更年期障害を真正面から描いた日本映画、ロッテルダム国際映画祭で快挙

更年期障害を真正面から描いた日本映画、ロッテルダム国際映画祭で快挙
井上都紀監督(右) - Photo:Harumi Nakayama

 [シネマトゥデイ映画ニュース] 井上都紀監督の自主映画『不惑のアダージョ』が第39回ロッテルダム国際映画祭のコンペティション部門「VPROタイガー・アワード」に選出される快挙を果たし、このほど現地でインターナショナル上映された。井上監督は「普段、映画『アバター』を上映しているような劇場で自分の作品をかけてもらえるとはラッキー! 映画は観客に観てもらって、その客の顔を見て初めて完成するんだなということを実感しました」と笑顔で語った。

 井上監督は武蔵野美術大学油絵科出身で、俳優竹中直人の著書に影響されて映画に興味を抱き、2004年から自主映画を製作している。短篇4作目の映画『大地を叩く女』がゆうばり国際ファンタスティック映画祭2008のオフシアターコンペティション部門でグランプリを獲得し、そのときに得た次回作支援金200万円と100万円の貯蓄を元手に撮ったのが初の長編『不惑のアダージョ』だった。

 本作は、修道女が不惑を迎えて更年期障害となり、自らの性を見つめ直すヒューマンドラマ。井上監督は35歳の独身。自分自身、派遣販売員の仕事をしながら自主映画を作る日々の中でふと女の幸せを考えたときに、この物語のアイデアが浮かんだという。井上監督は現地で「16歳ぐらい?」と若く見られるため、上映後のQ&Aでも「なぜ更年期障害をテーマに?」と質問が集中。井上監督が「女性が初潮を迎えるときは皆に祝福されるけど、更年期障害となり閉経するときは一人で迎えなければならない。わたしももう少しでそうなるので、それを大事に描きたかった」と説明。続いて、「監督は子どもはいるんですか?」というツッコんだ質問も飛び出し、井上監督が「アイム・シングル!(独身です)」とやけ気味に大声で答えると、会場からどっと笑いが起こっていた。
 
 コンペティション部門の結果は現地時間7日に発表される。井上監督は「わたしはとら年生まれで、ゆうばりとロッテルダム両映画祭のトレードマークはタイガーと、何かととらに縁があるんですよね」とロッテルダムとの良縁を期待しているようだ。(取材・文:中山治美)

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