでは感情を重要視!

Q:谷口監督がアフレコに求めるものは何ですか?

 私の場合、アフレコは情報量を多く設定させてもらっています。アフレコ用の映像を一本持ってくるために、多くのスタッフが多くの時間をかけて作業しているわけです。それに対して、声優さんはスタッフがかけた時間の分、濃い仕事量で返していただかないと、全くバランスが取れなくなってしまいます。声優さんはそこが大変だと思います。

 また、アフレコでは感情を重要視しています。子供向けの番組などでは、アナウンスする能力(技名、キャラクター名、地名などを視聴者に伝えること)が重要な場合があるんです。ですが、極論言っていることが何だかわからなくても、感情が伝われば問題ないというのが、私の最終的な判断材料になりますね。もちろん、用語を伝えなければならない場合はしっかりと伝えます。

Q:『ONE PIECE FILM RED』のオファーが来た時の心境は?

 (オファーが来た)タイミングで、最初に原作者の尾田栄一郎さんに聞いてくれませんかと伝えたんです。私が監督することが決まってから尾田さんに報告ではなく、「谷口に監督をオファーしようと思っているんだけど、いいだろうか」と事前に聞いてほしかった。プロデューサーの方からOK出ましたという連絡があったので「じゃあやりますよ! 尾田栄一郎がOKしてくれたんだったら、何を差し置いてもやります!」ということで、映画に関わらせていただくことになりました。

四皇シャンクス、映画に本格登場!

Q:最新作は人気キャラクター・シャンクスの登場も話題となっています。シャンクスを描くにあたって、プレッシャーなどはありましたか?

 シャンクスは重要なキャラクターですから、私と(脚本家の)黒岩勉さんで勝手に登場させて使っちゃうのはマズいと思っていました。もちろん、登場した方が話は伝えやすいし、どうしようかと悩んでいた時に、尾田さんから「シャンクス出しましょうか!」というお話がありまして、「出していいんだったら、そりゃ出しますよ! こんなありがたい話はないです!」みたいなやり取りがありましたね。プレッシャーというよりかは、むしろ 「やったー!」という喜びが大きいです。

Q:『ONE PIECE』を手がける上で、どんなことが挑戦でしたか?

 『ONE PIECE』に関しては、全てが挑戦ですね。私の最初の監督作品でもありますし、初心に戻りながら、なおかつ過去の自分と戦わなければならない。同時に、東映アニメーションさんがアニメとして培ってこられた長い長い歴史と向かい合わねばならないので、そういう意味での挑戦ですね。

新規層も楽しめる内容に!

Q:『ONE PIECE FILM RED』で注目してほしい点は?

 『ONE PIECE FILM RED』には、私なりに『ONE PIECE』とはどういうお話なのかという答えを出したいと思って挑んでいます。『ONE PIECE』を構成している要素はどこにあるのかというのを、自分なりに持って監督しているつもりです。また、『ONE PIECE』は連載開始から歴史が長いため、「昔読んでいたけど、少し離れちゃった」という人や、「タイトルは聞いたことあるけど、長そうだから読んだことない」という人たちにも観ていただけるように制作しております。

 ファンムービーとしてはもちろん、新規の方が入ってこられる隙間も作っているため、『ONE PIECE』を応援してくれるファンの輪をより大きく広げたい。より大きく広げることによって、私は初めて尾田栄一郎という人に恩返しができると思うんです。そういう形でこの映画と向き合っています。

『ONE PIECE FILM RED』は8月6日全国公開

(C) 尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会

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