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辻仁成、別れた家族への反省…育てられなかった息子への痛烈な思い、新作映画に込める

辻仁成、別れた家族への反省…育てられなかった息子への痛烈な思い、新作映画に込める
周りの人たちの温かさを実感。辻監督

 アントニオ猪木が息子を失った過去を持つ老人を熱演した映画『ACACIA-アカシア-』の辻仁成監督が、撮影の裏側に隠された猪木の悲しい過去、そして撮影を支えた家族への思いを明かした。

 「この映画に出てくるタクロウという少年を演じている男の子は、僕の最初の妻との間に生まれた息子とすごく似ているんです」と辻監督は言う。「今僕は子どもを育てて、朝から晩まで一緒にいて幸せだなって思うときがある。そうすると必ず前の息子のことが頭をよぎるんです」と複雑な思いを明かした。「どんな人間にも反省や、自分ができなかったことへの後悔や悲しみって持っていると思う。それは一生抱えるものなんです」と語った辻監督の言葉からは、後悔や反省……この映画に込められた、たくさんの思いが詰まっているようだった。

 前の家族への思いを込めた辻監督を、今の家族はどう見ていたのだろうか? 東京国際映画祭で舞台あいさつをしたとき、「この映画を撮ってもいいということ自体が、今の家族からの返事だったと思う」と語った辻監督は、「僕は自分が一番心の狭い人間だと思っている中で、僕が納得できる作品を作らせてくれた。周りの人たちの温かさを改めて感じました」と家族への感謝を語った。

 また、本作の一番のクライマックスとなっている猪木が演じる元プロレスラーが、幼いころに失った息子を思い、一人号泣するシーンについては意外な真実が隠されていた。「僕も撮影まで知らなかったんですが、猪木さんは、最愛の娘さんを8歳のときに亡くされていたんです」と辻監督が語ったとおり、猪木の悲しい事実を知っていたスタッフたちは、撮影の朝、一人座禅を組み撮影まで気持ちを高めていた猪木をそっと見守っていたという。猪木にとって、号泣のシーンは、娘への思いがあふれた瞬間だったのかもしれない。

 本作の冒頭にある、猪木が青空をじっと見つめるシーンには、アントニオ猪木だけでなく辻監督、この作品にかかわったすべての人の人生そのものが投影されているように感じられる。「あのとき、ああすればよかった……」と心の中にある、大切な人にできなかったことへの後悔、そしてその後悔が教えてくれる本当の愛情を、この映画はきっとわたしたちに教えてくれることだろう。

映画『ACACIA-アカシア-』は6月12日より角川シネマ新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開


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