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辻仁成監督が明かす アントニオ猪木が子どもを失っていた過去 涙の裏側【第22回東京国際映画祭】

辻仁成監督が明かす アントニオ猪木が子どもを失っていた過去 涙の裏側
アントニオ猪木の涙の裏側には……そんな事実が!

 第22回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品されている映画『ACACIA』の辻仁成監督が、アントニオ猪木が体当たりで演じた、5分もの間泣き続けたシーンの撮影秘話を語った。

 アントニオ猪木が、息子を失った過去を持つ孤独な老人を見事に演じていることで話題の本作。最も観客の心を揺さぶるシーンは、猪木氏演じる元プロレスラー大魔神が、一人暗闇の中でむせび泣く場面。その迫真の演技の裏にはある事情があった。「実際に猪木さんは最初に結婚したときのお子さんを亡くされているんです」とあまり知られていないアントニオ猪木の秘話を教えてくれた辻監督。「そのときの思いを猪木さんから聞いていたので、撮影は1回しかできないだろうと予想していました。その日の猪木さんは、朝からずっとセットの奥で役に没頭していました。そして撮影が始まると、猪木さんは5分以上ずっと泣き続けていました」とアントニオ猪木があまりにも迫真の熱演を見せたため、そのシーンはカットを入れずに長回しで撮影したそうだ。こうして、この場面を観るだけでも映画館に足を運ぶ価値があるというほどの名シーンが誕生したのだった。

 物静かで哀愁ただよう老人を演じたアントニオ猪木の姿は、意外に見えるかもしれない。しかし、辻監督によるとこれこそアントニオ猪木の本来の姿なのだという。そして、素の姿を見せたのはアントニオ猪木だけではなかった。辻監督自身も、本作を自分の離れて暮らしている息子への思いを込めて作ったという。「猪木さんも僕も、自分の中に何か欠けてしまった部分がある。そういう人間が引き寄せ合ってできたのがこの作品」と教えてくれた。果たして、アントニオ猪木ふんする大魔神と少年タクロウは、その欠けてしまった心のかけらを取り戻せるのか。辻監督の思いをぜひ作品を観て感じとってほしい。

映画『ACACIA』は2010年春より全国公開予定


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