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本物のヤクザに密着 フランス人監督の異色ドキュメンタリー日本初上映

本物のヤクザに密着 フランス人監督の異色ドキュメンタリー日本初上映
ヤクザの世界に飛び込みカメラを回したジャン=ピエール・リモザン監督 - 写真:中山治美

 開催中の第13回山形国際ドキュメンタリー映画祭で14日、フランスのジャン=ピエール・リモザン監督が指定暴力団・稲川会系碑文谷一家熊谷組に密着した異色ドキュメンタリー映画『ヤング・ヤクザ(原題)/ Young Yakuza』が日本初上映された。会場には、熊谷正敏組長も駆けつけた。

 同作品は2008年、カンヌ国際映画祭で特別招待上映されて話題を読んだ伝説の仏映画。そのとき、日本の映画会社2社が配給に興味を示したそうだが、暴力団排除条例が各地で制定され規制が強化されている中「契約まで至らなかった」とリモザン監督は言う。

 しかし今回は、リモザン監督が同映画祭インターナショナル・コンペティションの審査員を務めていることから、特別上映が実現。リモザン監督は「カンヌ後、いくつかの映画祭で上映されたが日本での上映はまた格別な思いがある」とあいさつした。

 製作のきっかけは、知人を通して仏・パリで熊谷組長と出会ったところから始まる。『ゴッドファーザー』など映画談義に花を咲かせ、当時公開されていた韓国映画『オールド・ボーイ』を一緒に観賞して組長と親しくなったリモザン監督は、思い切って「わたしのような素人でもヤクザ映画を撮ることは可能ですか?」と尋ねたという。熊谷組長の答えは「不可能ですね」だった。だが、その数か月後に東京で再会したとき、再び「例えば素人が組に入るようなことがあったとき、撮影してもいいですか?」と提案したところ、「やってみましょう」と快諾してもらったという。

 撮影は2005年~2006年の約1年間に渡って行われた。条件は「裏の世界は撮らない。ただし、目の前で起こった事実は撮る」こと。カメラは他の社会同様に若者教育の難しさや、厳しい社会情勢の中で自分たちがどう生き残っていくかに苦悶(くもん)する熊谷組長の姿を写し出していく。

 普段触れることのない裏社会の現実に、黒澤明監督作のスクリプターで知られる野上照代までもが「面白いから日本で公開したらウケますよ」と賞賛を寄せたほど。ただし続けて「日本語の録音が悪くて聞こえにくい。日本語のサブタイトルを付ければいい」とダメ出し。それでもリモザン監督は「メルシー(ありがとうございます)」と真摯(しんし)に指摘を受け止めていた。(取材・文:中山治美)

山形国際ドキュメンタリー映画祭は10月17日まで開催


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