[シネマトゥデイ映画ニュース] 21日、日本最高齢の映画監督・新藤兼人が95歳で撮った最新作『石内尋常高等小学校 花は散れども』が完成し、スペースFS汐留でお披露目となった。上映前には新藤監督及びメインキャストの柄本明、豊川悦司、六平直政、川上麻衣子、大竹しのぶが顔をそろえ、劇中繰り返し歌われる石内尋常高等小学校の校歌斉唱で舞台あいさつの幕を開けた。
初っぱなから六平が前奏を無視して一人歌い出すというフライングで爆笑を誘い、懐かしい仲間が集う同窓会的楽しさを図らずも演出した。本作は新藤監督が大正末期にさかのぼる小学校時代の恩師をモデルにその半生をフィクションとして書き上げ、そこに故郷広島時代から新進気鋭の脚本家として自立するまでの自身の姿を絡めて描いた自伝的な映画。強烈な個性を放つ大らかな先生役を柄本、その妻を川上、生徒を豊川、六平、大竹が演じ、同窓会のシーンも重要な役割を果たしている。
今回のオファーを光栄としながらも「いまだになぜ僕が呼ばれたかよくわからない」と照れ笑いを見せたのは、若き日の新藤監督を演じ新藤組初参加となった豊川。その答えは「自分の役をやる人は背が高くてかっこいい役者じゃなきゃダメ」という監督自身のたっての希望であることを、新藤組常連の六平が明らかにした。さらに昨年の撮影時を振り返り「普段人見知りの豊川さんも打ち解けて、今まで出た映画の中で一番楽しかったって言ってました」と暴露。これには「そんなこと言ったら、今までの映画が」と大竹がツッコミを入れ笑わせた。
その年齢を考えれば無理からぬことだが、足腰の衰えから撮影現場に車いすで向かった新藤監督。ところがカメラの横に立つや否や活気が戻り、これが最後と力を振り絞ったのだという。それでも「済んでしまうと、また何か撮りたい感じ」で次回作もすでに書き上がっているらしい。「この映画がヒットすれば次も撮れる」とは大竹の弁。映画作家として70年のキャリアを誇り、日本のインディーズの先駆けでもある新藤監督。衰えることを知らない映画への情熱はまだまだだということを証明した。まずは、笑いとエロスと反骨精神に満ちたこの47本目の監督作を堪能すべし。
映画『石内尋常高等小学校 花は散れども』は9月下旬、シネカノン有楽町一丁目ほかにて全国公開
オフィシャルサイト http://www.shindo95.com
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