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是枝監督を直撃、新作『そして父になる』への思いは? (ニューヨーク映画祭)

是枝監督を直撃、新作『そして父になる』への思いは? (ニューヨーク映画祭)
是枝裕和監督

 第51回ニューヨーク映画祭(N.Y.F.F'51)に出品されている新作『そして父になる』について是枝裕和監督が語った。

 同作は、学歴、仕事、家庭すべて申し分ないエリート会社員の良多(福山雅治)が、ある日6歳の息子慶多が出生時に病院で他人の子どもと取り違えられたことが判明し、血縁か、共に過ごした時間かどちらを重視するか選択に迫られていくという内容。良多の妻役に尾野真千子、子どもを取り違えられたもう一組の夫婦をリリー・フランキーと真木よう子が演じた。

 写真家の瀧本幹也を撮影監督に起用したのは「これまでタッグを組んでいた山崎裕は女性を撮るのが得意ですが 、今作は男性を色っぽく撮ること、スタイリッシュに都会的に撮ること、さらにクールな映像にするために、瀧本さんにお願いしました。瀧本さんの手掛けたダイワハウスのリリー・フランキーさん出演のCMは、人物が風景の中にワンカットずつ捉えられた見事な構図で、自然光も生かされていました。彼とは映画『空気人形』のスチール写真でご一緒し、一枚一枚の映像の強さや、光の捉え方の才能を感じていたので依頼しました」と語った通り、初コラボで見事な結果を出した。

 映画『誰も知らない』のように子役に脚本を渡さず、子役に会ってから脚本を構成したのかとの質問に、「『誰も知らない』の時、初めて脚本を渡さず、せりふを全編現場で、僕が耳元でささやきながら撮影を行いました。それがうまくいったので、それ以降は脚本を子役に渡していません。現場でパパがこう言うから、こう言ってごらんという感じで、最初は僕が一度やり、後は役者が演じました。なるべく子どもたちにとって、僕が存在しないやり方で、集中力が父親と母親に向くように撮りました」と子役に対しては一貫した撮影手法をとったようだ。

 家族をテーマに描いた作品が多いのは「映画『歩いても 歩いても』の母親役の樹木希林さんから、『監督はこういう家族の話を撮るのなら、失敗してもいいから一度結婚し、夫という立場を経験し、別れてもいいから子どもを持ち、父親という立場を経験し、息子だけでなく、夫、父親という立場も全部経験した方が絶対に立体的に家族が描ける』と言われたんです。その後僕も子どもを持ち、確実に立体的な視点を持ち得ました」と答えた。

 映画は、家族という形態の奥深さを気付かせてくれる完成度の高い作品に仕上がっている。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)


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