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ベトナム戦争渦中で撮影された日本映画、37年ぶりにフィルムが発見され公開へ

ベトナム戦争渦中で撮影された日本映画、37年ぶりにフィルムが発見され公開へ
37年ぶりにフィルムが発見された映画『ナンバーテン・ブルース さらばサイゴン』より

 1974年から1975年にかけベトナムで撮影するも、フィルム紛失などにより未公開になっていた川津祐介主演『ナンバーテン・ブルース さらばサイゴン』(長田紀生監督)のフィルムが昨年、37年ぶりに発見された。修復作業を終えた同作品はこの程、オランダで開催された第42回ロッテルダム国際映画祭でワールドプレミア上映された。

 同作品は『修羅雪姫』(1973)や『犬神家の一族』(1976)の脚本家で知られる長田の幻の監督デビュー作。日本人商社マン(川津祐介)が元現地社員のベトナム人を殺害してしまったことから闇組織に命を狙われることになるハードボイルドアクションだ。無謀にもベトナム戦争最中に約4か月間の長期ロケを敢行し、威嚇射撃を受けたこともあったという。

 それでも長田監督は「日本は高度成長期まっただ中で、大きな要因はベトナム戦争にあった。そんないい気になっている日本人に冷水をぶっかけたい。そんな思いがあればベトナムで撮ってもいいのではないか? 自分たちのベトナム戦争を描きたい」と周囲の不安をよそに撮影を強行。結果的に、戦火のベトナムを写した貴重な作品となった。

 しかしその後、編集を巡って出資者と確執が生まれ、また当時は自主上映作を上映する劇場がなかったこともあり公開は暗礁に。だが昨年、死亡した出資者の遺族がフィルムを東京国立近代美術館フィルムセンターに預けていたことが発覚。版権問題をクリアし、フィルムの修復作業を得てようやく晴れの舞台を踏むこととなった。

 長田監督は「一度は公開を諦めた作品をロッテルダムで上映していただけて光栄です。特にアジア各国の若い記者が関心を示してくれ、ともすれば“歴史”になってしまいかねない20世紀の戦争を現時点から見直すことの重要さを考える契機になってくれたのではないかと思っています」と感慨深げに語った。(取材・文:中山治美)

映画『ナンバーテン・ブルース さらばサイゴン』は年内公開予定


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