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東北ロードムービー『星守る犬』、エキストラの中には津波で亡くなった方も 主演の西田敏行、故郷・東北への思いを語る

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故郷への思いを語った西田敏行
故郷への思いを語った西田敏行

 9日、東京国際フォーラムにて、ベストセラーコミックスを映画化した『星守る犬』の完成披露記者会見が行われ、西田敏行玉山鉄二川島海荷中村獅童岸本加世子藤竜也瀧本智行監督、原作者の村上たかしが出席し、自身の故郷である福島や宮城などで震災前に撮影された本作について主演の西田が「はからずも、大震災前のロードが記録される形になりました。津波を受ける前の美しい海が(映画に)映っています」と複雑な思いを語った。

映画『星守る犬』場面写真

 2009年に発売され、「とにかく泣ける」と話題を呼び販売総数が47万部を突破した、村上たかしのコミックス「星守る犬」を映像化した本作。山中に放置されたワゴン車から死後半年を経過したとみられる男性(西田)と、死後ひと月の犬の遺体が発見され、市役所の福祉課職員(玉山)が生前の彼らの足取りを追うストーリーとなっている。

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 本作で東京から福島、宮城、岩手、青森を経て北海道まで、愛犬と一緒におかしくも切ない旅を繰り広げる主人公「おとうさん」を演じた西田は「原作を読んで号泣して、やると決めました」と出演の経緯や、撮影現場ではご当地グルメを存分に楽しんだことなどを笑顔で明かした。しかしやはり、会見では東日本大震災の被災地となったロケ地についての話題が大部分となり、「エキストラで参加してくださった方の中に、津波で亡くなった方がいると聞きました。今、被災者の方々も頑張っていらっしゃると思いますが、この映画にかこつけて(観て)泣いてみたらどうですかと提案してみたい気持ちもあります。この映画はまさに、生きていく上で大事なことを提示して訴えている作品。映画を観て、素直な感情の揺れ動きを感じていただければ」と真摯(しんし)な表情で作品をアピールした。

 また、そんな西田ふんする主人公の旅の軌跡をたどる孤独な青年・奥津役の玉山は「この映画は現地の方々の手助けがなかったら、ここまで良くできていなかったと思います。(映画で)被災する前の景色をたくさん観ていただいて、被災地が一日でも早く復興することを願っています」とコメント。さらに、劇中で玉山ふんする奥津を共に旅をする少女・有希を演じた川島も「(福島県)いわき市での撮影のとき、オフは映画を観たり温泉に入ったりしました。今そこが大変な場所になって悲しい気持ちでいっぱい。一日でも早く復興してもらいたいし、わたしもできる限り応援していきたいと思っています」と被災地への思いをそれぞれ語っていた。

 『星守る犬』は名もなき男と彼に寄り添い続ける犬の旅路を通して、不況や熟年離婚、無縁死など、現代が抱える問題に切り込みつつ、生きる上で大事なことを観る側に問いかける感動作。(古河優)

映画『星守る犬』は6月11日全国公開

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