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第13回『脱出』(1944年)【名画プレイバック】(1/3)

第13回『脱出』(1944年)
映画『脱出』より - 写真:アフロ

 いつの時代にも、スクリーンを彩るスターのカップルは永遠の憧れ。実生活でも、おしどり夫婦として知られたハンフリー・ボガートとローレン・バコールが恋に落ちた作品が『脱出』(1944)だ。ノーベル賞作家アーネスト・ヘミングウェイが1937年に発表した小説「To Have and Have Not(持つと持たぬと)」を、ハワード・ホークス監督が映画化。脚本を手掛けたのは、こちらもノーベル賞作家ウィリアム・フォークナーという、今振り返ると贅沢なメンツだが、何と言ってもボガート&バコールの共演が最大の魅力と言える娯楽大作に仕上がっている。(今祥枝)
※以下の文章には一部ネタバレと思われる箇所が含まれています。

 第2次世界大戦中、1940年夏。ナチス・ドイツの傀儡(かいらい)であるヴィシー政権下にあるフランス領マルティニク島で、アメリカ人のハリー”スティーヴ”・モーガン(ハンフリー・ホガート)は、政治など無縁といった風で釣り船の船長として気ままに暮らしていた。ある日、ハリーが住居にしているホテルのオーナーで、ヴィシー政権に対抗するド・ゴール派のフレンチーからレジスタンス、ポール・ビュルサックの密航に協力するよう頼まれる。最初は政治に関わるのはいやだと断るが、ホテルで出会った謎めいた美女マリー”スリム”・ブラウニング(ローレン・バコール)のため、またヴィシー政府の手先である警察の汚いやり方を目の当たりにし、ハリーは陽気な酒飲みのエディー(ウォルター・ブレナン)とともにレジスタンスの逃亡に加担することに。

 ドンパチもありつつ、密航のくだりからは巡視船と一戦を交えるなどキナくささが一気に加速。ハリーはフレンチーがホテルにかくまった、負傷したポールの傷口から銃弾を取り出したり、横暴なルナール警部らを相手に大立ち回りをするなど八面六臂の大活躍。ぶっきらぼうで強面だが、人のいいエディーや弱きに優しく、風来坊のようでありながらも一本筋が通っている。口ぶりやふるまいはクールだが、その実、正義感ある熱い男ハリーは、タフな男くささ全開。セックスアピールも十二分で、女スリで流れ者、後にホテルのクラブ歌手になるマリーとは一目で引かれ合い、ポールの美人妻エレーヌ(ドロレス・モラン)までもが、やや唐突にハリーによろめくというモテ男ぶり。これもまた、ボギーが作り上げたハードボイルド調のボガート・スタイルと言えるだろう(第4回『マルタの鷹』参照)。


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