[シネマトゥデイ映画ニュース] 映画『ピノキオ』をディズニー史上最高傑作に押し上げた立役者は、ピノキオの“良心”として大活躍した流れ者のコオロギ、ジミニー・クリケットと言われているが、いったいどんなキャラクターなのか検証してみた。
ジミニーは動物が多いディズニーのキャラクター史上、珍しく貴重な昆虫キャラクターで、よく知られた通りの見逃してしまいそうなほど小さく、外見もシルクハットと傘をトレードマークとしながらも決して華やかではない。だがピノキオを常に見守り続け、人間の子どもへと成長させていく指南役として存在感は、抜群。さらに陰に徹する心ニクイ紳士ぶりで、観る者のハートをがっちり掴んだ。
旅の途中に立ち寄ったピノキオの生みの親ゼペットじいさんの家で、妖精ブルー・フェアリーが人形だったピノキオに命を授ける瞬間を目撃したジミニーは、フェアリーからピノキオに善悪の区別を教える良心の役割を任せられ、美女に弱かった(!)こともあって快諾。見事にその任務を達成した時、ゼペットじいさんにすらその存在を気づかれずじまいで、人間になったピノキオとは忘れ去られたかのように喜びを分かち合うこともないままの姿が描かれる。その一歩引いた謙虚な姿勢で、名脇役として愛されてきた。
もともとイタリアの作家、故カルロ・コロディ氏が発表した原作では、忠告を疎ましく思ったピノキオに殺されてしまう悲しい名なしのチョイ役。だがモラリストでユーモアの才人だったウォルト・ディズニー氏が、ピノキオの良心として新たにデビューさせたアイデアで、人気キャラクターの仲間入りを果たした。
もう一つの大きな人気の理由に、挿入歌「星に願いを」を、しっとりと歌い上げていることがある。意外な(?)美声の持ち主で、珠玉の名曲を♪When you wish upon a star……とスローバラードをソフトかつムーディーに響かせ、正直に生きれば報われ願いはかなう、という作品のテーマを、聴く者の心に染み入らせてきた。サタデーナイトライブのエンターテイナーたちも頭を下げたくなるよう芸達者ぶりで夢の大切さを歌う姿は、ディズニーの真骨頂と言えそうだ。
本作で独り歩きするほどの人気を得たジミニーは、以降も1947年の長編アニメ「こぐま物語」をはじめ数々の作品に登場するなど、ディズニーの看板キャラクターとして活躍中。ジミニーの魅力を知らずしてディズニーアニメを語るべからず?
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