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カルト的人気を誇る映画『シベ超』シリーズ、その魅力とは?

カルト的人気を誇る映画『シベ超』シリーズ、その魅力とは?
怪作『シベリア超特急』より - (C)cinemaparadise

 第1作目の劇場公開から19年を経た今もなお、日本映画史上他に類を見ない怪作(!?)として、カルト的人気を誇る映画『シベリア超特急』シリーズの魅力を振り返ってみた。

 映画番組の解説者を24年以上にわたって務め、「いやあ、映画って本当にいいもんですね」の名ゼリフで親しまれた国民的映画評論家の故・水野晴郎氏。そんな彼が自らMIKE MIZNO名義で監督・原作・脚本を手掛け、さらには主演まで果たした作品が1996年の『シベリア超特急』である。

 舞台は第2次世界大戦の前夜。走行中のシベリア超特急の車内で起きた殺人事件を、実在の陸軍大将・山下奉文が解決する。謎解きが謎解きとして全く成立していない脚本、動いている様子すらみじんも感じさせない列車の激安なセット、一寸の迷いもなく堂々とセリフを棒読みする山下大将役の水野、そして観客の予想を強引な力業で裏切る2度のどんでん返し。そこには、もはや水野晴郎ワールドと称するしかない未知の異空間が広がっていたのだ。

 多くの同業者=映画評論家を言葉に詰まらせ、当初は興行成績も芳しくなかった本作。ところが、ヘンテコな映画を愛する一部マニアを中心に口コミで評判が広がり、めでたくシリーズ化。2作目では高級ホテル、3作目では豪華客船が舞台となるなど、脚本と演出の独特なセンスはそのままに、作品の規模だけはどんどんスケールアップしていった。そして淡島千景や三田佳子、草笛光子など、昭和を代表する名優をそろえたキャストの顔ぶれも豪華に。寺島しのぶや尾上松也といった、後にブレイクする若手が顔を出していることにも要注目だ。

 では、なぜこれほどまでに『シベ超』シリーズが人気を集めたのか。それはズバリ、全作からダダ漏れする水野の熱烈な「愛」に尽きるだろう。ヒッチコック映画をはじめとする往年の名画へのオマージュをちりばめ、シリーズを通して主人公の山下大将に反戦メッセージを託す。そのあふれんばかりの映画愛と平和愛こそが、突っ込みどころ満載の本シリーズを愛すべきカルト映画たらしめているのかもしれない。(文・なかざわひでゆき)

映画『シベリア超特急』は5月1日午後11:00よりWOWOWシネマにて放送


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