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ヒーロー?とんでもない!イギリス帰還兵の4分の1はホームレスに-エジンバラ国際映画祭

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向かって左から、スチュアート・グリフィス、ルーク・シーモア、ジョセフ・ブル
向かって左から、スチュアート・グリフィス、ルーク・シーモア、ジョセフ・ブル - Photo:Yukari Yamaguchi

 6月26日(日本時間27日)、エジンバラ国際映画祭でワールドプレミアが開催された映画『アイソレーション』(原題)の監督と出演者に話を聞いた。 
 
 本作はイギリスの帰還兵を追ったドキュメンタリー。何と彼らの約4分の1が、退役後の人生のどこかでホームレスの生活を経験するという。スチュアート・グリフィスも、その中の一人だ。16歳で入隊し、軍のカメラマンとなったことで、プロカメラマンの道を歩み始めたスチュアートが、自らがホームレスだった時代にたどり着いた退役軍人用のホステルを訪ね、元兵士たちに話を聞くことで映画は進行していく。心と体に深い傷を抱えたまま、さまよっている元兵士たちの生の声が心に響く。「再訪できたことはうれしかったよ。彼らにとってもこれが癒しの一段階になればと思う」とスチュアートは撮影の過程をふり返った。
 
 共同監督を務めたルーク・シーモアとジョセフ・ブルは同じアート学校の学生として知り合った。「話しかけてきたのがジョセフだけだったんだよ。みんな、僕をゲイだと思って話しかけてこないんだ。そうじゃないんだけどね」と線の細い印象のルークは笑う。社会に目を向けている彼らだが、一方で商業的な仕事でのキャリアも積んできた。ダフィのミュージックビデオの製作もしている。「それが初めてプロダクションと組んで、たくさんのクルーとした仕事なんだ。いろいろなことが学べたよ」とジョセフが話す経験は、長編デビュー作となる本作でも表れている。冒頭の夜の街をスチュアートが行くシーンなど、効果的なカメラワークと音楽で、影の中に眠るホームレスの感覚が伝わってくるのだ。
 
 ここ数年ドキュメンタリーを撮り続けてきた彼らの次回作は、『ブラッド・セル』という題名のフィクションになる予定。また3人で組んでのドキュメンタリーの構想もあり、リバプールの不良たちを題材に考えているという。若き日のスチュアートがそうだったように、軍に入隊する者の多くが地方の町の不良だ。次の3人のドキュメンタリーで、今回の作品の元兵士たちの背景を知ることができそうだ。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)

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