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永井豪、おっぴろげミサイルシーンに今は亡き盟友に思いをはせる 「手天童子」執筆時の壮絶秘話明かす

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鬼にたたられながらの執筆秘話を明かした永井豪
鬼にたたられながらの執筆秘話を明かした永井豪

 12日、銀座シネパトスで映画『極道兵器』公開記念ドリームジャンボトークショーが行われ、本作でメガホンを取った坂口拓山口雄大の両監督、そして本作原作の故・石川賢さんの盟友、漫画家の永井豪が登場、過激なトークを繰り広げた。

映画『極道兵器』場面写真

 全裸の女性兵器の股(こ)間からミサイルが飛び出す「おっぴろげミサイル」がハイライトシーンとして登場する本作。このシーンをお気に入りに挙げた永井は、「石川賢の持つムチャクチャ感というか、これだけのスケールの大きさをよく表現したと驚いています。石川賢が生きていたら喜んでいた思います」と亡き盟友に代わって両監督に感謝。本作の試写には石川さんの遺族の方も来場していたそうで、山口監督も「(子どもさんから)オヤジが生きてたら、喜んだと思いますと言われて握手をしました。あれは感動しましたね」とうれしそうに語った。

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 過激な作品を次々と発表してきた漫画家・石川賢さんとはどんな人だったのだろうか。永井は「本人は慎重で照れ屋だったけど、人に嫌われるようなこともやらないし、陰口もきかなかった。みんなに好かれる人間だったし、僕も大好きだった。でも残酷なシーンを描くときは嬉々として描いていた。でも本当にやさしい、正反対な性格だったんです。もっとつきあいたかったのに、残念でしょうがないですね」と優しい笑顔で述懐した。

 トーク中は、両監督が「(永井の漫画で)映画化したい作品は?」と司会者に促される場面も。そこで山口監督が、「『手天童子』がやりたいんです」と直訴すると、永井ファンが集まった会場からは大きな拍手が。「物語がどんどんエスカレートする感じがすごく印象に残っていて。あれは初めての体験でした」と山口監督が振り返ると、永井は「あれは鬼が赤ん坊をくわえている映像が見えて、導かれるように描いたんです」と懐かしそうな表情に。

 「手天童子」の物語は、ある若夫婦が「15年後に迎えに来る」という言葉と共に、巨大な鬼から1人の赤ん坊を預かることに。約束の15年後がやってきたとき、恐るべき力を持った鬼が現れ、世界に危機が迫る……、というものだが、この物語は悪夢から生まれたと明かす永井。「『手天童子』を描いていたときに、なぜか頻繁(ひんぱん)に鬼に追いかけられる夢を見たんです。すると、僕の守護霊のお坊さんが鬼を握りつぶしてくれるんだけど、次はもっとでかいのが出てきて襲ってくる。そこで、目を覚めたらこいつを描いてやると思って描くんですね」と次々と鬼の登場する夢について語る永井に、会場内は騒然となった。

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 そして最後に、「鬼にたたられたんで、『手天童子』はつらかった。でもおはらいをしたら、何とか、最後までやり遂げることが出来た。最終回のネームを喫茶店で描いていたとき、涙が出てきて止まらなかった。あれは単なる鬼でなくて前世に関係あることだったのかもしれないですね」と付け加えた永井。それを聞いて、「気軽に映画化したいなんて作品ではなかったのかもしれないですね。でもやってみたいですね」と改めて映画化へ向けて、気合を入れなおす山口監督だった。

 本作は、西日本一の極道組織、岩鬼組組長の一人息子・将造が、肉体に武器を仕込んだサイボーグとなり暴れまくる過激なバイオレンス・エンターテインメント。(取材・文:壬生智裕)

映画『極道兵器』は銀座シネパトスにて公開中

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