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「地球温暖化は誇張!」21世紀で最も影響力のある人物・政治学者ビョルン・ロンボルグ

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オンディ・ティモナー監督
オンディ・ティモナー監督

 世界的に論争を巻き起こした著書「環境危機をあおってはいけない 地球環境のホントの実態」を執筆し、雑誌「エスクァイア」で21世紀で最も影響力のある人物と評されたデンマークの政治学者/作家/講演者であるビョルン・ロンボルグを描いたドキュメンタリー映画『クール・イット / Cool it』(原題)が完成し、その新作についてオンディ・ティモナー監督が語った。

オンディ・ティモナー監督映画『DIG!』場面写真

 同作は、ビョルン・ロンボルグが「環境危機をあおってはいけない 地球環境のホントの実態」を執筆し、現在最も言われている環境保護主義者の予測は誇張されていると主張した。その結果、いく人かの環境科学者から非難を浴び、彼らから3つの苦情をDCSD(Danish Committees on Scientific Dishonesty=科学的な不正に関する調査を行った委員会)に持ち持ち込まれて対立したが、ビョルンの本当の意図は、地球温暖化の解決に向けた合理的なアプローチを主張することだった、という内容。

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 環境科学者から批判を受けた著書を執筆したビョルンを描くことになる上で懸念はなかったのかとの質問に、「実は、彼を題材にした映画を制作すると監督の依頼を受けたときに、すぐにその契約を結ばなかったの。まず私はカメラで撮影をせずに、直接ビョルンに何時間もインタビューし、彼の主張している議論には穴があると対立したのよ」とオンディ監督も疑っていたことを明かしたが、それでも製作することになったのは「彼の主張するデータは、私には納得し難いものだったけれど、現在アフリカや多くの国の人々が、きれいな水さえ飲めなくて、毎日子供が死ぬ環境にある中で、高額の代替エネルギー(ソラーシステム、風力発電)などを強制するのは無理があるという主張には納得できたの。それぞれの国が違った環境の中で、母国の経済を理解しながら、それぞれが合理的に地球温暖化の防止に向かう必要があるの」といったんは監督の承諾をしたらしいが、それでもビョルンの主張を観客が理解できるレベルにすることにはだいぶ苦労したらしい。

 子供世代の地球温暖化への認識について「この映画を制作する上で、子供たちとも話すことが重要だと思ったわ。なぜなら、ビョルンは、子供たちの多くは環境問題に関しての情報で不安にあおられた社会で暮らし、恐怖を感じている、と思っていたからなの。でも実際に、私の7歳になる息子が通うイギリスの学校と、アフリカのケニヤの学校に通う子供たちを比較してみると、ケニヤの子供たちは、まず地球温暖化を懸念することよりも、しっかりとした家に住むことと、自分達の健康が第一にあったのよ……」とそれぞれの子供たちにもたらされた家庭環境によって、今後の地球温暖化へのアプローチもだいぶ変わってくると理解しているようだ。

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 キャップ・アンド・トレード(排出権取引の手法の一つ)について「実は、このキャップ・アンド・トレードの説明をするのに、ビョルンとプロデューサーたちとだいぶ議論したの。基本的には、CO2の排出総量削減を義務付けて、事業所間の排出量取引を認める制度なんだけれど、それを言葉でくわしく説明すると、観客の興味を失うと思って、グラフィックを使って、それを観客が目で追って理解しやすい手法を使うことにしたの」とあくまで、観客の目を対象に描いてきたようだ。

 映画は、ゴミのリサイクルくらいで環境問題に貢献していると思っている先進国の一般の人たちには、今後環境問題にどういうアプローチをとったら良いか、具体的に考えさせられる映画に仕上がっている。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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