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ほとんど台詞なし…ロバート・レッドフォード主演の海洋映画

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新作について語ったJ・C・チャンダー監督とロバート・レッドフォード
新作について語ったJ・C・チャンダー監督とロバート・レッドフォード

 第51回ニューヨーク映画祭(N.Y.F.F'51)で名優ロバート・レッドフォードが、新作『オール・イズ・ロスト(原題) / All Is lost』について、J・C・チャンダー監督と共に語った。

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 同作は、インド洋をヨットで航海中の男(ロバート・レッドフォード)が、ある日漂流していたコンテナに衝突して船体に穴が開き、船内が水浸しでラジオもナビゲーションも使用不能となり、激しい嵐やサメの脅威に直面しながら命を懸けた航海を続けていくというもの。映画『マージン・コール』のJ・C・チャンダーがメガホンを取った。

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 映画内ではほとんど台詞がないため、どのような脚本構成だったのか。「脚本は31ページ分の通常の脚本構成として書かれたもので、その記された内容も映画内とほぼ変わらないものだ。確かに台詞はほとんどないが、脚本ではそれぞれのシーンに音響なども含めて詳細に記した。この脚本内容はおよそ1年~1年半くらい考えたもので、レッドフォードに脚本を渡してから、身体的に彼ができるかを確認しながら進めた」とチャンダー監督が語った。

 過去の海洋での航海体験についてチャンダー監督は「僕の両親はよくヨットで航海していたから、僕も若い頃には経験があった。一度だけ、今作のように(周りに陸が見えない)オープンセーリングをやったが、その際も1人ではなかった。今作のように1人で広い海を航海するには、自分が高い水準にいなければいけない。ただ、20代の時に今作と似たような大きな嵐を体験して、その記憶が鮮明に残っていたことが製作に役に立ったんだ」と答えた。

 身体能力を必要とする役柄だが、その下準備についてレッドフォードは「脚本に全て詳細に記されていたから、それほどリサーチをする必要はなかった。そのうえ、僕は映画『大いなる勇者』で似たような生き残るためのスキルを磨く体験をしたことがあって、それが今作には役立った」と語ると、チャンダー監督は「撮影開始3か月前から海洋エキスパートに相談しながら準備したため、ロバートが参加した頃はすでに準備万端だった。それに、レッドフォードも日頃から水泳をしていて素晴らしい体型だった。今作ではワンショットだけ彼ではないシーンがあるが、その他は全て彼が演じてくれた」と感心した。

 映画は、台詞がない海洋映画の演出力と、海に立ち向かうレッドフォードの身体能力が魅力の作品に仕上がっている。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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