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伊坂幸太郎「ポテチ」が宮城・仙台オールロケで映画化決定!主演は濱田岳、監督は『ゴールデンスランバー』中村義洋

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伊坂×中村コンビの象徴ともいえる、主演の濱田岳
伊坂×中村コンビの象徴ともいえる、主演の濱田岳

 人気小説家・伊坂幸太郎による仙台が舞台の小説「ポテチ」が、映画『ゴールデンスランバー』、『アヒルと鴨のコインロッカー』などに続き、伊坂作品を手掛けるのは4作目となる映画監督・中村義洋によって映画化されることが決定した。東北地方を襲った東日本大震災をきっかけに製作が決まったもので、仙台オールロケを敢行する。

 「ポテチ」は、中村監督により映画化された作品を含む短編集「フィッシュストーリー」の1編。空き巣が生業の男と自殺願望を持つ女が、地元のプロ野球選手の家に盗みに入ったことから始まる、目に見えないきずなの物語をあたたかく描く。被災地となった東北地方の現状を目の当たりにした2人の、「いままでの恩返しとして、現在の仙台の姿を通して皆に勇気を与えて、復興の後押しをしたい」との思いから、宮城・仙台オールロケによる映画化が決定。宮城県仙台市に在住し、同地を舞台にした作品を数多く執筆するベストセラー作家の伊坂。そして、その伊坂作品の「ゴールデンスランバー」「アヒルと鴨のコインロッカー」を宮城・仙台でロケを行い、見事映像化した中村監督が、東北地方、そして日本のために再びタッグを組むこととなった。

 映画化は、伊坂本人から中村監督へ今年5月の終わりごろに提案された。伊坂との間に、作品の映画化はやり切ったという共通意識があった中村監督は、その提案に初めは驚いたという。しかし、震災発生以降、救援物資を届けに東北に足を運んでいるうち、「映画監督として元気を与える作品を送りたい、という気持ちが強くなっていたこと、そして過去の作品でお世話になった仙台という街にまだ御礼ができていなのでは」という思いがあった監督にも迷いはなく、映画化を決心した。

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 音楽を手掛けるのは『フィッシュストーリー』『ゴールデンスランバー』でも2人とコラボレーションし、反原発ソングが話題となった斉藤和義。主演を務めるのは、伊坂・中村コンビの過去3作品全てに出演している濱田岳。これまでの撮影で仙台になじみが深い濱田は「またいつか皆さんが映画を観られる状況になったら、一分でも、一秒でも、あの日の事から離れて、心の底から楽しんでもらえる作品にしたいです」と意気込みを語っている。

 映画は、監督の「これは今すぐに撮られるべき作品だと思いました」という言葉どおり、8月下旬にクランクインし、9月中旬にクランアップの予定。上映時間約60分の中編映画として公開される。伊坂も、「まさかこんなに早く撮影に入るとは想像もしておらず、驚いています」とコメントし、「きっと、多くの人たちが損得を抜きにして行動してくれた結果ではないかな、と想像します」と感謝の気持ちを述べている。多くの人々を巻き込んだ奇妙なつながりが、小さな奇跡を起こす様子を描く本作。被災地で苦しむ人々に、さわやかな感動をもたらす作品となることを願いたい。(編集部・入倉功一)

映画『ポテチ』は2012年春、全国公開予定

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