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園子温監督、学生たちと原発問題についてのトークセッションを行う(1/2)

園子温監督、学生たちと原発問題についてのトークセッションを行う
学生達と真剣な言葉を交わした園子温監督

 13日、早稲田大学戸山キャンパスにて、東日本大震災の被災地・気仙沼でもロケを行った映画『希望の国』の学生向け試写会が行われ、脚本・監督の園子温監督が出席して、映画のテーマのひとつでもある原発について学生たちとトークセッションを行った。

 「園監督らしい過激な描写がこの作品では抑制されているのでは」と、のっけから学生側の突っ込んだ質問を受けた園監督。これに、「このテーマは別枠」と答える。「これだけでなく、これからも福島や3・11を題材にした映画を作っていこうと思っている。描写の過激さは原発や3・11の恐怖をただ煽るだけなので、このテーマではもう少し冷静な表現をと考えた」と、これまでの作品との違いを強調する。

 原発がテーマになったことについて「人間は慣れる生き物。原発の問題にもだんだん慣れてしまう。この映画を、慣れを揺さぶるような存在にしたかった」と語る。実生活でもガイガーカウンター2台を所持し、日本だけでなく海外へも持ち出して測定をしたりしている監督は「東京に住んでいる人は、ここを安全だと思っているかもしれませんが、実はここも被災地です。日本自体が福島です」と、問題に慣れつつある今の日本に警笛を放つように言葉を続けた。

 一部の撮影は福島県で行われた。現地ではやはり「放射能」という言葉を口にしにくかったと振り返る。そういう言葉に触れないようにする風潮があり、現地の居酒屋などで「放射能」という言葉を会話に出すときも、「ノウ」と暗号のように置き換えて話したというエピソードなどを紹介し、監督自身はそういう風潮に疑問を感じていると述べた。

 パフォーマンス集団のChim↑Pomが、「広島の空をピカッとさせる」アートをしたら、いろんな団体からクレームが来たというエピソードを例に挙げた監督は、その際、唯一Chim↑Pomを支持したのが実は現地の「原爆を語り継ぐ会」の高齢者だったと言い、彼らも「みんなそんなこと忘れたいから、もうそんなことを語るのをやめろ」と言われているという現地の複雑な心理があることを紹介した。

 映画は福島を舞台に撮るつもりだったが、いろんな場所を取材するうちに、広島、長崎、福島の三都市の名前を合わせた「長島」という架空の地を舞台に作ることに変更した。「南相馬以外の場所が描けないのはいかがなものかと思った」と園監督。「圏内でも圏外でもないボーダーな場所を描けばいいんだと思った」と話す。


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