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『ザ・コーヴ』主要人物、日本で何者かに尾行される?「ここは北朝鮮でもキューバでも中国でもないはず」

『ザ・コーヴ』主要人物、日本で何者かに尾行される?「ここは北朝鮮でもキューバでも中国でもないはず」
実状を客観的に観てください-リック・オバリー氏

 日本のイルカ漁を描いた映画『ザ・コーヴ』が度重なる抗議活動や街宣予告を受け、東京での上映が相次いで中止されるなか、本作でナビゲーターを務めるリック・オバリー氏が来日。単独インタビューで複雑な胸中を語ってくれた。

 取材部屋に現れたオバリー氏の表情には、少し疲れも感じ取れた。数多くの取材に応じたせいもあるが、最大のストレスは「今回の来日でも、常にだれかがわたしのことをストーカーのようにつけているから」だという。それだけに、本作の上映が中止に追い込まれている事態に深いため息をつき、「ここは北朝鮮でもキューバでも中国でもないはず。日本には表現の自由を保障した憲法第21条があるのではないのですか?」と肩を落とす。

 今回、オバリー氏が出会った日本人ジャーナリストのなかには、本作を否定的に受け止め、イルカ漁の反対活動に潜む矛盾を手厳しく指摘する者もいるそうだ。「批判や反論があって当然。大いに受け入れたい。現時点での大きな問題は抗議の結果、一般の観客がこの作品を観ることができなくなったことなのです」とオバリー氏。イルカ漁への関心を高めたいという思いが突如、封じ込められたことが残念でならないという。

 一方、イルカ漁が日本人にとって非常に繊細(せんさい)なテーマであることも十分に承知していたとも語る。かつてはイルカの調教師を務めて、その後30年以上、イルカ保護をライフワークとしてきたオバリー氏は、過去にも数回来日し、日本の報道機関にイルカ漁の実態を取材するように申し入れてきたという。しかし、「どこの新聞社もテレビ局もそっぽを向いたよ。皆、この問題はデリケート過ぎると口をそろえたんだ」とオバリー氏は振り返り、「本来はメディアが報じるべき問題。だれもやらないから、この映画が作られたのです」と作品の意義を語った。そして、問題になっている撮影方法についても「漁村の方々と、何回も話し合いの場を設けようとしたがその度に断られ続けてきたので、仕方なかった。世間の人に実状を知ってほしいと強く思ったんです。目の前で死んでいくものから目をそらすことなどできませんでした」と感情を吐露した。

 そんなオバリー氏は、今回の事態に対して、明るい側面も見出している。「不本意ながら、こうした形で注目を浴びたが、これを機に日本の方々、特に若い世代の方たちがインターネットやDVDといった手段でこの作品にアプローチしようとするなら大歓迎です」とオバリー氏。同時に、「みなさんから映画館に『ぜひ上映してほしい』と激励の言葉をいただきたいのです。そういった声が劇場を勇気づけるのですから」と訴えた。

現在、映画『ザ・コーヴ』は東京都内での上映を目指し、劇場との交渉を続けている。


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