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暴力でしか自分を示せない親子を描いた究極の刑務所映画とは?

暴力でしか自分を示せない親子を描いた究極の刑務所映画とは?
デヴィッド・マッケンジー監督

 注目の英国人俳優ジャック・オコンネル主演の話題作『スタード・アップ(原題) / Starred Up』について、デヴィッド・マッケンジー監督が語った。

 本作は、暴力的な青年エリック(オコンネル)は少年院から凶悪犯が収容される刑務所に移送されるが、そこでも感情が抑えきれず囚人とけんかばかりの日々が続き、ついに刑務所のセラピスト、オリヴァー(ルパート・フレンド)は、エリックの父親で囚人たちの重鎮でもあるネヴィル(ベン・メンデルソーン)と接触させる決意をするというドラマ。映画『パーフェクト・センス』のデヴィッド・マッケンジーがメガホンを取った。

 父親ネヴィルとエリックの関係について「二人は、エリックが5歳の時以来会っていない。お互い親子関係についてさまざまな期待を抱いてはいるが、明らかにお互いの愛が最初は欠乏している。そのため、最初はすごくぎこちない形でお互いの距離を測っていたが、徐々にこれまで持っていなかった感情が生まれてくるんだ」と答えた。さらにセラピストのオリヴァーとエリックの関係については「オリヴァーは、新たな囚人となったエリックと、セラピーに参加した他の囚人たちとの感情をわざと触発させて、強制的にエリックがその感情に対応しなければならない環境を作ったりする重要な人物だ」と明かした。

 また、エリックを描くうえで「犯罪者である青年の人間的な正直さと、囚人同士のつながり、さらに犯した罪をあがなうことを描く必要があった。さらにエリックは刑務所内で異なった人格を持ち合わせていて、一つは問題児である自分に敵対心を抱く囚人たちと接するときの人格と、父親ネヴィルに接するときの人格だ」と、刑務所に入った暴力的な青年を描く難しさを語った。こうした周囲が敵だらけの環境の中で、疎遠だった父親と接点を持つ様が面白い。

 今作を通して刑務所のシステムに疑念を抱く観客がいるのではないか。「逆にセラピストの囚人たちへの対応はポジティブな要素だと思うが、もちろんセラピストによって違うだろうし、すべてのセラピストの対応がしっかり機能しているとも限らない。いずれにしろ、それらは刑務所のシステムの責任だが、今作では特に刑務所のシステムを批判してはいない。あくまでこの刑務所のシステムを背景に、複雑な環境下での家族の関係を描いている」と説明した。

 映画は、暴力的な環境の中での不器用な親子愛を描いている秀作だ。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)


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