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岩井俊二監督、脱原発宣言!「ひとりの大人として人間として、NOである以上はNOと言い続ける」『ミツバチの羽音と地球の回転』トークショー

岩井俊二監督、脱原発宣言!「ひとりの大人として人間として、NOである以上はNOと言い続ける」『ミツバチの羽音と地球の回転』トークショー
「原発NO!」岩井俊二監督

 今月6日、渋谷ユーロスペースにてアンコール上映中の映画『ミツバチの羽音と地球の回転』の上映終了後、監督の鎌仲ひとみと、映画『ヴァンパイア』でハリウッド進出を果たした岩井俊二監督がトークショーを行った。

 本作は、映画『ヒバクシャ』『六ヶ所村ラプソディー』を通して、放射能の恐ろしさを訴え、原発問題に言及しつづけてきた鎌仲監督が、山口県上関町の祝島を舞台に30年近く前から上関原発反対を訴えて電力会社と闘い続けてきた地元の人々を追う一方、脱原発を宣言、着実に自然エネルギーシフトし、地域自立型のエネルギーを作り出しているスウェーデンの人々の生き方を映し出したことで「脱原発」の先にあるストーリーを示したドキュメンタリー。

 先月24日、「『ミツバチの羽音と地球の回転』観ました。島にやって来る電力会社の船を観て「アバター」を想い出した。ひどすぎる。これが日本なのか。原発関係者と原発協力者たちにこそ観て欲しい。エネルギーシフトに成功しつつあるスウェーデン事情も必見!(原文ママ)」と、鑑賞したその日に自身のツイッターで映画の感想をつぶやいていた岩井監督は、トークショーへの出演もひとつ返事で決まったという。鎌仲監督が、「脱原発派の鎌仲のトークショーのゲストっていうと、みんなけっこうヤバいんじゃないか……ってなる人が多いのに、ありがとうございます!」と話すと、会場からは笑い声と拍手が起こった。

 鎌仲監督は、トークショーの中で多くの芸能人や監督が、“原発”に言及することを躊躇するのを指摘し、「東電は、年間300億円もの予算を使って、まだまだ生き延びようとしています。巨大スポンサーの顔色をうかがいながら、みんなが貧乏くじを引きたくないって思ってるんじゃないですか?」といまだに原発問題をタブー視している業界をバッサリ。「作り手である以上、首尾一貫した大義が必要」と言った岩井監督は、「僕は一人の大人として、人間として、NOである限りは、はっきりNOと言おうと思っています」と原発に対する考えを明言した。

 本作について、「福島で起こっている問題と、これから我々がどう戦っていくべきかがわかる映画です。同じ映画を作っている人間として気持ちのいい構成で、とても重たい問題ですが、詩的で美しい作品」と絶賛している岩井監督は、映画『六ヶ所村ラプソディー』を観て、映画『ヒバクシャ』を観る、という製作順で言うと逆の順番で観ていったという。「一番近いテーマを映画『ミツバチの羽音と地球の回転』で観て、映画『六ヶ所村ラプソディー』で、核廃棄物というわれわれの未来を観る、そして最後の『ヒバクシャ』で国際的な核の問題を感じる。この三部作で、一つの作品として観て欲しいですね」と原発問題に関心を持った人に向けた岩井監督流の“鎌仲ひとみ三部作”鑑賞法をアドバイスした。

 この日は、スウェーデン出身の女優・川上麻衣子も観客として訪れ、映画を鑑賞。上映後、「電力会社と闘い続ける地元の方々の姿を見て、何度も涙がこぼれそうになりました。でも、泣いてちゃいけないって、必死に観ていました。スウェーデンは、わたしの生まれたふるさとでもあります。自然エネルギーに着実にシフトしていくスウェーデンの人々の暮らしを、とても誇らしく思えました」と作品の感想を語った。
  
 アンコール上映が始まった土曜日以降も、多くの人々が鑑賞している本作。観客層は、若い人から中高年までと老若男女を問わない。トークショー終了後は、「とても面白かったです。周りの人にも、観て欲しいって思いました」と言う人々が、作品のシナリオ全編、そして自然エネルギーシフトへの解説が細かく掲載されたパンフレットを購入する姿が多く見られた。今月の6月11日には、日本で、世界中を巻き込んだ大規模な脱原発デモも計画されている。「福島の人たちは津波で大切な人を失い、原発で家を、ふるさとを失いました。何度も言っていますが福島の事故は、わたしたち東京の人が使っていた電気のために起こったんです。わたしたちが、行動していかなければ」と訴えた鎌仲監督の言葉に応じるように、自分たちの未来に向けて一歩を踏み出した人々の声は、大きなエネルギーに代わってきている。(編集部:森田真帆)


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