[シネマトゥデイ映画ニュース] 今年のアカデミー賞で作品賞を含む8部門を受賞した映画『スラムドッグ$ミリオネア』で、すい星のごとく現れた主演のデヴ・パテルが、本作について語ってくれた。
インド版「クイズ$ミリオネア」に出演し、見事賞金を獲得したジャマール(デヴ)だったが、スラム街出身の彼が、そんなに正解するはずがないと警察が疑い出し、真実を求め尋問を始めていく。徐々に明かされていく過去と真実やラブストーリーも含め、息も付かせぬ展開が最後まで続く傑作だ。
キャスティングの過程について「僕はロンドンでテレビ番組『スキンズ』に出演していたんだ。それまで俳優経験がまったくなかったんだけれど、運が良かったんだね。そして、この番組を見た『スラムドッグ$ミリオネア』のキャスティング・ディレクターが、オーディションに参加しないかって誘ってくれた。オーディションは7回ほどあって、すでに役が決まっている俳優たちとともに繰り返し行われたんだよ。かなり厳しかったね(笑)」と役を射止めるのに、かなりのプロセスがあったことを話してくれた。
スラム街での撮影については「撮影開始2週間前に、アジア最大のスラム街といわれるダラビ地区を見てきたんだ。僕の勝手な先入観では、テレビでお腹が空いて泣いている子どもたちを映し出したスラム街の映像のイメージが強く、訪れる前はあの映像を目の当たりにすると思っていたんだ。ところが、僕が予想としていたものはまったく違ったんだ。彼らはあの地区で生きていることに誇りを持っている上に、地域同士の触れ合いには、ものすごく感動させられたね。それに現地の人たちは『僕らを貧しいように映さないでくれ』と言っていた。それは、誇りを持って生きている場所が、彼らのホームだからなんだよ」と活気ある区域に惹(ひ)かれたようだ。
ダニー・ボイル監督の演出について「彼は俳優を集中させるコツを知っているんだよ。それは、僕のようにいつもそわそわしている俳優であってもね(笑)。撮影はとてもハードだったけれど、ダニー監督は僕以上に大変だったはずさ。撮影監督のアンソニー・ドッド・マントルは、ダニー監督を『ナポレオン』と呼んでいったんだよ。彼は寝ないし、休憩中でも撮ったばかりの映像を確認して、何も食べないんだ! なのに毎朝涼しげな顔で現れて、撮影現場でエネルギッシュな状態で取り組もうとするんだ。そんなダニー監督を見て、僕は全力を尽くそうと思ったよ」とかなりの影響を受けたようだ。
デヴはすでに次回作も決定しており、M・ナイト・シャマラン監督の新作映画『ザ・ラスト・エアーベンダー』(原題)になる予定だ。(取材・文:細木信宏 / Nobuhiro Hosoki)
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