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元日本赤軍リーダーを母に持つ重信メイ、うそで固めた日々の苦しさを告白

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独房にいる母への思いを語った重信メイ
独房にいる母への思いを語った重信メイ

 元日本赤軍の最高指導者、重信房子とドイツ赤軍の女性リーダー、ウルリケ・マインホフの壮絶な生きざまを、彼女たちの娘の目を通して探るドキュメンタリー映画『革命の子どもたち』が7月5日に公開される。それに先駆け、房子の娘であり、本作にも出演しているジャーナリストの重信メイが現在の胸中を語った。

映画『革命の子どもたち』フォトギャラリー

 本作で共演したウルリケの娘ベティーナ・ロールとは全く面識がないという重信は、「映画を観て、同じような境遇で育ったのに、考え方が真逆で驚いた」と意外な様子。「ウルリケさんの活動がドイツで再評価されているにもかかわらず、いまだにベティーナさんは母親に否定的な態度を貫いている。わたしは状況が厳しければ厳しいほど、親子の絆は深まると信じてきたので不思議な感じだった」と明かす。

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 “悪名高きテロリスト”と世間から批判される中、母・房子と愛にあふれた関係を築いてきたという重信は、「意外かもしれませんが、母は常に冷静で、感情に任せて怒る姿を見たことがない。叱るときは、なぜ悪いのかを辛抱強く伝える努力をする人だった」と述懐。小さいころ、クルド人の子と遊んでいて石を投げられたときも、「あなたは何も悪くない。自分で相手を説得してきなさい」と背中を押すほどの徹底ぶりだったという。

 だが、そんな暮らしも束の間、重信は母・房子が日本赤軍のリーダーであるが故に、国籍もないまま生きていくことの苦しみを味わうことになる。「一番つらかったのは、うそをつかなければ生きていけなかったこと。友達や恋人と親しくなればなるほど、全てをうそで固め、自分の身に危険が迫ると、連絡もせず、その地から姿を消さなければならなかった。それが本当に申し訳なくて」と悔しさをにじませる。

 ただ、2001年に日本国籍を取得してからは、ネット時代の恩恵も受けて、徐々に友人関係を取り戻しているという。「SNSを全て認めているわけではないけれど、友人との再会に関しては、ありがとう! って言いたい」と笑顔を見せた。

 過酷な運命に飛び込んでいった母・房子と、その運命に翻弄(ほんろう)された娘・メイ。この映画は、闘いの真実を知る一つの手掛かりであるとともに、激動の時代を必死に生きた親子の人間ドラマでもある。「母には裕福な婚約者がいたの。あの日、学生運動と遭遇しなかったら、全てが変わり、わたしもいなかった……」。重信の胸に去来するものを、われわれは計り知ることはできない。(取材:坂田正樹)

映画『革命の子どもたち』は7月5日よりテアトル新宿ほか全国順次公開

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