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宮崎駿が涙した『コクリコ坂から』のワンシーン制作秘話 戦争と戦後の混乱期、記念写真は笑わずに撮影

宮崎駿が涙した『コクリコ坂から』のワンシーン制作秘話 戦争と戦後の混乱期、記念写真は笑わずに撮影
物語の重要な鍵を握る“記念写真”-映画『コクリコ坂から』より - (C) 2011 高橋千鶴・佐山哲郎・GNDHDDT

 初号試写で宮崎駿が涙したという映画『コクリコ坂から』の記念写真撮影シーンの制作秘話が明かされた。1963年の横浜を舞台に、高校生の少女・海と少年・俊の出会いから、戦争と戦後の混乱期の中で、親たちがどう出会い、愛し、生きたかを知るまでを描いた本作。7月30日に日本テレビ系列にて放送された特番「『コクリコ坂から』はこうして生まれた」では、初号試写の際に、物語の重要な鍵を握る海と俊の父親を含む3人の男たちが記念写真を撮影するシーンで、宮崎駿が思わず涙を見せた姿が印象的だった。宮崎駿が書いた脚本にはなかったという同シーンでは、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーの昔の家族写真も参考にしたという。

 いつも生と死が隣り合わせであるという状況から、記念写真を撮影する際、笑顔を見せる者はいなかったという戦争と戦後の混乱期。その時代に青春を過ごした海と俊の父親を含む3人の男たちが写真撮影をするシーンでは、その時代に撮影された鈴木プロデューサーの家族写真も参考にしたという。もちろん、その写真にも笑顔はなく、映画の中で撮影された写真をイメージする際の資料となった。また、このシーンは、宮崎駿が書いた脚本にはなかったシーンで、映画の制作を進めていく過程で追加されたシーンだったという。

 「貴様ら先に死ぬなよ」とお互いに言い合い、激動の時代へと突入していった海と俊の親の世代。「混乱の中で、親を亡くした子を自分の子として育てる。そんなことが当たり前だった時代。自分と他人の境界線が曖昧で、いろんなことに寛容だった時代の青春」(映画『コクリコ坂から』オフィシャルサイトより引用)は、高度経済成長期に青春を過ごす海たちに、何を残したのか? そこに描かれる歴史を見つめてみるのも、映画の楽しみ方の一つだ。(編集部・島村幸恵)

映画『コクリコ坂から』は全国公開中


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