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ベネチアで絶賛された園子温『ヒミズ』の少年&少女のはかない愛の美しさにくぎ付け!

ベネチアで絶賛された園子温『ヒミズ』の少年&少女のはかない愛の美しさにくぎ付け!
ポスターからもはかなさがこぼれる……。 - (C) 「ヒミズ」フィルムパートナーズ

 先日行われた第68回ベネチア国際映画祭で称賛の的となった話題作『ヒミズ』の予告編が解禁され、家庭崩壊から生じる若者の迷いを壮絶なまでに描いた作品の世界観が明らかになった。主演の若手俳優・染谷将太と二階堂ふみが、同映画祭で日本人として初めてマルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人俳優賞)をダブル受賞し、世界に認められた本作。鬼才・園子温監督が初めて原作を基に映画化したもので、園監督の持ち味である残忍な映像描写やストーリーテリングが遺憾なく発揮されている。

 園監督の過去作品に出演経験のある吉高由里子や西島隆弘(AAA)をはじめ、吹越満、渡辺哲、神楽坂恵、でんでん、黒沢あすか、光石研ら園ファミリーが勢ぞろいしていることも見どころの一つである『ヒミズ』。園作品初参加の窪塚洋介や鈴木杏ら実力派の先輩俳優に囲まれながら、世界でその演技力を示した染谷と二階堂は、平凡な人生を夢に描いていた15歳の少年・住田(染谷)と、住田に思いを寄せる少女・茶沢(二階堂)にふんし、人気漫画家・古谷実の原作を基に、東日本大震災後、脚本が書き換えられた本作で、若者ならではの葛藤をみずみずしく演じきっている。

 はかなくも美しい恋が交差する本作の世界をひと足先に感じることができる予告編では、父を自らの手で殺害してしまった住田の激変ぶりがあらわに。「どうせならこんなゴミ以下の命でも、立派に使ってみたいと思う」と言葉を吐く主人公に、心がざわめくはずだ。深部でもがき、脱皮しようとする住田は一体どこへ向かうのか? 父と子、母と娘の劇的な背景から、現代社会が抱える問題と重なり、思いを巡らせずにはいられない。

 未来を諦め、世直しのために殺人鬼となる主人公の顛末(てんまつ)を、少女が包み込む愛と共に描く『ヒミズ』。目を閉じた二階堂が泥まみれの染谷に顔を近づけているポスターからも、漠然と前を見つめる主人公の様子が見て取れ、揺れ動くキャラクターの心理がにじみ出ている。類を見ないほど壮絶な青春物語に感動を吹き込んだ園監督の世界に、どっぷりとはまってみてほしい。(編集部・小松芙未)

映画『ヒミズ』は2012年1月14日より新宿バルト9、シネクイントほか全国公開


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