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名優仲代達矢がニューヨークで映画『切腹』を振り返る!

名優仲代達矢がニューヨークで映画『切腹』を振り返る!
『切腹』について振り返った仲代達矢

 映画『人間の條件』『乱』の名優仲代達矢が、現在ニューヨークの映像博物館で上映されている小林正樹監督の名作『切腹』について語った。

 本作は、虚飾にまみれた武家社会と武士道の残酷さを暴いた異色時代劇。彦根藩井伊家の屋敷に現れた津雲(仲代)と名乗る浪人が「切腹のためお庭拝借」を申し出るが、生活に困窮した浪人によって横行していた「押しかけ切腹」と見てとった家老は、数か月前、若い浪人に竹光で腹を切らせた話をする。津雲はその浪人は自分の娘婿であることを告げて戦いを挑む。

 舞台から映画への転機は小林監督との出会いにあったそうだ。「現在も僕は舞台俳優ですが、僕の日本映画でのキャリアを(皆さんの印象に残していただける形で)スタートさせることができたのは小林監督のおかげです」と語り、小林監督の映画での政治的な立場や主張については「先週、ここで『人間の條件』を上映させていただきましたが、今日の『切腹』も含めたあらゆる作品に、小林監督が戦時中に満州に渡り沖縄で捕虜になったことが反映されています。監督は戦争体験、悪しき体制に抵抗を持っていて、『切腹』では、武士道は立派なものであるはずが、実はうわべだけの武士道があったということを、ヒューマニズムを通して熱心に描きました」と偉大な監督との関係を振り返った。

仲代達矢
今は亡き小林正樹監督や、脚本家の橋本忍への思いも語った仲代達矢

 黒澤明監督作品を多く手掛けてきた今作の脚本家、橋本忍について「今作で僕が演じた役は50歳ぐらいでしたが、当時僕は29歳でした。果たしてできるのか? と思いましたが、橋本さんの脚本が素晴らしかったため、どうにか老けて頑張ろうと思いました。橋本さんは黒澤監督の『七人の侍』『羅生門』など、常に黒澤組で仕事をし、僕も何度か黒澤作品に出させていただきました。今も元気でいらっしゃって、日本が誇るべき素晴らしい脚本家だと思います」と高く評価した。

 それぞれの役柄の準備について「まず映画や舞台の脚本を読み、その脚本がお客さんに何を訴えているのかつかみ取ります。それから主人公の共感できる部分、共感できない部分があるのですが、共感できない部分は俳優としての技量で(観客に)見せています。わたしは60年間の役者人生の中で、素晴らしい監督と素晴らしい作品に巡り合えました。だいたい監督の注文通りにやってきたつもりです」とアプローチを語った。

 映画は、武士道の不条理を描いた日本映画の不朽の名作。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)


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